入門問題精講のレベルと使い方|やるべき人は限られます
数学の入門問題精講は、教科書レベルの理解から積み上げるための参考書です。対象は偏差値45以下、白チャートと同じ帯だと考えてください。3冊(数学Ⅰ・A/Ⅱ・B/Ⅲ・C)で合計402題という構成で、網羅系の問題集と比べるとかなりコンパクトにまとまっています。まずこの位置づけを押さえてください。教科書の内容が定着していない段階で使う本だと考えてください。
結論からお伝えすると、この本自体はかなりわかりやすい参考書です。知恵袋などで「わかりにくいですか」という質問をよく見かけますが、レベルが低めに設定されているぶん、説明でつまずくことは多くありません。教科書を読んでも入ってこない人にとっては、教科書に戻るよりわかりやすいはずです。ここは安心して構いません。
ただし竹内個別としては、この本を積極的に推奨してはいません。理由は本の質ではなく、時間配分にあります。不安だからといって手を出すと、特に理系の受験生は時間が足りなくなることがほとんどだからです。402題を1日10問で進めても40日、3周すれば120日かかります。1年の3分の1が、入試レベルに届かない問題集で終わる計算になります。この記事では、やるべき人とそうでない人の線引きをお伝えします。
この記事でわかること
- 入門問題精講のレベルと、3冊402題という問題数の内訳
- 「わかりにくい」と言われるが実際はわかりやすい理由
- 欠点は問題数。網羅系と比べて練習量が足りないこと
- 竹内個別が積極的に推奨しない理由と、やるべき人の条件
- 基礎問題精講・マセマとの使い分け
入門問題精講のレベルと問題数
入門問題精講は旺文社から出ている数学の参考書で、著者は池田洋介氏です。数学Ⅰ・A/数学Ⅱ・B/数学Ⅲ・Cの3冊構成になっています。まずは各巻の基本情報から確認してください。判型・ページ数・価格は出版社が公表している数字です。改訂版はいずれも新課程に対応しており、数学Ⅲ・Cには行列を除く範囲が収録されています。3冊を揃えると4,290円になります。
3冊で402題・1,200ページ
各巻の問題数とページ数を並べるとこうなります。問題数は出版社が公表していないため、複数の解説サイトで一致した数字を採用しました。ページ数・価格・発売日は旺文社の商品ページに記載されている情報です。問題数とページ数を両方見ることで、1問あたりにどれだけの解説が割かれているかが見えてきます。1問あたりにどれだけの紙面が使われているかが、この本の性格を表しています。
| 巻 | 練習問題 | 応用問題 | 合計 | ページ数 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| 数学Ⅰ・A | 95題 | 17題 | 112題 | 360p | 1,320円 |
| 数学Ⅱ・B | 116題 | 27題 | 143題 | 392p | 1,430円 |
| 数学Ⅲ・C | 127題 | 20題 | 147題 | 448p | 1,540円 |
| 合計 | 338題 | 64題 | 402題 | 1,200p | 4,290円 |
注目していただきたいのは、402題に対して1,200ページという比率です。1問あたり約3ページが割かれている計算になります。網羅系の問題集が1問1ページ前後で詰め込まれているのと比べると、解説にかなりの分量を使っていることがわかります。これが「わかりやすい」と言われる理由でもあります。解説に紙面を割いた設計だということですね。
なお章構成は、数学Ⅰ・Aが9章、数学Ⅱ・Bが8章、数学Ⅲ・Cが10章です(出典:旺文社「数学入門問題精講 改訂版」商品ページ)。教科書の単元をそのままなぞる構成なので、学校の進度に合わせて必要な章だけ拾うこともできます。この使い方については後ほど詳しく整理します。数学Ⅰ・Aは数と式から整数の性質まで、数学Ⅲ・Cは関数の極限からベクトル・複素数平面までを扱います。
対象は偏差値45以下。白チャートと同じ帯
竹内個別としてお伝えするレベル感は、白チャートと同じくらい、偏差値40前後の生徒が使うイメージです。他社の解説記事でも「全統模試で偏差値45以下(進研模試で50以下)」を対象としており、この見立てはほぼ一致しています。教科書の内容が定着していない段階の受験生向けだと考えてください。模試の判定でいえば、数学で得点源を作れていない段階の受験生が対象になります。
言い換えると、教科書レベルが固まっている人には必要ない参考書ということになります。模試で偏差値50を超えている、あるいは学校の定期テストで平均以上を取れているなら、この本を挟まずに次の段階へ進むほうが時間の使い方として合理的です。ここが判断の分かれ目になります。この判断を間違えると、必要のない期間をまるごと使うことになります。
