獨協医科大学医学部の配点と対策|1次は全教科マーク

獨協医科大学医学部医学科の第1次試験は、外国語100点・数学100点・理科200点の合計400点400点のうち200点、つまり半分が理科という配点です。福岡大学の系統別日程とまったく同じ構造で、私立医学部としても理科に寄った設計だといえます。英語や数学が得意でも、理科で崩れれば届かないということですね。

そして獨協医科の最大の特徴が解答形式にあります。第1次試験は全教科マークシート方式で、記述式の問題がありません。ただしこれは「記述がないから楽」という話ではありません。マーク式には誘導に乗る力が要求されるため、その形式に特化した対策が必要になります。過去問演習の重要度が、他の大学より一段上がるということですね。

さらに採点方式にも独自のルールがあります。各科目の得点は標準偏差を用いて標準化され、素点ではなく相対得点が使われます。この仕組みが意味するのは、難問を1問取ることの価値が下がるということです。簡単な問題を確実に取り切ることの価値が、そのぶん高くなります。この記事では令和8年度学生募集要項と令和9年度入学者選抜概要から配点を整理したうえで、対策の中身をお伝えします。竹内個別は大学受験全般に対応するオンライン個別指導塾です。配点の読み解きと方針の解説としてお読みください。

この記事でわかること

  • 獨協医科大学医学部の第1次・第2次試験の配点(大学公式)
  • 全教科マークシート方式が対策に与える影響
  • 標準化(偏差値)採点で何が変わるか
  • 試験日自由選択制の使い方と、共通テスト利用選抜の廃止
  • 学費6年間3,660万円と、地域枠の奨学金

獨協医科大学医学部の配点【大学公式】

以下は獨協医科大学が公表している数字です(出典:獨協医科大学「令和8年度学生募集要項 医学部」「令和9年度入学者選抜概要」)。医学科の入学定員は120人で、一般選抜(前期)の募集人員は52人です。第1次試験と第2次試験で扱いが大きく違うので、分けて見ていきます。まず第1次試験から確認してください。募集人員の内訳については、後ほど別の項目で整理します。

第1次試験は3教科400点。理科が半分

第1次試験は外国語100点・数学100点・理科200点の合計400点です。理科は物理・化学・生物から2科目を選択し、各100点で計200点になります。理科1科目あたりの重みが、英語や数学と同じという設計です。国語も地歴公民も課されません。試験時間は外国語と数学が各60分、理科が2科目で120分という配分です。第1次試験はこの3教科で完結します。

教科科目時間配点1次内の比率
外国語英コミュⅠ〜Ⅲ・論理表現Ⅰ〜Ⅲ60分10025.0%
数学数Ⅰ・数Ⅱ・数Ⅲ・数A・数B・数C60分10025.0%
理科物理/化学/生物 から2科目120分20050.0%
合計400100%

数学の出題範囲は数Ⅰ・数Ⅱ・数Ⅲに加え、数A、数B(数列、統計的な推測)、数C(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面)です。理科は物理基礎・物理/化学基礎・化学/生物基礎・生物の組み合わせから2科目を選びます。3科目のいずれからも選べるので、科目選択に制約はありません。試験は3教科で完結する形になります。

第2次試験は小論文・面接・調査書

第1次試験の学力試験の成績で第1次合格者が決まり、その合格者に対して第2次試験が行われます。第2次試験は小論文(60分)と面接で、これに調査書を加えて総合的に判定する形です。要項には各項目の配点が記載されていません。学科試験のように点数で示される仕組みではないということですね。第1次と第2次で、評価される内容がはっきり分かれる構造です。

試験内容配点
小論文課題文の読解力・要約力、倫理観、明確な文章表現を評価非公表
面接医学を学ぶ動機や意欲、社会に向き合う態度、コミュニケーション能力等を評価非公表
調査書高等学校の学習成績の状況、課外活動状況等を評価非公表

