高知大学医学部の配点と対策|共テと二次がほぼ1対1

高知大学医学部医学科の配点を見て最初に気づくのは、極端さがないという点です。共通テスト950点に対して個別試験1,000点。比率にすると1対1.05で、竹内個別がこれまで配点を整理してきた医学部のなかで最も1対1に近い設計になっています。共テ寄りでも二次寄りでもない、という言い方が正確でしょう。どちらか一方に賭ける戦い方ができない配点だということですね。

均等なのは比率だけではありません。共通テストは国語・数学・理科・外国語がすべて200点で並び、個別試験も数学・理科・外国語がすべて300点で並びます。傾斜で特定の科目を持ち上げる大学が多いなかで、高知は科目間の重みをほとんど動かしていないということですね。裏を返せば、捨てられる科目がありません。苦手を1つ抱えたまま総合点を作る、という設計になっていないわけです。

竹内個別の判断はシンプルです。高知の二次に難問対策は不要で、典型問題を100%取り切ることが目標になります。そのうえで、この配点で特別に語ることがあるとすれば共通テストをしっかり取るという一点に尽きます。この記事では2027年度入学者選抜要項から配点を整理したうえで、対策の中身と、出身地制限のない地域枠についてお伝えします。竹内個別は大学受験全般に対応するオンライン個別指導塾です。配点の読み解きと方針の解説としてお読みください。

この記事でわかること

  • 高知大学医学部の共通テスト・個別試験の科目別配点(大学公式)
  • 共テ:二次が1対1.05という均等型の意味と、他大学との比較
  • 難問対策が不要な理由と、そのぶん何が求められるか
  • 面接100点の扱いと「面接評価のみで不合格」という条項
  • 地域枠に出身地制限がないことを、竹内個別がどう見ているか

高知大学医学部の配点【大学公式】

以下は高知大学が公表している選抜要項に基づく数字です(出典:高知大学「2027年度入学者選抜に関する要項」)。前期日程の募集人員は48人(うち地域枠5人)です。なお要項には、前期日程を55人(一般枠50人)とするよう現在調整中という注記が付いています。確定情報は大学ホームページで必ず確認してください。

共通テストは4教科が同じ200点です

共通テストは6教科8科目・950点です。内訳は国語200点・地歴公民100点・数学200点・理科200点・外国語200点・情報Ⅰ50点。数学は数学①100点と数学②100点、理科は2科目で各100点という構成になります。国公立医学部としては標準的な科目数ですが、配点の置き方に特徴があります。素点をどう傾斜させるかは大学ごとに大きく違うため、まずここを確認してください。

教科配点共テ内の比率
国語20021.1%
地歴公民10010.5%
数学20021.1%
理科20021.1%
外国語20021.1%
情報Ⅰ505.3%
合計950100%

国語・数学・理科・外国語の4教科が、すべて200点で完全に同率です。傾斜をかけて理科や数学を持ち上げる大学が多いなか、高知は素点をほぼそのまま使う設計になっています。国語も理科と同じ重さで効いてくるということですね。北海道大学のように国語だけを0.4倍に持ち上げる大学とも、秋田大学のように理科だけを等倍で優遇する大学とも違う形です。共通テストの段階では、文系科目と理系科目に重みの差がありません。

外国語で英語を選ぶ場合は換算が入ります。リーディング100点・リスニング100点を、リーディング160点・リスニング40点として200点に置き換える方式です。リスニングの比重が低めなので、配点上の主戦場はリーディングだといえます。とはいえ40点は共通テスト950点の4.2%にあたるので、切り捨てられる量ではありません。リスニングを捨てて他に回すという判断は、この配点では成立しないと考えてください。

個別試験も3科目が同じ300点です

個別試験は数学300点・理科300点・外国語300点・面接100点の合計1,000点です。理科は2科目で各150点、国語は課されません。共通テストで4教科が同率だったのと同じ構造が、二次でも繰り返されることになります。国語がない代わりに、理系3科目にはっきりと重心が置かれた構成だといえるでしょう。面接の100点をどう見るかは後ほど整理します。

