英熟語帳おすすめ4選|買う前に確認したい「そもそも必要か」の判断基準

英熟語帳の定番は、英熟語ターゲット1000・システム英熟語・解体英熟語・速読英熟語の4冊です。ただし竹内個別では、この4冊を比べる前にやってほしいことがあります。手元のNextStageやVintageを開いて、熟語のページが何割即答できるか確認することです。意外と知られていませんが、文法書には熟語のセクションが入っていて、そこに載っている熟語で十分に戦える大学は少なくありません。

熟語帳を1冊追加するというのは、10周から20周を回す時間を確保するという意味になります。参考書を買った瞬間に成績が上がるわけではありませんよね。その20周分の時間を他の科目から削って成立するのかどうかを、本を選ぶより先に計算してほしいのです。この記事では定番4冊を形式別に整理したうえで、竹内個別が実際の指導で使っている「そもそも買うべきか」「買うならどれか」の判断基準までお伝えします。

この記事でわかること

  • 英熟語帳を買う前に確認すべきこと(文法書の熟語ページ)
  • 英熟語帳が必要な人・不要な人の分かれ目(文系/理系・共通テストの目標点)
  • 定番4冊の形式の違いと、それぞれが向く人
  • 竹内個別が第一候補にしている1冊とその理由
  • 英熟語帳は何冊やるべきか

熟語帳を1冊仕上げるのに何時間かかるのか。参考書ごとの所要時間は、記事では触れていない英語ロードマップにまとめてあります。

英熟語帳を買う前に、文法書の熟語ページを確認してください

熟語帳を買う前の確認手順

まず、多くの受験生が見落としているポイントから入ります。NextStageやVintageのような文法書には、熟語(イディオム)のセクションが入っています。文法問題集だと思って使っている本の後半に、実はまとまった量の熟語が収録されているのです。毎日開いている本の中に、すでに熟語の教材が入っている状態ですね。そして竹内個別の考えでは、そこに載っている熟語で十分に戦える大学が少なくありません。志望校のレベルによっては、熟語帳を別途1冊買う必要がないケースがあるということです。

やることはシンプルです。手元の文法書の熟語ページを開いて、上から順に日本語の意味が即答できるか試してみてください。ほとんど詰まらずに意味が出てくるなら、その部分の完成度は悪くない状態といえます。逆に半分も出てこないようなら、新しい本を買う前にそこを埋めるほうが先です。同じ熟語を2冊で覚え直すことになるので、時間の使い方として明らかに損をしてしまいます。

▶ 関連記事:NextStage英文法|やらなくていいところは6領域のうち3つ

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新しい参考書を買うと、勉強が進んだ気になりますよね。書店で表紙を眺めているだけで、なんとなく英語ができるようになった感覚さえあります。でも実際に点数を動かすのは、手元の1冊をどこまで仕上げたかです。空いたままのページが残っているうちに次の1冊を買うのは、受験でいちばん起きやすい遠回りといえます。まずは持っている本の熟語ページから確認してください。

判断の目安はシンプルです。文法書の熟語ページを即答できるようになったうえで、志望校の過去問や模試で「熟語を知らなくて解けなかった」という失点が実際に出ているかどうか。出ていないなら、まだ熟語帳の出番ではありません。逆に長文の中で熟語が原因で意味を取り違えた経験が続いているなら、そこが着手のサインになります。教材を増やす判断は、不安ではなく実際の失点から出してください。

英熟語帳が必要な人・不要な人の分かれ目

熟語帳が必要な人・不要な人

文法書を確認したうえで、それでも熟語帳が要るのかどうか。ここは受験生のタイプによって答えが変わります。竹内個別では大きく2つの軸で判断していて、1つが文系か理系か、もう1つが共通テストで何点欲しいかです。この2つを先に決めると、参考書選びで迷う時間がほとんどなくなります。逆にここが曖昧なまま書店に行くと、平積みされている本の中から「なんとなく良さそう」で選ぶことになりますよね。選んだ理由が説明できない教材は、途中で不安になって別の本に乗り換える原因にもなります。

文系は必要、理系は優先順位が下がります

まず文系の受験生は熟語帳が必要です。英語の比重が高く、熟語での失点がそのまま合否に効いてきます。特に私立文系で3科目しか使わない場合、英語1科目の重みが他の受験生とはまったく違ってきますよね。配点の高い科目で取りこぼしを減らすという意味で、熟語まできっちり仕上げる価値があるといえます。英検を受験に使う予定がある場合も同じで、優先順位は上がります。