要項には「第1次・第2次試験の成績及び調査書により、総合的に判定して合格者を決定します」と記載されています。まず第1次試験の400点を通過しなければ、小論文にも面接にも進めません。対策の優先順位は、この構造から自然に決まってきます。出願時に提出する自己申告カードは、面接時の参考資料として使われます。

配点から必要な得点は見えても、そこに届くまでに何をどの順で何時間やるかは別の話です。参考書ごとの所要時間と目標正答率まで入ったロードマップを無料でお配りしています。

獨協医科大学医学部 第1次試験の配点

全教科マークシート方式。ただし「楽」ではありません

獨協医科の第1次試験は、要項に「全教科マークシート方式」と明記されています。外国語・数学・理科のすべてがマーク式で、記述式の解答がありません。私立医学部でも記述を課す大学は少なくないなかで、はっきりした特徴だといえます。外国語も数学も理科も、答案に途中式や論述を書く場面がないということですね。記述式の答案作成に慣れていない受験生でも、形式そのものは取り組みやすくなります。

ただしここを「記述がないから楽」と受け取るのは誤りです。マーク式にはマーク式の難しさがあります。選択肢や空欄の形で示される誘導に乗る力が要求されるからです。誘導の意図を読み違えると、途中まで正しく解いていても最後で合わない、ということが起こります。自分の手順で解き進められる記述式と違い、大学が用意した道筋をたどる必要があるからです。

だからこそ過去問演習の重要度が上がります。竹内個別では過去問を「最後に慣れるためにやるもの」として位置づけていますが、獨協医科の場合は形式への適応そのものが得点に直結します。どういう誘導の付け方をする大学なのかを知っておく価値があるということですね。第1次試験の形式は前期・後期で共通です。形式に慣れるまでの時間も見込んで計画を立ててください。

▶ 関連記事:福岡大学医学部の配点と対策|一次は理科が半分

標準化(偏差値)採点。難問を解く理由がなくなります

獨協医科にはもうひとつ独自のルールがあります。第1次試験の得点は、素点をそのまま合計する方式で処理されません。ここを知らないまま自己採点をすると、実際の判定とずれた見通しを持つことになります。制度として珍しいだけでなく、対策の考え方にも関わる部分です。要項の記載をそのまま引用します。

> 本学は、適正な選抜をするために、各科目の採点結果は標準偏差を用いて標準化します。したがって、点数は素点ではなく、相対得点(標準的な得点分布に変換した値)となります。

つまり「何問正解したか」ではなく、受験者全体のなかでどの位置にいたかに変換した点数が使われます。素点をそのまま合計する方式ではないということですね。試験後に自分で400点満点の素点を計算しても、その数字が合否判定に使われるわけではありません。自分の得点だけでなく、その年の受験者全体の出来によって評価が動くということです。

素点その年の受験者平均標準化後の扱い
英語80点70点平均+10点ぶんの位置
数学50点40点平均+10点ぶんの位置

素点では英語と数学に30点の差がありますが、標準化すると両方とも同じ評価になります。科目間の難易度差が補正される仕組みだからです。その年の数学が難しくて平均が下がっていれば、素点50点でも十分な得点として扱われます。得意科目で大きく稼ぐという発想が効きにくくなる設計です。逆にいえば、難易度の高い年に当たった科目でも不利にはなりません。

簡単な問題を取り切る価値が高くなります

この採点方式が対策に与える影響は、ひとつだけはっきりしています。難問を解く理由がなくなるということです。難しい問題を1問取っても、その1問は相対得点のなかに埋もれます。ほとんどの受験生が正解する問題を落とすほうが、はるかに大きな損失になるからです。正答率が数パーセントの問題を1問取っても、相対得点の伸びはわずかにとどまります。