科目配点二次内の比率
数学30030.0%
理科30030.0%
外国語30030.0%
面接10010.0%
合計1,000100%

数学・理科・外国語が各300点で完全に同率です。理科は「物基・物」「化基・化」「生基・生」から2科目を選択します。数学の範囲は数Ⅰ・数Ⅱ・数Ⅲ・数A・数B・数Cです。このうち数学Bと数学Cは、数列・ベクトル・平面上の曲線と複素数平面から出題されると要項に明記されています。範囲が事前に絞られている点は、対策を立てるうえで押さえておきたいところです。

科目ごとに合算するとこうなります

共通テストと個別試験を科目ごとに足すと、総合1,950点の内訳が見えてきます。ここが実際の合否を決める配点になるので、共通テスト単体の比率よりもこちらを基準に考えてください。同じ科目でも、共テだけで見るか総合で見るかによって位置づけが変わります。合算した数字を見て初めて、どこに時間を投じるべきかが判断できるようになります。

科目共テ個別合計総合比
国語20020010.3%
地歴公民1001005.1%
数学20030050025.6%
理科20030050025.6%
外国語20030050025.6%
情報Ⅰ50502.6%
面接1001005.1%
合計9501,0001,950100%

数学・理科・外国語が各500点で完全同率、3科目だけで1,500点=総合の76.9%を占めます。医学部として理系科目が重いのは当然ですが、その3科目のあいだに優劣がないのが高知の特徴です。得意な1科目で稼いで他を埋める、という組み立てが成立しにくい配点になります。逆にいえば、3科目を均等に仕上げれば総合点の8割近くが安定するということでもあります。

一方で国語200点・地歴公民100点・情報50点を合わせると350点、総合の17.9%です。共通テストのなかでは国語だけで21.1%を占めるので、どの分母で見るかによって印象が変わります。総合で見れば10.3%ですが、共通テストの得点率を作りに行く段階では、国語は理科と同じ重さの科目です。配点比率を語るときは、共テ内の話なのか総合の話なのかを必ず区別してください。ここを混同すると、優先順位の判断がずれます。

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高知大学医学部 科目別の総合配点

共通テストと二次が、ほぼ1対1です

竹内個別がこれまで配点を整理してきた医学部と並べると、高知の位置がはっきりします。同じ「国公立医学部」でも、共通テストと二次の比重には大きな開きがあります。この比率が変われば、いつ何を始めるべきかという計画そのものが変わってきます。二次比率の高い大学ほど着手を早める必要があるからです。志望校を絞り込む段階で必ず確認しておきたい情報だといえるでしょう。

大学共テ:二次
秋田1 : 0.67
鳥取1 : 0.76
香川1 : 0.97
高知1 : 1.05
信州1 : 1.2
神戸1 : 1.26
北海道1 : 1.67
岡山1 : 2
京都1 : 3.6
東北1 : 4

高知は1対1.05で、ほぼ中央に位置します。総合1,950点のうち共通テストが950点(48.7%)、個別試験が1,000点(51.3%)。どちらかに寄せた設計ではありません。秋田のように共通テストで6割が決まる大学でもなければ、東北のように二次で8割が決まる大学でもない、ということですね。表の上端と下端では1対0.67と1対4という開きがありますが、高知はその真ん中にあります。

この比率は計画の立て方に直結します。二次比率が高い大学ほど、二次対策の着手を早める必要があるからです。京都や東北であれば、高2のうちから二次を意識した積み上げが要ります。高知の場合、その切迫感はありません。共通テストの完成度を高める作業が、そのまま総合点の半分を作ることになります。二次対策を前倒しにするより、共通テストの土台を固めるほうが先だということですね。

▶ 関連記事:秋田大学医学部の配点と対策|二次に理科がない

共通テストと二次の比率は大学で大きく違う

だから対策は「共通テストをしっかり取る」に尽きます

均等型の配点について、竹内個別が特別に付け加えることはあまりありません。共通テストをしっかり取る。それだけです。物足りない結論に見えるかもしれませんが、配点にクセがないということは、対策にもクセが要らないということでもあります。大学ごとに戦い方を変えなければならない設計ではない、と言い換えてもいいでしょう。