一方で理系の受験生は優先順位が下がります。実際、竹内個別で理系を目指す生徒は、そもそも熟語帳にたどり着かないことがほとんどです。数学や理科の優先順位が先に上がってしまい、熟語をやる順番が回ってこないから。これは手を抜いているわけではなく、合格までの最短距離を計算した結果としてそうなります。限られた時間の中で、どの科目のどの教材に投下するかを選んだ結果が「熟語は後回し」という判断になるわけですね。

共通テストの目標点でも変わります

もう一つの軸が、共通テストで何点欲しいかです。ここは「共通テストだけだから不要」という単純な線引きにはなりません。同じ共通テストでも、6〜7割でいいのか8割以上欲しいのかで答えが変わってきます。二次試験で英語を使うかどうかより、まず共通テストで何点必要なのかを先に確認してください。志望校の配点を調べて必要点を出しておくと、熟語に限らずどの教材にどれだけ時間を割くかの判断がすべて楽になります。

状況熟語帳の必要性
共通テストで60〜70%取れればよい不要
共通テストで80%以上欲しい必要
文系(国公立・私立問わず)絶対に必要
理系優先順位が下がる
私立文系3科目・英語の配点が高い必要
英検2級・準1級を取りにいく必要

8割以上を狙うなら、熟語で落とす失点は無視できない大きさになります。逆に6〜7割が目標なら、その時間を他の科目に回したほうが総合点は伸びるでしょう。英語だけを見て判断せず、受験全体の点数で考えるのが竹内個別のやり方です。自分の受験科目の中で英語がどれくらいの比重を占めているのか、まずはそこから逆算してください。判断の順番は、志望校と配点が先、参考書選びが後になります。

この判断を先送りにすると、何が起きるか。「一応やっておいたほうがいいかな」で熟語帳を買い、数周して放置する、という形に落ち着きます。これが最も損な結果です。やらないと決めればその時間は他の科目に回りますし、やると決めれば20周まで持っていける。宙ぶらりんの状態が、時間だけを消費して点数につながらない一番の原因になります。買うか買わないかは、早めに決め切ってしまいましょう。

英熟語帳の選び方|形式は3つのタイプに分かれます

英熟語帳の3つの形式

「必要」と判断できたら、次はどれを選ぶかです。定番4冊は形式がはっきり分かれていて、どのタイプを選ぶかで学習の進み方がまったく違ってきます。収録語数や難易度で比べる記事が多いのですが、竹内個別が重視しているのは形式のほうです。理由は後で詳しく書きますが、熟語帳は周回する教材なので、1周の重さが総コストを決めるからですね。

タイプ1:一問一答型

熟語と意味が左右に並んでいるだけのシンプルな形式です。赤シートで隠して、英語を見て日本語の意味を思い出す。この作業に100%集中できるのが最大の強みといえます。英熟語ターゲット1000がこのタイプにあたります。余計な工程が挟まらないぶん、1周あたりのスピードが速い。熟語帳は10周から20周を回す前提なので、この差は積み重なって大きく効いてきます。

見た目は地味ですし、書店で手に取っても面白みは感じにくいかもしれません。ただ暗記の教材に必要なのは面白さではなく、同じ動作を何度も繰り返せる設計です。1周が軽いほど周回のハードルが下がり、結果として仕上がりが早くなります。淡々と回すことに抵抗がないなら、このタイプが最も効率的でしょう。移動時間や休み時間のような細切れの時間でも進められるのは、この形式ならではの利点です。開いた瞬間から暗記に入れるので、机に向かう準備が要りません。

タイプ2:長文型

長文を読みながら、その中に出てくる熟語を覚えていく形式です。速読英熟語がこのタイプにあたります。長文を読む練習と熟語の暗記を同時に進められるのが売りになっていて、音読やシャドーイングの素材としても使われています。1冊で2つの目的を果たせるように見えるので、効率がよさそうに感じますよね。実際、時間が足りない受験生ほどこの「一石二鳥」に惹かれます。ただし同時に進めるということは、1周あたりの負荷も2倍になるということでもあります。

ただし竹内個別では、この形式を積極的には勧めていません。英語はそれぞれのスキルが独立しているからです。長文読解は長文読解として、熟語の暗記は熟語の暗記として、分けて取り組んだほうが伸びます。野球に例えるなら、素振りをしながら試合に出ようとするようなもの。素振りは素振りの時間に集中してやるから精度が上がりますし、試合は試合で勝ちにいくから意味があります。同時にやろうとすると、どちらの効果も薄まってしまうでしょう。