そして実際の入試では、ほとんどの受験生は平凡なミスとケアレスミスで点を落としていきます。難問が解けなくて落ちるのではなく、取れるはずの問題を取りこぼして落ちるということですね。標準化採点は、この構造をさらに強めます。簡単な問題をきちんと取り切ることの価値が、そのぶん高くなるという結論になります。この傾向はどの大学でも変わりません。

竹内個別が医学部志望の生徒にお伝えしている方針も同じです。典型問題を100%取り切る精度を上げることが、合格への最短距離になります。獨協医科の採点方式は、この方針を裏側から支える材料だと考えてください。難問対策に時間を投じる前に、確実に取れる問題の精度を確認してください。採点方式がその方針と同じ方向を向いているということですね。

標準化採点では素点の差が残らない

難問対策はAからB

竹内個別としてお伝えする獨協医科の到達目標は、典型問題を100%取り切ること、そこから難問が解けるレベルまでです。上級問題精講のような最難関大向けの問題集まで進める必要はありません。まずは典型問題の完成度を上げ、余裕があれば一段上まで手を伸ばすという順序になります。使う問題集のレベルは、Aが仕上がった段階で判断してください。

医学部の二次対策は、大学によって求められる到達度が3段階に分かれます。この見極めを誤ると、必要のない難問に時間を吸われるか、逆に手が届かない問題に本番で当たるかのどちらかになります。志望校の位置を把握したうえで、使う問題集を決めることが大切です。前者は典型問題の精度が上がらないまま入試を迎え、後者は当日に手が止まります。

到達度内容該当する大学の例
A典型問題を100%取り切る福岡・富山・徳島・山口・金沢
A〜B典型問題の完成後、難問が解けるレベルまで獨協医科・帝京
B難問が解けるレベルまで広島・神戸・信州・大阪公立
C上級問題精講レベルまで京都・北海道・東京科学

獨協医科は帝京大学と同じくAからBの範囲に入ります。ただし標準化採点があるぶん、Bへ進む優先順位は下がります。典型問題の取りこぼしをゼロに近づける作業のほうが、得点への効き方が大きいからです。Bまで手を伸ばすのは、Aが完成してからにしてください。難問1問と、典型問題1問の取りこぼしを比べれば、後者を潰すほうが確実です。

▶ 関連記事:医学部受験の対策と勉強法|典型問題100%が合格の鍵

理科200点。現役生は先取りが必要になります

第1次試験400点のうち、理科が200点を占めます。理科の優先順位が上がり、現役生は先取りが必要になるということですね。理科は学校の授業進度が最後まで終わらないことも多い科目です。第1次試験の半分を占める科目を、直前まで未修範囲を抱えたまま迎えるわけにはいきません。他の科目より先に着手すべき科目だということですね。

福岡大学の系統別日程も、外国語100点・数学100点・理科200点というまったく同じ配点です。私立医学部を志望する場合、理科の完成時期を早める判断が必要になる大学が複数あるということになります。他の医学部と同じ順番で進めると、間に合わなくなる可能性があります。ここが志望校を決める段階での分かれ目になります。

理科は物理・化学・生物から2科目を選べるので、科目選択に制約はありません。金沢大学のように生物選択ができない大学とは違い、自分の得意な組み合わせで受験できます。科目選択の自由度が高いぶん、選んだ2科目をどこまで仕上げるかが問われるということですね。2科目で120分という試験時間も、時間配分の練習が必要になります。

試験日自由選択制。2日とも受けることを勧めます

獨協医科の第1次試験には試験日自由選択制があります。試験日が2日設けられており、受験生はどう受けるかを選べる形です。私立医学部では複数日程を設ける大学がありますが、その扱い方は大学によって違います。獨協医科の場合は、次の表のとおり2つの受け方があります。要項の記載を整理するとこうなります。