竹内個別は医学部志望の生徒に一貫して「共通テストが最優先」とお伝えしています。理由は単純で、共通テストの結果によって出願できる大学が決まるからです。高知はその方針をそのまま適用できる大学だといえます。共テ48.7%・二次51.3%という比率は、共通テストの得点をそのまま総合点の土台にできるということを意味するからです。

もう少し踏み込むと、高知で狙うべきは「特定科目での大逆転」ではありません。共通テストで安定して高い得点率を作り、二次で数学・理科・外国語を大きく崩さない。この組み立てが最も再現性の高い形になります。苦手科目を残したまま突入すると、その穴を埋める場所がどこにもない配点だからです。派手さはありませんが、そのぶん計画どおりに積み上げた結果が素直に出る大学だといえます。

▶ 関連記事:医学部の共通テストボーダーは何割?戦略と目安を解説

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難問対策は不要。典型問題を100%取り切る

高知の二次試験に、難問対策は不要です。竹内個別の判断では、典型問題を100%取り切れる状態を作ることが目標になります。上級問題精講のような難関大向けの問題集まで進める必要はありません。この判断は過去問の水準から出しているもので、配点が均等であることとは別の話です。配点の形と、出題の難易度は分けて考える必要があります。

竹内個別はこれまで整理してきた医学部を、二次試験で求められる到達度によって3段階に分けています。同じ医学部でも必要な到達点は大学ごとにかなり違うため、一律の対策をすると足りないかやりすぎるかのどちらかになるからです。志望校がどの段階に入るかで、使う問題集のレベルが変わってきます。この判断を早い段階で固めておくと、教材選びで迷う時間が減ります。

段階内容該当する大学
A典型問題を100%。難問対策は不要香川・東邦・岡山・鳥取・秋田・高知
B難問対策は不要だが、難問が解けるレベルまで仕上げる神戸・信州
C難問対策が必要。上級問題精講レベルまで京都・慶應・北海道

高知はAに入ります。やるべきことは、標準的な問題集を穴なく仕上げることです。新しい問題集を積み増すより、いま持っている1冊の正答率を100%に近づけるほうが得点に直結します。京都や北海道のように上級レベルまで積み上げる必要がないぶん、同じ勉強時間を完成度に回せるという見方もできます。時間の使い道が変わるということですね。

ただし「簡単だから楽」という話ではありません。典型問題100%というのは、実際にはかなり高い水準です。見たことのある問題を確実に処理し切る力が求められます。難問を1問解けるようになるより、典型問題の取りこぼしを1問減らすほうが難しい場面は珍しくありません。高知の3科目は各300点で同率なので、どの科目にも取りこぼしを残せないということでもあります。

やる問題集のレベルが上がらないぶん、求められるのは完成度です。この構造は秋田と共通しています。範囲やレベルが絞られる大学ほど、絞られた範囲での精度が問われるということですね。難易度が下がった分だけ合格最低点の水準は上がるので、取りこぼしの許容量はむしろ小さくなります。易しい大学だと考えて臨むと足元をすくわれます。

▶ 関連記事:医学部受験の対策と勉強法|典型問題100%が合格の鍵

二次試験で求められる到達度は3段階

面接は100点。ただし「面接評価のみで不合格」の条項があります

高知の面接は個別試験のなかで100点、総合1,950点の5.1%です。配点が公表されている大学のなかでは、比率としては小さいほうに入ります。面接の配点を比べるときは、絶対値ではなく総点に対する比率で見る必要があります。総点が大きい大学ほど、同じ100点でも軽くなるからです。竹内個別が整理してきた大学と並べておきます。

大学面接総点全体比
秋田200点1,00020.0%
東北400点2,75014.5%
信州150点1,10013.6%
東邦50点5509.1%
北海道75点8408.9%
鳥取100点1,6206.2%
香川100点1,6506.1%
高知100点1,9505.1%
岡山・京都・神戸配点なし