▶ 関連記事:速読英熟語のレベルと使い方|熟語帳が必要な人・不要な人の分かれ目

タイプ3:理解型・問題集型

前置詞のイメージや語源から熟語の成り立ちを理解させる形式(システム英熟語)と、問題を解きながら覚える形式(解体英熟語)です。丸暗記ではなく理屈で押さえたい人に向いていて、解説の詳しさを評価する声も多く見かけます。納得しながら進められるぶん、記憶に残りやすいと感じる人もいるでしょう。似た熟語をまとめて整理したいときにも役立ちます。丸暗記が苦手で、意味のつながりが見えないと頭に入らないタイプなら、この形式が合う可能性は高いといえます。

竹内個別の立場を先に言っておくと、語源やイメージから理解を始める必要は特にないと考えています。むしろそこから入ると覚えるまでの手順が増えて、1個あたりの処理が重くなる。20周を回すことを考えると、面倒になる場面のほうが多いのです。理解が定着を助けるケースはありますが、それは覚えたあとで気づけば十分だと考えています。

英熟語帳おすすめ4冊を形式別に比較

定番4冊の形式と1周の重さ

定番4冊を形式で整理すると、次の表のようになります。竹内個別はこの4冊を実際に使い比べているわけではないので、ここは各書の形式と、どういう人に向くかという観点で整理しています。使用感のランキングではなく、選び方の地図として見てください。どの本にも支持者がいて、合格実績もあります。順位をつけて上から選ぶより、自分がどのタイプに当てはまるかで絞り込むほうが失敗しにくいはずです。

参考書出版形式1周の重さ向く人
英熟語ターゲット1000旺文社一問一答型軽い淡々と周回して仕上げたい人
システム英熟語駿台理解型やや重い理屈で納得してから覚えたい人
解体英熟語Z会問題集型やや重い問題を解きながら定着させたい人
速読英熟語Z会長文型重い単純暗記が苦痛で続かない人

「1周の重さ」を判断軸に置いているのが竹内個別の考え方です。熟語帳は2〜3周で覚えられるものではなく、10周・20周と回してようやく定着します。だとすれば、1周にかかる時間がそのまま総コストに跳ね返ってくる。収録語数が多少違っても、周回できなければ意味がありません。ここが選定で最も効いてくるポイントになります。

書店で手に取ると、解説が詳しい本や工夫が凝らされた本が良く見えますよね。情報量が多いほど親切に感じますし、こちらのほうが力がつきそうだと思ってしまいます。でも「読んで面白い本」と「20周回せる本」は別物です。選ぶ基準は、続けられるかどうかと、速く回せるかどうか。この2点に絞って比べると、判断がぶれにくくなります。

収録語数の違いを気にする受験生も多いのですが、こちらは優先度を下げて構いません。定番として残っている熟語帳であれば、大学入試で問われる頻出の熟語はどれもカバーしています。差が出るのは収録数ではなく、そのうち何個を即答できる状態まで持っていけたか。1000語載っている本を10周した人と、1500語載っている本を3周した人では、前者のほうが試験で使える語数は多くなります。

竹内個別が第一候補にするのは英熟語ターゲット1000

4冊の中で竹内個別が最初に挙げるのは、英熟語ターゲット1000です。理由は形式のシンプルさ、ほとんどそれだけと言ってもいいくらいですね。熟語と意味が並んでいるだけなので、英語を見て日本語を思い出す作業に集中できます。英文を読む工程も、語源を理解する工程も挟まりません。20周回す前提で考えると、この軽さがそのまま仕上がりの速さになります。

同じ考え方を英単語帳でも採っています。竹内個別がターゲット1900を勧めているのは、赤シートで隠せるシンプルな設計だから。日本語訳が隠れて、時間と集中力を暗記そのものに全部投下できる形式を優先しているわけです。単語帳と熟語帳で同じシリーズを使うと、赤シートの使い方も周回のリズムも共通になるので、切り替えのストレスが減るという利点もあります。