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配点や参考書のレベルはわかっても、そこに届くまでに何をどの順で何時間やるかは別の話です。参考書ごとの所要時間と目標正答率まで入ったロードマップを無料でお配りしています。
入門問題精講の使い方
この本の構成は、講義パートで考え方や公式を解説し、そのうえで例題に進むという流れになっています(出典:旺文社「数学入門問題精講 改訂版」商品ページ)。いきなり問題を解く形式ではないため、講義パートを飛ばして例題だけ拾う使い方には向きません。まず読んで理解し、それから手を動かす本だと考えてください。解説に紙面を割いた設計は、この構成を前提にしています。
そのうえで、竹内個別としてお伝えしたい使い方は次の4点です。どれも「時間を使いすぎない」という一点に向いています。この本に時間を取られると、そのあとの網羅系と過去問演習に手が回らなくなるからです。表にまとめたので、順番に確認してください。どれも難しい話ではありませんが、守らないと時間を失うことになります。
| やること | 理由 | |
|---|---|---|
| 1 | 全範囲をやらない。詰まっている分野だけ拾う | 理解できている分野までやり直すと時間が溶ける |
| 2 | 講義パートを読んでから例題に入る | 講義と例題がセットで設計されているため |
| 3 | わからない問題は人に聞く | 1問に何時間もかけるのは時間の使い方として得策ではない |
| 4 | 網羅系と並行して進める | 402題では演習量が足りないため |
とくに1つめが重要になります。数学が苦手といっても、全分野が同じレベルで抜けているわけではありません。三角関数は理解できているのに数列だけ壊滅している、という状態はよくあります。理解できている分野まで最初から通すと、それだけで数週間を失うことになります。必要な分野を見極めてから手をつけてください。模試の結果を単元別に見るだけでも、当たりはつきます。
そして3つめについても補足しておきます。数学は参考書を読むだけで理解しきるのが難しい科目です。どれだけ解説が丁寧でも、読んで納得できない箇所は必ず出てきます。そこで止まったまま自力で解決しようとせず、学校の先生に聞くか個別指導を使ってください。参考書は理解を助ける道具であって、理解そのものを保証するものではありません。
竹内個別の3ステップカリキュラムでの位置づけ
竹内個別では、数学の参考書を3つのステップに分けて考えています。STEP1が橋渡し問題集、STEP2が合格問題集、STEP3が過去問という並びです。この枠組みのなかで入門問題精講がどこに入るかを整理すると、この本の役割がはっきりします。まず全体像を確認してください。参考書は単体ではなく、順番のなかで意味を持ちます。
| ステップ | 位置づけ | 該当する参考書 |
|---|---|---|
| STEP1の手前 | 教科書レベルの理解 | 入門問題精講 |
| STEP1 | 橋渡し問題集 | 基礎問題精講・黄チャート |
| STEP2 | 合格問題集 | 青チャート・フォーカスゴールド |
| STEP3 | 入試演習 | 過去問 |
入門問題精講はSTEP1にすら入っていません。STEP1の手前、つまり橋渡し問題集に入る前の準備段階に位置します。ここがこの本の性格を最もよく表しているところです。カリキュラム上の本番はSTEP1からであって、入門問題精講はそこへ入るための助走だということですね。この距離感を掴んでおいてください。
この位置づけを理解すると、時間配分の判断がしやすくなります。助走に120日をかけてしまえば、本番のSTEP1・STEP2・STEP3に使える時間がそのぶん削られます。入門問題精講に取り組む場合は、STEP1に入る日を先に決めてから逆算してください。そこが動かせない締切になります。
なお、数学が極端に苦手な状態から立て直した生徒の実例もあります。数学が1桁点だった状態から逆転したケースでは、基礎レベルを確実に固めるところから始めています。偏差値40前後からのスタートでも、順番を守れば届く範囲だということですね。
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わかりにくくはありません。かなりわかりやすい参考書です
検索データを見ると「入門問題精講はわかりにくいですか」「分かりにくいですか」という質問が繰り返し出てきます。この点についてはっきりお答えすると、わかりにくいということはありません。むしろかなりわかりやすい部類の参考書です。ここで迷って時間を使う必要はありません。同じ趣旨の質問が複数の表記で上位に並んでおり、購入前に不安を持つ人が多いことがわかります。