ただし、配点比率だけで判断するのは危険です。要項の入学者選抜方法には、「医学部では、面接評価のみで不合格にすることがあります」と明記されています。100点という数字とは別に、面接そのものが合否を分ける可能性があるということですね。5.1%だから軽い、という読み方はできません。得点として加算される100点と、不合格の判断材料としての面接は別の機能を持っていると考えてください。

とはいえ、対策の優先順位を前倒しにする必要はありません。面接対策は共通テストが終わってからで構わないというのが竹内個別の一貫した判断です。理由は、志望校が確定しないと面接の中身を組み立てられないからです。共通テストの結果を見て出願先が変わることは普通にあります。確定していない大学の面接練習に、共通テスト前の時間を使うのは効率が悪いということですね。

学科試験で合格圏に入ることが先で、面接はそのあとに準備する。この順番は高知でも変わりません。ただし「気にしなくていい」と「何もしなくていい」は別です。受け答えが成立しない状態で臨むのは避けてください。志望動機と、医師を目指す理由を自分の言葉で説明できる状態。この2つが作れていれば、共通テスト後からの準備でも十分に間に合います。

▶ 関連記事:医学部の面接対策|よく聞かれる質問10選と回答の方向性を解説

地域枠に出身地制限がありません

高知の前期日程には地域枠(大学独自枠)が5人設定されています。そしてこの枠には、出身学校の所在地に制限がありません。要項にも「出身学校の所在地に制限はありません」と明記されています。高知県外の高校からでも、この枠で出願できるということですね。地域枠は地元出身者のための制度だと思われがちですが、高知の前期についてはその前提が当てはまりません。

比較すると性格がはっきりします。同じ高知でも学校推薦型選抜Ⅱの地域枠15人以内は、四国・瀬戸内地域の高校に限定されています。対象は高知・香川・徳島・愛媛・兵庫・岡山・広島・山口の8県です。評定4.3以上という条件や、高知県医師養成奨学貸付金を6年間受給する確約も必要になります。前期日程の地域枠は、それとは別枠の設計です。

竹内個別の見方では、出身地制限のない地域枠は最近増えているという印象があります。実際には出身地を問わない枠が広がってきているということですね。志望校の選択肢を考えるうえで、この動きは知っておく価値があります。なお、前期の地域枠5人に欠員が生じた場合は、その分が一般枠の募集人員に加えられる仕組みになっています。

竹内個別が地域枠を否定しない理由

地域枠については、竹内個別は肯定的に見ています。入りやすさだけを理由に勧めることはしませんが、条件が合う受験生にとっては合理的な選択肢だと考えているということです。地域枠に対しては否定的な意見も見かけますが、竹内個別はそうした立場を取りません。条件を理解したうえで選ぶなら、十分に価値のある制度だと考えているからです。以下、その理由を順に説明します。

まず、高知が好きな人にとっては素直に良い選択肢です。卒業後にその地域で働くことに抵抗がないなら、条件として重くありません。むしろ進路が早く定まるぶん、迷いが減るという面もあります。地域枠を「制約」としか見ない考え方は、この場合には当てはまらないということですね。働く場所が決まっていることを利点だと感じる人もいます。

そして竹内個別が重く見ているのは、時間や学力に制約がある受験生にとって、地域枠が現実的な選択肢になるという点です。現役で行きたいけれど今から勉強を始めるには時間が足りない。勉強がそれほど得意ではないけれど医師になりたい。そういう場合に、こうした制度は十分に使えます。選択肢を増やす手段として機能するということですね。

ここには理由があります。医学部に入ってから本当に大事なのは、頭の良さだけではありません。もちろん学力は必要です。ただ、それ以上に真面目に努力を続けられることが効いてきます。入学後の6年間と、その先の実務を支えるのはそちらだからです。だから竹内個別は、学力の入口を少し下げる制度そのものを否定しません。

ただし勤務地は固定されます

一方で、慎重に考えるべき点もはっきりしています。卒業後の勤務地が高知県に固定されるという条件です。これは軽い制約ではありません。医師としてのキャリアの初期をどこで過ごすかは、その後の専門分野や働き方にも関わってくるからです。入学時点では想像しにくい話かもしれませんが、6年後に実際に効いてくる条件になります。