▶ 関連記事:シス単とターゲットはどっち?英単語帳の選び方と次にやる1冊

ただし「合う・合わない」が最優先です

ここは誤解のないように書いておきます。竹内個別は参考書そのものに良い・悪いをつけていません。その人に合うかどうか、その人の優先順位に合うかどうかで決まると考えています。同じ本でも、ある生徒には最短ルートになり、別の生徒には遠回りになる。だから万人向けのランキングというものを作っていないのです。生徒ごとに志望校も残り時間も得意科目も違うので、同じ答えになるほうがむしろ不自然でしょう。

淡々とした暗記作業がどうしても苦痛で、3日で開かなくなってしまう。でも英文を読む形式なら続けられる。そういうタイプなら、速読英熟語のほうが結果的に成果が出ます。理屈で納得しないと頭に入らないタイプなら、システム英熟語が合うでしょう。問題を解く形式のほうが集中できるなら解体英熟語という選び方もあります。

続かない参考書は、どれだけ理論的に正しくても成果になりません。机に置いたまま1周も終わらない1冊より、多少遠回りでも最後まで回せる1冊のほうが価値があります。ここは他人の評価やランキングではなく、自分の性格から選んでください。判断に迷ったら、3日続けてみて苦痛かどうか。それが一番正確な材料になります。

英熟語帳は何冊やるべき?答えは1冊です

熟語帳は1冊を20周する

熟語帳は1冊で十分です。複数冊に手を出す必要はありません。これは熟語に限った話ではなく、竹内個別が参考書全般で持っている考え方でもあります。1冊を完璧に仕上げることが最短距離で、それ以上の参考書に手を出して中途半端になるのがいちばん避けたい状態だからです。参考書を増やすほど勉強量が増えたように見えますが、実際に増えているのは未完成のページ数だけということも珍しくありません。

熟語帳が2冊あると、どちらも中途半端な周回数で止まります。10周やり切った1冊と、3周ずつ回した2冊。試験で使えるのは前者です。収録語数の差より、即答できる語数の差のほうがはるかに効いてきます。2冊の合計語数を眺めて安心してしまうと、実際に得点になる語は増えていないという事態になりかねません。しかも2冊のあいだには重複する熟語がかなりあるので、増える語数は思っているより少ないのが実情です。

書店に行くと新しい熟語帳が並んでいて、今の1冊で足りるのか不安になりますよね。他の受験生がもっと難しい本を使っている話を聞くと、なおさら焦ります。でも足りないのは収録語数ではなく、たいてい周回数のほうです。1冊を20周回してから、それでも足りないと感じたときに次を考えれば十分でしょう。その段階まで来ている受験生は、そもそもこの悩みを持ちません。

2冊目を検討していいタイミングも書いておきます。1冊目をほぼ即答できる状態にしたうえで、志望校の過去問で「この熟語帳に載っていない熟語」が繰り返し出てくる場合です。この条件がそろって初めて、追加する意味が生まれます。裏を返せば、1冊目が仕上がっていない段階での2冊目は、ほぼ確実に両方を中途半端にします。順番を守るだけで避けられる失敗ですね。

英熟語はいつから始める?単語・文法・解釈・長文の後です

竹内個別の英語ルート

竹内個別の英語ルートは、単語→文法→解釈→長文読解という順番です。熟語が入るのはこの長文まで一通り終えたあと。そして他の科目との兼ね合いで時間があれば、というのが正直なところです。熟語は英語の総仕上げに近い位置にある教材で、最初に手を出すものではありません。熟語帳を早々に買って机に積んでいる受験生は多いのですが、開くべき順番はもっと後ろにあります。

なぜ最後なのかというと、熟語の前にやるべきことのほうが得点への影響が大きいからです。単語が入っていなければ文章そのものが読めませんし、文法と解釈が抜けていれば構造が取れません。土台が固まっていない状態で熟語だけ足しても、点数には変わりにくいのです。順番を守ることが、そのまま最短ルートになります。焦って先の教材に手を出すほど遠回りになるという構造ですね。

▶ 関連記事:大学受験の英語勉強法|何から始めるかと正しい順番を4ステップで

理系の受験生の場合、この「時間があれば」に到達しないことがほとんどです。高3の夏以降は理科と数学の学習量が一気に増えます。英語に割ける時間は減っていくので、熟語まで手が回らないまま本番を迎えるパターンが多いのですね。だからこそ、英語は早い時期から進めておくことを強く勧めています。高3の夏までに受験で戦えるレベルへ持っていければ、そのあとの選択肢が広がるでしょう。英語は積み上げに時間がかかるぶん、先に着手した人が有利になる科目です。