選び方扱い
2日のうち都合のよい1日を選んで受験するその日の成績で判定
2日とも受験する4科目の相対得点の合計が高得点となる日の結果を採用

注目すべきは2日とも受けた場合の扱いです。高得点だった日の結果が採用されるので、悪かった日の成績は合否判定に使われません。実質的に2回のチャンスがあるということですね。帝京大学でも同じ構造の制度があり、竹内個別としては全日程を受けることをお勧めしています。1日だけ受けて調子が出なかった場合、その結果がそのまま判定に使われます。

試験には運の要素があります。得意な範囲から出るか、苦手な範囲から出るかで、同じ実力でも点数は動きます。受験できる回数が増えれば、その振れ幅を吸収できるということですね。獨協医科を本命に近い位置づけで考えているなら、2日とも受験する前提で計画を立ててください。実力が同じでも、1回の結果だけで判断されるのは不利になりやすいということですね。

ただし2日連続で受験する体力的な負担は考慮してください。試験は3教科で朝から夕方までかかります。2日目に力を出せる状態を作ることも準備のうちだということですね。試験会場は五反田TOCビルで、宿泊を伴う受験になる場合は日程と移動の計画も早めに立てておいてください。2日間の日程を押さえるとなると、宿泊先の確保も一段難しくなります。

試験日自由選択制は2日とも受けられる

共通テスト利用選抜は2025年度入試から廃止されました

獨協医科大学医学部には、かつて大学入学共通テスト利用選抜(募集5名)がありました。この方式は2025年度入試から廃止されています。令和9年度入学者選抜概要にも、共通テストを利用する選抜区分は掲載されていません。廃止に伴い、一般選抜(後期)の募集人員が10名から15名に増えました。情報が古いまま残っているサイトもあるので注意してください。

この変更は、国公立を第一志望とする受験生の計画に直接影響します。共通テスト利用で獨協医科を押さえておく、という組み方ができなくなったということですね。獨協医科を併願先として考える場合は、大学独自試験を受けに行く前提で日程を組む必要があります。古い情報を参照していると、存在しない方式で計画を立てることになります。

あわせて、以前は一般選抜(前期)で募集していた埼玉県地域枠と茨城県地域枠が、学校推薦型選抜(指定校制)での募集に移っています。入試制度が近年動いている大学だということですね。出願を検討する段階では、必ず大学ホームページで最新の入学者選抜概要を確認してください。数年前の情報をそのまま使うと、実際の募集区分と食い違います。

一般選抜(後期)は15名。出願資格が広くなります

一般選抜(後期)の募集人員は15名で、第1次試験の配点は前期とまったく同じ400点です。外国語100点・数学100点・理科200点、全教科マークシート方式、標準化採点という条件もすべて共通しています。違うのは試験日が1日のみという点で、前期のような試験日自由選択制はありません。対策の中身を前期と分ける必要はありません。

出願資格については、後期のほうが範囲が広くなっています。前期の出願資格に加えて、高等学校卒業程度認定試験の合格者と、本学の個別の入学資格審査により高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められた者が加えられています。高卒認定からの受験に道が開かれているということですね。再受験や既卒の受験生にとっては、出願先の候補になります。

区分募集人員試験日試験日自由選択制出願資格
一般選抜(前期)52名2日間あり高卒・卒業見込等
一般選抜(後期)15名1日のみなし高卒認定・個別審査を含む

後期15名は、一般選抜全体(前期52名+栃木3名+新潟2名+後期15名=72名)の20.8%にあたります。私立医学部としては後期の枠が小さくない規模です。前期で結果が出なかった場合に、同じ大学へもう一度出願できるということですね。ただし前期より募集人員が少ないぶん、競争は厳しくなると考えてください。

一般選抜72名/定員120名。推薦・総合型が約45%

配点と同じくらい確認しておきたいのが、募集人員の内訳です。入学定員120人のうち、一般選抜での募集は72人にとどまります。残りは総合型選抜と学校推薦型選抜での募集で、約45%が推薦・総合型という構成になります。一般選抜だけを見て志望校を考えると、この枠が視野から抜け落ちます。この構成を知らないまま、一般選抜だけで計画を組むのは損になります。