すでに気持ちが決まっているなら、本当に問題ありません。ただ、「入りやすいから」という理由だけで選ぶ枠ではない、というのが竹内個別の立場です。勤務地が固定されるという一点について、慎重に考えたうえで決めてください。なお、地域枠の具体的な条件(従事期間・奨学金の取り扱いなど)は年度によって変わることがあります。必ず最新の学生募集要項で条件を確認してください。

実際に使っているのは地元の受験生が多い印象です

制度上は出身地を問わないとはいえ、竹内個別の見る限り、地域枠を実際に使っているのはその地元出身の受験生が多い印象があります。卒業後にその土地で働くことを前提にした枠なので、自然な結果だといえるでしょう。裏を返せば、県外からでも狙える枠であることは、まだあまり知られていないとも言えます。高知で働くことに前向きな受験生にとっては、検討する価値のある選択肢です。

配点から必要な得点は見えても、そこに届くまでに何をどの順で何時間やるかは別の話です。参考書ごとの所要時間と目標正答率まで入ったロードマップを無料でお配りしています。

高知の地域枠は出願条件が2種類に分かれる

情報Ⅰは50点。共テの5.3%です

高知の共通テストには情報Ⅰが50点で入ります。共通テスト950点の5.3%、総合1,950点では2.6%にあたります。情報Ⅰは大学によって配点の扱いが大きく違う科目なので、これまで整理してきた大学と並べておきます。同じ科目でも、大学が変われば投じるべき時間が変わるということですね。新課程で加わった科目なので、対策の相場観がまだ固まっていない面もあります。

大学情報Ⅰの配点
秋田50点
岡山50点
高知50点
香川20点
鳥取20点
北海道15点

50点は、これまで整理してきた大学のなかでは大きいほうです。北海道の15点と比べると3倍以上あります。ただし総合1,950点に対する2.6%なので、他科目を削ってまで時間を投じる対象ではありません。配点の絶対値が大きく見えても、分母を確認すれば位置づけがはっきりするということですね。50点という数字だけを見て焦る必要はありません。

現実的な扱い方としては、共通テスト直前期に短期集中で仕上げるのが合理的です。範囲が限られているため、投じた時間が得点に変わりやすい科目でもあります。優先順位は数学・理科・外国語の下で構いませんが、手つかずのまま本番を迎えることは避けてください。50点は、二次試験での数点差より大きい場合があります。落とせば取り返す場所を探すことになります。

2段階選抜は募集人員の4倍。倍率ではなく合格最低点を見る

高知の前期日程では、志願者数が募集人員の4倍を超えた場合に、共通テストの成績による第1段階選抜が行われます。募集人員48人であれば、単純計算で志願者192人が基準です。なお医学部医学科に後期日程はありません。前期で決着する以上、共通テストの結果を見てから立て直す余地は限られていると考えてください。後期のある大学と同じ感覚で出願先を組むと、想定が崩れます。

ここで竹内個別が繰り返しお伝えしているのは、倍率を見ても意味がないということです。倍率は毎年変動しますし、志願者の学力層まではわかりません。倍率が下がった年に受かりやすくなるとは限らないからです。前年の数字を見て出願先を決めるという判断は、根拠として弱いということですね。見るべき数字は次の3つの層に分かれます。

見る数字位置づけ
倍率見ない。年による変動が大きく、学力層がわからない
合格最低点下限。ここを目標にすると、ぎりぎり下に落ちる
合格者平均点目標。ここを狙って初めて安全圏に入る

合格最低点を目標に据えると、ほぼ確実にその少し下に落ちます。得点は当日のコンディションで揺れるからです。目標は合格者平均点に置いてください。高知のように配点が均等な大学では、この考え方がそのまま「全科目で平均以上を取る」という具体的な目標に変わります。得意科目で上振れを狙う設計ではないぶん、目標の立て方も素直になるということですね。