英熟語の覚え方|英→日の一方向で10〜20周

英熟語の覚え方3原則

覚え方は英単語とまったく同じです。英語を見て日本語の意味を思い出す、この一方向に集中してください。日本語から英語を書けるようにする必要はありません。まずは英→日を高速で回して、見た瞬間に意味が出てくる状態を作ります。英単語で言う「反射レベル」と同じ考え方で、友達の顔を見た瞬間に名前が出てくる、あの感覚まで持っていくのがゴールになります。

理屈で納得してから覚えるより、まず反射で出るようにするほうが試験では機能します。試験本番で問われるのは語源の理解ではなく、その熟語の意味が一瞬で出てくるかどうかですよね。長文の途中で「これはどういう成り立ちだったかな」と考え込んでいる時間はありません。だからこそ、覚え方も反射を作る方向に寄せておくのが実戦的です。

▶ 関連記事:英単語の覚え方|1秒で思い出せる「反射レベル」に仕上げる暗記法

そして周回数です。熟語は2〜3周やった程度では定着しません。10周、20周と回してようやく覚えられるものだと思ってください。つまり熟語帳に手を出すということは、20周分の時間を確保するという意味になります。1周にかかる時間を実際に測って、20倍してみてください。それがその1冊にかかる総時間です。感覚で「たぶん間に合う」と判断せず、一度だけでも数字にしておくと精度が上がります。

この時間を他の科目から削って確保できるのかどうか、そこを先に計算してほしいのです。参考書を買った瞬間に成績が上がるわけではありませんよね。20周やり切って初めて得点になります。時間の見積もりを飛ばして参考書だけ増やすのが、受験で最も起きやすい失敗といえます。逆に言えば、この計算さえしておけば熟語帳で迷うことはなくなるでしょう。

英検を取りにいくなら優先度は上がります

英検2級や準1級を目指す場合、熟語の優先順位は上がります。竹内個別でも、英検を取りにいく生徒は熟語帳をやる人が出てきますね。本番の一発勝負より、何度も挑戦できる英検で先に確保してしまうほうが有利になるケースは多いからです。志望校が英検を使えるなら、熟語まで含めて対策する価値があるといえます。逆に志望校で英検が使えないなら、熟語の優先順位は元の位置に戻ると考えてください。

実際、竹内個別で英検2級に合格したひとみさんは、単語→文法→解釈→長文という順番で積み上げて偏差値49から57まで伸ばしました(2025年度・当塾在籍生)。基礎から順番に固めていく設計は、英検対策でもそのまま機能します。熟語に進む前の土台がどう作られたのか、対談で具体的に語ってもらっています。同じ順番で詰まった経験のある人ほど、参考になるはずです。

【偏差値49→57&英検2級合格!】
ひとみさん × 塾長 対談を読む

FAQ

Q1. 英熟語帳は必要ですか?

A. 志望校と受験科目によります。文系の受験生は必要で、理系は優先順位が下がります。共通テストで60〜70%取れればよいなら不要、80%以上欲しいなら必要という線引きで考えてください。買う前に、NextStageやVintageなど手元の文法書の熟語ページが何割即答できるかを確認することをおすすめします。そこで足りていれば、新しい1冊は要りません。判断は不安ではなく、模試や過去問で実際に熟語が原因の失点が出ているかどうかで決めてください。

Q2. 英熟語帳のおすすめはどれですか?

A. 竹内個別が第一候補に挙げるのは英熟語ターゲット1000です。熟語と意味が並ぶだけの一問一答型で、1周あたりのスピードが最も速いため。ただし淡々とした暗記が続かないタイプなら速読英熟語、理屈で納得したいタイプならシステム英熟語というように、続けられる形式を優先してください。参考書に絶対的な優劣はなく、その人の優先順位に合うかどうかで決まります。

Q3. 英熟語帳は何冊やればいいですか?

A. 1冊で十分です。複数冊に手を出すと、どちらも中途半端な周回数で止まります。10周やり切った1冊と3周ずつ回した2冊なら、試験で使えるのは前者です。収録語数の差より、即答できる語数の差のほうがはるかに効いてきます。2冊目を検討するのは、1冊目をほぼ即答できる状態にしたうえで、過去問に載っていない熟語が繰り返し出てくる場合だけです。2冊のあいだには重複も多いので、増える語数は思うより少なくなります。

Q4. 英熟語はいつから始めるべきですか?