理由はシンプルで、扱っているレベルが低めに設定されているからです。公式の意味や考え方から丁寧に解説する構成になっており、1問あたり約3ページという分量がそれを支えています。教科書を読んでも頭に入ってこない人にとっては、教科書に戻るよりこの本を読むほうがわかりやすいはずです。そういう位置づけの本だと考えてください。
ただし、ひとつだけ前提をお伝えしておきます。数学という科目は、参考書を読むだけで理解しきるのが難しい科目です。どれだけ解説が丁寧でも、読んで納得できない箇所は出てきます。これは本の質の問題ではありません。数学の理解には、自分の詰まっている場所を言語化して埋める作業が必要になるからです。解説を追えても、自分で再現しようとすると手が止まる場面が必ず出てきます。
そのため、どうしてもわからない問題が出てきたら、学校の先生に聞くか個別指導を使ってください。同じ1問に何時間もかけて自力で解決しようとするのは、時間の使い方として得策ではありません。参考書は理解を助ける道具であって、理解そのものを保証するものではないということですね。ここは割り切って人に聞く判断も必要になります。
欠点は問題数。網羅系と比べて練習量が足りません
この本の弱点をひとつ挙げるなら、問題数の少なさです。3冊で402題という数字は、入試に向けた演習量としては足りません。ここを理解しないまま「入門問題精講を完璧にすれば大丈夫」と考えると、次の段階で行き詰まることになります。解説が丁寧なぶん、収録できる問題数が絞られているということですね。ここは本の設計上のトレードオフだと考えてください。
比較するとはっきりします。竹内個別が整理してきた網羅系の問題集と並べてみてください。同じ「数学の問題集」でも、想定している役割がまったく違うことがわかります。同じ数学の問題集でも、1冊が担う役割はまったく違います。問題数を並べると、その違いが数字ではっきり見えてきます。入門問題精講がどの位置にいるかを確認してください。
| 参考書 | 3冊合計の問題数 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 入門問題精講 | 402題 | 教科書レベルの理解を助ける |
| 基礎問題精講 | 約450題 | 入試基礎の橋渡し |
| 青チャート | 約900題(例題のみ) | 網羅系・解法パターンの習得 |
入門問題精講は青チャートの半分以下という規模感です。基礎問題精講とは1割程度の差しかありませんが、網羅系と比べると差は歴然としています。402題を完璧にしても、入試で問われる解法パターンを網羅したことにはなりません。解法パターンの数がそのまま入試での対応力になるため、この差は無視できないということですね。
そのため竹内個別としては、入門問題精講はあくまで補助教材として位置づけています。この本だけで受験に立ち向かうことはできません。黄チャート・青チャート・フォーカスゴールドといった網羅系の問題集をやらないと、演習量が確保できないということですね。入門問題精講は、その網羅系に入るための準備として使う本になります。
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竹内個別は積極的に推奨していません
ここが最も正直にお伝えしたい部分です。竹内個別では、入門問題精講を積極的に推奨してはいません。繰り返しますが、本の質が低いからではありません。ここまで書いてきたとおり、わかりやすくてよくできた参考書です。問題は時間配分にあります。推奨しない理由と、それでも使う場合の条件を順にお伝えします。ここを読み違えると判断を誤ります。
不安だからといってこの本から始めると、特に理系の受験生は時間が足りなくなることがほとんどです。理系は数学Ⅲ・Cまで仕上げる必要があり、そのうえ理科2科目も抱えています。入試レベルに届かない問題集に数か月を使う余裕は、多くの場合ありません。ここを見誤ると、後半の演習時間が丸ごと消えます。文系であっても、開始時期が遅ければ同じことが起こります。
具体的な数字で見てください。仮に1日10問のペースで進めた場合、3冊402題を1周するのに約40日かかります。これを3周すれば120日です。1年の3分の1が、入試レベルに届かない問題集で終わる計算になります。網羅系にも過去問演習にも入れないまま、時間だけが過ぎていくことになります。数字にして初めて、判断の重さが見えてくるはずです。
もちろん、本当にレベルが足りていない場合はやります。教科書の内容がまったく入っていない状態で網羅系に手を出しても、1問ごとに解説を読む時間が増えて周回速度が落ちるだけだからです。判断すべきは「不安かどうか」ではなく「実際にレベルが足りているかどうか」だということですね。この線引きを次で整理します。土台がない状態で無理に上へ進んでも、結局は戻ることになるからです。