区分募集人員
一般選抜(前期)52名
一般選抜(前期・栃木県地域枠)3名
一般選抜(前期・新潟県地域枠)2名
一般選抜(後期)15名
一般選抜 小計72名
総合型選抜3名以内
学校推薦型選抜(公募・地域特別枠)10名
学校推薦型選抜(指定校制)約20名
学校推薦型選抜(指定校制・栃木県地域枠)7名以内
学校推薦型選抜(指定校制・埼玉県地域枠)2名
学校推薦型選抜(指定校制・茨城県地域枠)2名
学校推薦型選抜(系列校)約10名
推薦・総合型 小計約54名

指定校制と系列校は出願できる高校が限られますが、総合型選抜と学校推薦型選抜(公募・地域特別枠)は条件に当てはまれば出願できます。条件に合う受験生であれば、検討する価値があるということですね。募集人員が一般選抜の半分以上ある以上、無視できる規模ではありません。在籍している高校が指定校になっているかどうかは、進路指導室で確認できます。

なお栃木県地域枠と新潟県地域枠は、一般選抜(前期)への出願が必要です。地域枠だけを単独で受けるのではなく、一般選抜の枠組みのなかで申し込む形になります。出願要件と卒業後の勤務条件については、必ず大学の該当ページで確認してください。つまり一般選抜の学力試験を受けたうえで、地域枠としての判定を受けることになります。学力試験の対策は一般選抜と共通です。

入学定員120人のうち一般選抜は72人

学費は6年間3,660万円。地域枠の奨学金は学納金と同額です

獨協医科大学医学部の学納金は、6年間の総額で3,660万円です(出典:獨協医科大学「令和8年度学生募集要項 医学部」)。私立医学部31校のなかでは21位にあたります。初年度は入学金150万円を含めて860万円、2年次以降は毎年560万円という内訳になります。私立医学部では初年度の負担が大きくなる大学が多く、獨協医科も同じ構造です。

項目初年度2〜6年次(各年)6年間の合計
入学金1,500,000円1,500,000円
授業料3,500,000円3,500,000円21,000,000円
教育充実費3,600,000円2,100,000円14,100,000円
合計8,600,000円5,600,000円36,600,000円

このほか委託徴収金として、学友会費10万円と父母会費60万円の計70万円が入学時に必要になります。また成績優秀者(若干名)は初年度の教育充実費の半額180万円が減免されます。入学金を除く学納金には2分割納入の制度があるので、支払いの時期を分けることも可能です。納入の時期を分けられるかどうかは、家庭の資金計画にも関わります。

私立医学部の学費は大学差が非常に大きいので、他校と並べて位置を確認してください。獨協医科は中位よりやや安い側に入ります。竹内個別が配点を整理してきた私立3校で比べるとこうなります。最も安い大学と最も高い大学では、6年間で2,000万円以上の開きがあります。学費は合格後の6年間に関わる条件なので、出願先を決める段階で確認しておく価値があります。

大学6年間の学費31校中の順位難問対策
獨協医科3,660万円21位A〜B
福岡約3,775万円26位A
帝京約3,937万円28位A〜B(時間があればC)

地域枠の奨学金は6年間で2,200万円と3,660万円

獨協医科には栃木県地域枠と新潟県地域枠があり、いずれも修学資金が貸与されます。大学卒業後、対象の県が指定する公的医療機関等で医師として一定期間業務に従事すると、返還の債務が免除される仕組みです。金額は枠によって大きく違います。医師として働き始めてから返還するのではなく、勤務そのもので免除される仕組みだということですね。

地域枠募集人員奨学金貸与額(6年間総額)
栃木県地域枠3名2,200万円
新潟県地域枠2名3,660万円

注目していただきたいのは新潟県地域枠です。貸与額3,660万円は、獨協医科の学納金6年間総額とぴったり同額にあたります。栃木県地域枠の2,200万円も、学納金の6割にあたる規模です。学費の負担が入試の障壁になっている場合、検討する価値があるということですね。私立医学部の学費が出願の障壁になっている家庭にとっては、大きな差になります。