A. 単語→文法→解釈→長文読解を一通り終えたあとです。そのうえで他の科目との兼ね合いで時間が確保できる場合に着手します。熟語の前にやるべきことのほうが得点への影響が大きいためです。理系の場合、高3の夏以降は理科と数学の学習量が増えるため、この段階に到達しないまま本番を迎えることが多くなります。英語を早い時期から進めておくと、熟語まで手が届く可能性が上がります。

Q5. 英熟語は何ヶ月で覚えられますか?

A. 2〜3周では定着しません。10周から20周を回して覚えるものだと考えてください。期間を知りたい場合は、1周にかかった時間を測って20倍すると総時間が出ます。この時間を他の科目を削って確保できるかどうかが、着手するかどうかの判断基準になります。2〜3周で終わる前提で計画を立てると、途中で放置することになりかねません。感覚で判断せず、一度だけでも数字にしておくと計画の精度が上がります。

Q6. NextStageやVintageの熟語だけで足りますか?

A. 志望校のレベルによっては足ります。文法書には熟語のセクションが入っていて、そこに載っている熟語で十分に戦える大学は少なくありません。まず手元の文法書の熟語ページを開き、詰まらずに即答できる状態かを確認してください。半分も出てこないなら、新しい熟語帳を買うより先にそこを埋めるほうが得点に直結します。同じ熟語を2冊で覚え直すのは時間の無駄になります。

Q7. 熟語は語源や前置詞のイメージから覚えたほうがいいですか?

A. その必要は特にありません。語源やイメージから入ると手順が増えて面倒になることが多く、竹内個別では素直に暗記することを勧めています。1個あたりに理解のステップが挟まるほど、20周分の総時間は膨らんでいきます。語源の知識が定着を助けることはありますが、それは覚えたあとで気づけば十分です。試験で問われるのは成り立ちではなく意味そのものですから。

Q8. 英熟語とイディオムの違いは何ですか?

A. 大学受験の文脈では、ほぼ同じものを指す言葉として使われています。2語以上がまとまって1つの意味を作る表現のことで、参考書によって「熟語」と呼んだり「イディオム」と呼んだりする違いにすぎません。NextStageやVintageで「イディオム」と書かれているセクションが、そのまま熟語のパートだと考えてください。呼び名の違いで別々の対策が必要になることはないので、用語の差は気にしなくて大丈夫です。

▶ 関連記事:解体英熟語のレベルと使い方|語源から覚える必要は本当にあるか

▶ 関連記事:英熟語ターゲット1000のレベルと使い方|1周が軽いから20周できる

まとめ

英熟語帳の定番は、英熟語ターゲット1000・システム英熟語・解体英熟語・速読英熟語の4冊です。形式は一問一答型・理解型・問題集型・長文型に分かれていて、選ぶ基準は「1周を速く回せるか」と「自分が続けられるか」の2つになります。収録語数や難易度で比べるより、この2点で見たほうが判断はぶれません。どれも定番として残っている本なので、選んだ後に迷い直す必要もないでしょう。

ただし4冊を比べる前に確認してほしいことがありました。手元のNextStageやVintageの熟語ページです。そこに載っている熟語で足りる大学は少なくないので、新しい1冊を買う前に何割即答できるかを試してみてください。すでに持っている本で足りるなら、それが最も安く早い選択になります。判断の順番を整理しておきます。

  • 文法書の熟語ページが詰まらずに即答できるか確認する
  • 文系なら必要、理系なら優先順位が下がる
  • 共通テスト60〜70%なら不要、80%以上なら必要
  • やると決めたら1冊だけ。20周が前提
  • 迷ったら一番軽い英熟語ターゲット1000から

熟語帳は「1冊やれたほうがいい」教材ではあります。でも単語帳を仕上げることのほうが先。順番を間違えなければ、英語はセンスや才能ではなく積み上げで伸ばせる科目です。自分が今どの段階にいて、次に何をやるべきか。そこが曖昧なままだと、参考書選びで迷い続けることになりますし、その迷っている時間そのものが20周分の時間を削っていきます。

どの参考書に何時間かかり、どの正答率まで仕上げるか。志望校レベル別の全体像は、記事では触れていない英語ロードマップで確認できます。

著者:竹内個別戦略室 尾崎侑絃(岐阜大学医学部医学科卒業・医師免許保持)
監修:竹内個別塾長 竹内壮志(名古屋大学工学部卒業)

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