何日で終わるかは、あなたの計画次第です
「1日何問やればいいですか」「何ヶ月で1周できますか」という質問は、検索データのなかで最も需要が高い問いです。ただしこの問いには、万人に当てはまる答えがありません。1日に何問解けるかは、残り時間・他科目の負荷・現在の学力によって変わるからです。それだけ多くの人が、この本にどれだけの時間がかかるかを気にしているということですね。
参考として、ペース別の試算を出しておきます。これは「このペースでやりなさい」という推奨ではありません。自分の計画を立てるときの目安として見てください。数字を見れば、この本にどれだけの時間が必要かが具体的にわかります。自分の残り時間と照らし合わせるための材料として使ってください。数字にすると、必要な期間の実感が変わります。
| ペース | 数学Ⅰ・A(112題) | 数学Ⅱ・B(143題) | 数学Ⅲ・C(147題) | 3冊合計(402題) |
|---|---|---|---|---|
| 1日5問 | 約23日 | 約29日 | 約30日 | 約80日 |
| 1日10問 | 約11日 | 約14日 | 約15日 | 約40日 |
見ていただきたいのは、同じ本でもペースによって40日と80日という差が出ることです。さらにこれは1周した場合の数字なので、2周・3周すれば期間はそのまま2倍・3倍になります。1日5問で3周すれば240日、およそ8か月です。この規模感を把握せずに始めると、計画が崩れます。1日5問で3周すれば240日、およそ8か月になります。
だからこそお伝えしたいのは、1日何問やるかを自分で決めて、いつまでに終わらせるかを先に固めてくださいということです。入試日から逆算して、この本に使える日数を出す。その日数で402題を割れば、1日あたりに解くべき問題数が出ます。参考書のペースは参考書が決めるのではなく、あなたの残り時間が決めるということですね。
▶ 関連記事:勉強計画の立て方|入試日から逆算する5ステップで合格をつかむ方法

やるべき人・飛ばしていい人の線引き
ここまでの内容をまとめると、判断基準は明確になります。やるかどうかを決めるのは「不安の大きさ」ではなく「実際の学力」です。この区別ができないまま参考書を増やしていくのが、時間を失う典型的なパターンになります。この区別ができないまま参考書を増やしていくのが、時間を失う典型的なパターンです。判断の目安を表にまとめました。
| やるべき人 | 飛ばしていい人 | |
|---|---|---|
| 学力の目安 | 偏差値45以下(進研模試50以下) | 偏差値50以上 |
| 教科書の理解 | 読んでも内容が入ってこない | 定期テストで平均以上が取れる |
| 学年・時期 | 高1・高2で時間に余裕がある | 高3、特に理系で残り時間が少ない |
| 使い方 | 詰まっている分野だけ拾う | 網羅系から始める |
そして竹内個別が実際にやっている判断方法をお伝えします。入塾時に確認テストを受けてもらい、分野ごとにどこから入るかを決めています。入門問題精講から始めるのか、基礎問題精講からでいいのか、それとも標準問題精講から入れるのか。この判断を分野単位で行うということですね。1冊まるごとやるかどうかで考えず、単元ごとに必要な段階を割り当てるということですね。
全分野を一律で扱わないことがポイントです。数学が苦手といっても、すべての分野が同じレベルで抜けているわけではありません。三角関数は理解できているのに数列だけ壊滅している、というのはよくあることです。理解できている分野まで入門問題精講からやり直すのは、時間の無駄になります。分野ごとに抜けの深さが違うのが普通だからです。
レベルが足りているのにやってしまうのが、最も避けたい失敗です。入門問題精講のレベルを超えているのに不安だからと手を出すと、時間がすぐに溶けていきます。確認テストなり過去の模試なりで、分野ごとの現在地を把握してから始めてください。竹内個別ではこの見極めをすることで、必要のない期間を削るようにしています。

基礎問題精講との違いと使い分け
同じ旺文社の「精講」シリーズには、入門・基礎問・標準・上級という4段階があります。このうち入門問題精講と基礎問題精講は隣り合うレベルで、どちらから始めるべきか迷う人が多い組み合わせです。まず違いを整理してください。同じシリーズ名でレベルだけが違うため、どこから入るかで迷いやすい構成になっています。まず2冊の違いを整理してください。
| 入門問題精講 | 基礎問題精講 | |
|---|---|---|
| レベル | 教科書レベルの理解 | 入試基礎 |