ただし奨学金の返還免除には、卒業後に指定された医療機関で一定期間勤務するという条件が伴います。金額だけを見て判断せず、勤務の条件と期間を必ず確認してください。募集人員はそれぞれ3名・2名と少なく、一般選抜(前期)への出願が前提になります。勤務先の地域と期間は、卒業後の生活そのものを左右します。

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学費6年間3,660万円と地域枠の奨学金

獨協医科大学を目指すなら、優先順位はこうなります

ここまで整理した内容を、実際の勉強の順番に落とし込みます。配点を読むこと自体が目的ではありません。何にどれだけ時間を使うかを決めるために配点を読むということですね。獨協医科の場合、優先順位は以下の順序になります。同じ1時間でも、どの作業に使うかで得点への効き方が変わります。獨協医科の場合は次の順序になります。

1. 典型問題を100%取り切る精度を上げる(標準化採点で最も効く作業) 2. 理科2科目を早く仕上げる(第1次試験400点の50%) 3. 過去問でマーク式の誘導に慣れる(形式への適応が得点に直結) 4. 試験日は2日とも受験する前提で計画する(高得点日が採用される) 5. 難問対策はAが完成してからBへ(優先順位は高くない) 6. 小論文・面接は第1次試験の通過が前提(配点非公表)

この順序で共通しているのは、取れる問題を確実に取ることが最優先になるという点です。標準化採点も、理科200点という配点も、マーク式という形式も、すべてこの結論を指しています。難問を1問取ることより、簡単な問題を落とさないことのほうが効くということですね。対策の方向がひとつに揃っている大学だといえます。

併願の組み方についても触れておきます。共通テスト利用選抜が廃止されているため、国公立志望者が追加負担なく出願する道はありません。獨協医科を受けるなら、大学独自試験のために東京へ出向く前提になります。試験日程と他校の日程を重ねて確認し、体力的に無理のない組み方を先に決めてください。移動と宿泊の負担も計算に入れてください。

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FAQ

Q1. 獨協医科大学医学部の第1次試験の配点は?

A. 外国語100点・数学100点・理科200点の合計400点です。理科は物理・化学・生物から2科目を選択し、各100点で計200点になります。400点のうち半分が理科という配点で、福岡大学の系統別日程とまったく同じ構造です。国語も地歴公民も課されません。第2次試験は小論文・面接・調査書による総合判定で、配点は公表されていません。

Q2. 第1次試験はマークシートですか?

A. はい。要項に「全教科マークシート方式」と明記されており、外国語・数学・理科のすべてがマーク式です。ただし記述がないから楽という話ではありません。マーク式には選択肢や空欄による誘導に乗る力が要求されます。誘導の意図を読み違えると、途中まで正しく解いていても最後で合わないということが起こるため、過去問演習で形式に慣れておく価値が高くなります。

Q3. 標準化(偏差値)採点とは何ですか?

A. 各科目の得点を標準偏差を用いて変換し、素点ではなく相対得点で判定する仕組みです。「何問正解したか」ではなく「受験者全体のなかでどの位置にいたか」が使われます。科目間の難易度差が補正されるため、得意科目で大きく稼ぐ発想は効きにくくなります。試験後に自分で素点を合計しても、その数字が合否判定に使われるわけではありません。

Q4. 難問対策はどこまで必要ですか?

A. 典型問題を100%取り切ることを土台に、余裕があれば難問が解けるレベルまで進める範囲です。上級問題精講のような最難関大向けの問題集までは必要ありません。ただし標準化採点があるぶん、難問へ進む優先順位は下がります。ほとんどの受験生は平凡なミスとケアレスミスで点を落とすため、取れる問題の精度を上げるほうが得点への効き方が大きくなります。

Q5. 試験日自由選択制とは何ですか?