高知大学を目指すなら、優先順位はこうなります

ここまでの内容を整理します。配点と選抜条件から逆算すると、対策の優先順位は次のようになります。高知は傾斜で特定科目を持ち上げない大学なので、順番そのものは素直です。ただし「素直=簡単」ではありません。どの科目にも逃げ場がないぶん、抜けを作らない設計が求められるということですね。以下は総合1,950点という配点を前提にしたものだと考えてください。

  • 共通テストの完成度が最優先。総合の48.7%がここで決まる
  • 共テの国語・数学・理科・外国語は各200点で同率。偏った対策は効かない
  • 二次は難問対策不要。典型問題を100%取り切る水準まで
  • 数学・理科・外国語は各500点で同率。3科目を均等に仕上げる
  • 苦手科目を1つも残さない。埋め合わせる余地が配点上ない
  • 情報Ⅰ(50点・2.6%)は直前期に短期集中で
  • 面接は共通テスト後から。ただし受け答えが成立する状態までは作る
  • 地域枠を使うなら、勤務地の条件を先に決着させる

このなかで最も重いのが、上から5つ目の「苦手科目を残さない」です。高知の配点は数学・理科・外国語が各500点で完全に同率なので、得意な1科目で他を埋めるという発想が構造的に成立しません。得意科目を伸ばして苦手を放置した状態は、高知に関しては最も危険な形になります。苦手が1つあるなら、それを消す作業から始めてください。得点の上限を上げるより、下振れの幅を狭めるほうが効く配点です。

問題集の扱い方も同じ考え方になります。難問対策が不要ということは、新しい問題集を積み増す必要がないということです。いま持っている標準的な1冊を、正答率100%に近づけるほうが得点に直結します。手を広げるほど1冊あたりの完成度は下がるので、高知を志望校に据えるなら教材は絞ってください。やるべきことが少ないぶん、やり切ったかどうかがそのまま差になります。

そして共通テストの得点力は、高知以外を受けることになった場合にもそのまま使えます。共通テストの結果を見て出願先が変わるのは、医学部受験では普通に起こることです。共テの完成度を上げる作業は、志望校が動いても無駄にならない投資だといえます。高知の配点は、その方針と素直に噛み合っているということですね。1校だけにしか効かない対策を積むより、確実性が高い形になります。

FAQ

Q1. 高知大学医学部の配点で最も重い科目は何ですか?

A. 数学・理科・外国語が各500点で完全に同率です。総合1,950点のうち3科目で1,500点、76.9%を占めます。この3科目のあいだに優劣はありません。国語は200点(10.3%)、地歴公民100点(5.1%)、情報Ⅰ50点(2.6%)、面接100点(5.1%)です。ただし共通テストだけで見ると国語は21.1%を占め、数学・理科・外国語と同率になります。

Q2. 共通テストと二次はどちらが重いですか?

A. ほぼ同じです。共通テスト950点・個別試験1,000点で、比率は1対1.05。総合に占める割合は共テ48.7%・二次51.3%です。竹内個別がこれまで整理してきた医学部のなかで、最も1対1に近い設計になります。秋田(1対0.67)や東北(1対4)のような偏りはありません。共通テストの比重が高いか二次の比重が高いかで計画が変わるため、出願前に必ず確認してください。

Q3. 二次試験に難問対策は必要ですか?

A. 不要です。典型問題を100%取り切ることが目標になります。上級問題精講のような難関大向けの問題集まで進める必要はありません。香川・東邦・岡山・鳥取・秋田と同じ段階です。ただし典型問題100%というのは実際には高い水準で、取りこぼしを許さないという意味でもあります。ただし典型問題100%は実際には高い水準で、易しい大学だと考えて臨むと足元をすくわれます。

Q4. 二次試験に国語はありますか?

A. ありません。個別試験は数学300点・理科300点・外国語300点・面接100点の1,000点です。国語は共通テストの200点のみになります。ただし共通テスト950点のなかでは21.1%を占め、数学・理科・外国語と同じ重さです。共通テスト対策としての国語は落とせません。二次で国語を課さないぶん、共通テストの国語で確実に取り切る形になります。

Q5. 情報Ⅰの配点はどれくらいですか?