| 対象 | 偏差値45以下 | 偏差値50前後 |
| 3冊の問題数 | 402題 | 約450題 |
| 竹内個別での位置づけ | 補助教材 | STEP1(橋渡し問題集) |
入門問題精講のほうが簡単で、基礎問題精講の1つ手前に位置します。入門から基礎問へつなぐ使い方もあります。ただし全員がその順番を踏む必要はありません。基礎問題精講から入って問題なく進められるなら、入門問題精講を挟む必要はないということですね。遠回りになるぶん、確実に時間を使うことになります。必要のない1冊を挟まない判断も大切です。
判断は前の項目で書いたとおり、分野ごとの学力によります。基礎問題精講の問題を見て、解法の見当がまったくつかない分野があれば、その分野だけ入門問題精講に戻るという使い方が現実的です。1冊まるごとやるかどうかで考えず、分野単位で判断してください。逆に、解法は浮かぶが計算で崩れるという状態なら、戻る必要はありません。
▶ 関連記事:基礎問題精講のレベルと使い方|青チャートとどっちを選ぶか
マセマ(初めから始める数学)とどっち
「初めから始める数学と入門問題精講はどっちがいいですか」という質問も、検索データによく出てきます。マセマの初めから始める数学シリーズは、同じく教科書レベルから始める講義型の参考書です。読者層が重なるため、比較されやすい組み合わせになります。どちらも講義形式で、教科書レベルから丁寧に解説する構成になっています。
竹内個別としてどちらか一方を選ぶなら、入門問題精講で構いません。ただし状況によるので、絶対にこちらがいいと言い切れるものでもありません。実際に手に取って、説明の書き方が自分に合うほうを選ぶのがいちばん確実です。書店で数ページ読み比べれば、相性はすぐにわかります。説明の相性は人によって変わるので、実物を見るのが最も確実です。
そして、より大事なことをお伝えします。この比較で時間を使わないでください。どちらを選んでも到達点は「教科書レベルの理解」であって、そこから網羅系に進む必要があることは変わりません。参考書選びに使う時間があるなら、1問でも多く解くほうが結果につながります。迷ったら手元にあるほうで始めてください。選ぶこと自体は5分で終わる作業だと考えてください。
入門問題精講の次に何をやるか
入門問題精講を終えた、あるいは必要な分野だけ拾い終えたら、次は網羅系の問題集に進みます。ここまで繰り返してきたとおり、402題では入試に必要な演習量に届かないからです。次の1冊で解法パターンを積み上げていくことになります。ここからが入試対策の本番になります。解法パターンを積み上げる段階だということですね。
進む先は、目標とするレベルによって変わります。網羅系は分量が多いので、始める時期と残り時間から逆算して選んでください。どれを選んでも、1冊を最後まで完走することが前提になります。どれを選んでも、途中でやめずに1冊を完走することが前提になります。複数を並行するより、1冊を終わらせるほうが確実に力がつきます。
| 次の1冊 | レベル | 目安 |
|---|---|---|
| 黄チャート | 教科書〜入試基礎 | 偏差値50前後から |
| 青チャート | 入試標準 | 偏差値55以上を目指す場合 |
| フォーカスゴールド | 入試標準〜応用 | 網羅性を重視する場合 |
なお、入門問題精講と網羅系を並行して進める方法もあります。網羅系を主軸に置き、詰まった分野だけ入門問題精講に戻るという使い方です。この形なら、入門問題精講に40日を丸ごと使わずに済みます。時間が限られている受験生には、こちらのほうが現実的でしょう。詰まった単元だけをピンポイントで補う形になります。全範囲を通してやる必要はないということですね。
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FAQ
Q1. 入門問題精講のレベルはどのくらいですか?
A. 教科書レベルの理解を固める段階の参考書で、白チャートと同じ帯になります。対象は偏差値45以下(進研模試なら50以下)が目安です。教科書を読んでも内容が入ってこない人に向いています。逆に模試で偏差値50を超えている、または定期テストで平均以上が取れているなら、この本を挟まず次の段階に進むほうが時間を有効に使えます。
Q2. 入門問題精講はわかりにくいですか?
A. わかりにくくはありません。むしろかなりわかりやすい参考書です。3冊402題に対して1,200ページが割かれており、1問あたり約3ページの解説があります。扱うレベルが低めに設定されているため、説明でつまずくことは多くありません。教科書を読んでも入ってこない人にとっては、教科書に戻るよりわかりやすいはずです。
Q3. 全部で何問ありますか?