A. 第1次試験が2日間設けられており、都合のよい1日を選ぶか、2日とも受験するかを選べる制度です。2日とも受験した場合、4科目の相対得点の合計が高得点となる日の結果が合否判定に採用されます。悪かった日の成績は使われないため、実質的に2回のチャンスがあることになります。竹内個別としては2日とも受験することをお勧めしています。

Q6. 共通テスト利用選抜はありますか?

A. ありません。かつては募集5名の大学入学共通テスト利用選抜がありましたが、2025年度入試から廃止されています。廃止に伴い一般選抜(後期)の募集人員が10名から15名に増えました。国公立志望で共通テスト利用の併願を考えている場合は、この方式が使えないため計画の組み直しが必要になります。最新の入学者選抜概要で確認してください。

Q7. 学費は6年間でいくらですか?

A. 6年間の学納金総額は3,660万円です。内訳は入学金150万円、授業料350万円×6年で2,100万円、教育充実費が初年度360万円と2年次以降210万円×5年で1,410万円になります。私立医学部31校のなかでは21位です。このほか学友会費10万円と父母会費60万円が入学時に必要で、成績優秀者(若干名)は初年度教育充実費の半額180万円が減免されます。

Q8. 地域枠の奨学金はいくらですか?

A. 栃木県地域枠が6年間総額2,200万円、新潟県地域枠が3,660万円です。新潟県地域枠の貸与額は、獨協医科の学納金6年間総額とぴったり同額にあたります。卒業後に対象の県が指定する公的医療機関等で医師として一定期間業務に従事すると、返還の債務が免除されます。募集人員は栃木県3名・新潟県2名で、いずれも一般選抜(前期)への出願が必要です。

まとめ

獨協医科大学医学部医学科の第1次試験は、外国語100点・数学100点・理科200点の合計400点400点のうち半分が理科という配点で、福岡大学の系統別日程と同じ構造です。理科の優先順位が上がり、現役生は先取りが必要になります。第2次試験は小論文・面接・調査書による総合判定で、配点は公表されていません。

解答形式は全教科マークシート方式です。記述がないから楽ということではなく、誘導に乗る力が要求されるため過去問演習の重要度が上がります。さらに採点は標準化(偏差値)方式で、素点ではなく相対得点が使われます。この2つが意味するのは、難問を解く理由がなくなるということです。形式への適応そのものが得点に直結します。

ほとんどの受験生は、難問が解けなくて落ちるのではなく、取れるはずの問題を取りこぼして落ちていきます。簡単な問題をきちんと取り切ることの価値が、標準化採点によってさらに高くなります。難問対策はAからBの範囲ですが、Bへ進むのはAが完成してからにしてください。この構造を採点方式がさらに強めています。

制度面では2つ押さえておきたい点があります。ひとつは試験日自由選択制で、2日とも受験すれば高得点だった日の結果が採用されます。実質的に2回のチャンスがあるので、竹内個別としては全日程の受験をお勧めしています。もうひとつは共通テスト利用選抜が2025年度入試から廃止されたことです。国公立志望で併願を考えている場合は、大学独自試験を受けに行く前提で計画を組んでください。

学費は6年間で3,660万円、私立31校中21位です。地域枠の奨学金は栃木県2,200万円・新潟県3,660万円で、新潟県地域枠の貸与額は学納金の総額とぴったり同額にあたります。ただし卒業後の勤務条件が伴うので、金額だけで判断しないでください。志望校の候補が固まってきたら、必ず学生募集要項で配点と出願要件を確認してください。偏差値表には現れない情報が、そこにあります。

著者:竹内個別戦略室 尾崎侑絃(岐阜大学医学部医学科卒業・医師免許保持)
監修:竹内個別塾長 竹内壮志(名古屋大学工学部卒業)

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