A. 共通テストで50点です。共通テスト950点の5.3%、総合1,950点の2.6%にあたります。香川・鳥取の20点、北海道の15点と比べると大きめですが、他科目を削って時間を投じる対象ではありません。範囲が限られるため、共通テスト直前期に短期集中で仕上げる形が合理的です。範囲が限られるので、直前期に短期集中で仕上げる形が現実的です。

Q6. 面接の配点と対策の時期を教えてください。

A. 個別試験で100点、総合1,950点の5.1%です。比率としては小さいほうですが、要項には「医学部では、面接評価のみで不合格にすることがあります」と明記されています。対策は共通テスト後で構いません。志望校が確定しないと中身を組み立てられないためです。ただし受け答えが成立する状態までは必ず作ってください。

Q7. 地域枠は高知県出身でないと出願できませんか?

A. 前期日程の地域枠(大学独自枠・5人)は、出身学校の所在地に制限がありません。県外の高校からでも出願できます。一方、学校推薦型選抜Ⅱの地域枠(15人以内)は四国・瀬戸内地域の高校に限定され、評定4.3以上などの条件が付きます。前期の地域枠に欠員が出た場合は一般枠の募集人員に加えられます。卒業後の勤務地が高知県に固定される点は、出願前に必ず確認してください。

Q8. 2段階選抜の条件は何ですか?

A. 前期日程で志願者数が募集人員の4倍を超えた場合、共通テストの成績により第1段階選抜が行われます。募集人員48人なら志願者192人が単純計算の基準です。なお医学部医学科に後期日程はありません。募集人員については、前期を55人(一般枠50人)とするよう調整中という注記が要項に付いています。後期日程がないため、前期で決着する前提で出願計画を組む必要があります。

▶ 関連記事:琉球大学医学部の配点と対策|リスニングと情報が重い

まとめ

高知大学医学部医学科の配点を一言でまとめると、均等型です。共通テスト950点に対して個別試験1,000点、比率は1対1.05。共通テストでは国語・数学・理科・外国語が各200点で同率、個別試験では数学・理科・外国語が各300点で同率になります。特定の科目を持ち上げる傾斜が、ほとんどありません。どちらか一方に賭ける戦い方ができない配点だということですね。

この配点から出てくる方針は明快です。共通テストをしっかり取る。総合の48.7%が共通テストで決まる以上、ここを固めることが最も確実な積み上げになります。竹内個別が医学部志望の生徒に一貫してお伝えしている「共通テスト最優先」が、そのまま当てはまる大学です。そして共通テストの得点力は、出願先が変わっても無駄になりません。

二次については、難問対策は不要です。典型問題を100%取り切れる状態を作ってください。ただし数学・理科・外国語が各500点で完全に同率という配点は、苦手科目を1つも残せないということも意味します。得意科目で埋め合わせる余地が、構造的にほとんどないからです。得点の上限を上げるより、下振れの幅を狭める作業のほうが効きます。

そして高知には、前期日程の地域枠に出身地制限がないという特徴があります。卒業後の勤務地が高知県に固定されるという条件はありますが、高知で働くことに前向きなら十分に検討できる枠です。竹内個別は、時間や学力に制約がある受験生にとって現実的な選択肢になるという点で、この制度を肯定的に見ています。医学部に入ってから効いてくるのは、頭の良さだけではなく真面目に努力を続けられることだからです。ただし勤務地が固定される一点については、慎重に考えたうえで決めてください。

配点は大学ごとに違います。同じ国公立医学部でも、共テ:二次が1対0.67の大学もあれば1対4の大学もあります。二次で課される科目や、面接の扱いまで変わってきます。志望校の候補が固まってきたら、必ず入学者選抜要項で配点と試験科目を確認してください。偏差値表には現れない情報が、そこにあります。

著者:竹内個別戦略室 尾崎侑絃(岐阜大学医学部医学科卒業・医師免許保持)
監修:竹内個別塾長 竹内壮志(名古屋大学工学部卒業)

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