A. 3冊で402題です。内訳は数学Ⅰ・Aが112題(練習95・応用17)、数学Ⅱ・Bが143題(練習116・応用27)、数学Ⅲ・Cが147題(練習127・応用20)となっています。なお問題数は出版社が公表していないため、複数の解説サイトで一致した数字を採用しています。ページ数は3冊で1,200ページです。
Q4. 1日何問やればいいですか?
A. 万人に当てはまる答えはありません。1日に解ける問題数は、残り時間・他科目の負荷・現在の学力で変わるからです。試算としては、1日5問なら3冊で約80日、1日10問なら約40日かかります。入試日から逆算してこの本に使える日数を出し、402題を割って1日あたりの問題数を決めてください。ペースは本が決めるものではなく、残り時間が決めるものです。
Q5. 入門問題精講の欠点は何ですか?
A. 問題数の少なさです。3冊402題は、青チャートの約900題(例題のみ)と比べると半分以下にあたります。入試に必要な演習量には届かないため、この本だけで受験に立ち向かうことはできません。黄チャート・青チャート・フォーカスゴールドといった網羅系の問題集に進んで、演習量を確保する必要があります。解説が丁寧なぶん収録問題が絞られている、という設計上のトレードオフです。
Q6. 入門問題精講はやるべきですか?
A. 実際にレベルが足りていない場合はやるべきですが、不安だからという理由で手を出すのは避けてください。特に理系は数学Ⅲ・Cと理科2科目を抱えるため、入試レベルに届かない問題集に数か月を使うと時間が足りなくなります。1日10問で3周すれば120日、1年の3分の1に相当します。分野ごとに現在地を把握してから判断してください。
Q7. 基礎問題精講とどちらから始めるべきですか?
A. 入門問題精講のほうが簡単で、基礎問題精講の1つ手前のレベルです。ただし全員が入門から始める必要はありません。基礎問題精講の問題を見て解法の見当がつくなら、そちらから始めて構いません。竹内個別では確認テストで分野ごとに判断しており、理解できている分野まで入門問題精講に戻ることはしません。1冊単位ではなく分野単位で判断してください。
Q8. マセマの初めから始める数学とどちらがいいですか?
A. どちらか一方を選ぶなら入門問題精講で構いませんが、状況によるので言い切れるものではありません。書店で数ページ読み比べて、説明が自分に合うほうを選んでください。どちらを選んでも到達点は教科書レベルの理解で、そこから網羅系に進む必要があることは変わりません。比較に時間を使わないことのほうが重要です。
まとめ
数学の入門問題精講は、教科書レベルの理解を固めるための参考書です。3冊で402題・1,200ページという構成で、対象は偏差値45以下、白チャートと同じ帯になります。1問あたり約3ページの解説が割かれており、わかりにくいということはありません。むしろかなりわかりやすい部類の本です。教科書を読んでも内容が入ってこない段階の受験生に向いた本です。
一方で欠点もはっきりしています。問題数が少なく、入試に必要な演習量には届きません。青チャートの約900題と比べると半分以下です。あくまで補助教材として位置づけ、黄チャート・青チャート・フォーカスゴールドといった網羅系に進む前提で使ってください。解法パターンを網羅したことにはならないということですね。
そして竹内個別としては、この本を積極的には推奨していません。本の質ではなく、時間配分が理由です。不安だからと手を出すと、特に理系の受験生は時間が足りなくなることがほとんどです。1日10問で1周40日、3周すれば120日。1年の3分の1を、入試レベルに届かない問題集に使うことになります。網羅系にも過去問にも入れないまま時間が過ぎることになります。
判断すべきは「不安かどうか」ではなく「実際にレベルが足りているかどうか」です。竹内個別では入塾時に確認テストを受けてもらい、分野ごとに入門問題精講から入るか、基礎問題精講からでいいか、標準問題精講まで飛ばせるかを決めています。理解できている分野までやり直すのは時間の無駄だからです。確認テストなり過去の模試なりで、分野ごとの現在地を先に把握してください。
最後に、ペースについてもう一度お伝えします。1日何問やるかは人によって変わります。残り時間も他科目の負荷も違うからです。参考書のペースは参考書が決めるのではなく、あなたの残り時間が決めます。入試日から逆算して、この本に使える日数を先に固めてください。そこが決まってから、1冊目を開きましょう。この記事に出した40日・80日という数字も、あくまで試算です。
著者:竹内個別戦略室 尾崎侑絃(岐阜大学医学部医学科卒業・医師免許保持)
監修:竹内個別塾長 竹内壮志(名古屋大学工学部卒業)



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