琉球大学医学部の配点と対策|リスニングと情報が重い
琉球大学医学部医学科の配点には、他の国公立医学部とはっきり違う点が2つあります。情報Ⅰが100点であること、そして共通テスト英語のリーディングとリスニングが1対1であることです。竹内個別がこれまで配点を整理してきた11校と比べると、どちらも突出しています。この2科目だけで共通テスト1,000点の20%を占める計算です。この2点が対策の組み立てを変えます。
配点全体では、共通テスト1,000点に対して個別試験800点。比率は1対0.8で、総合1,800点の55.6%が共通テストで決まります。竹内個別は医学部志望の生徒に一貫して「共通テストが最優先」とお伝えしています。琉球はその方針が最も素直に効く大学のひとつです。二次の難問対策に時間を使うくらいなら、共通テストに回すべき配点だといえます。
そしてこの記事で最もお伝えしたいのは、志望校を選ぶタイミングの話です。配点の傾斜は大学ごとに違うので、自分の得意科目・苦手科目と噛み合う大学を選ぶという発想が使えます。リスニングが得意なら、琉球は候補に入ります。この記事では令和9年度入学者選抜要項から配点を整理したうえで、その考え方をお伝えします。竹内個別は大学受験全般に対応するオンライン個別指導塾です。配点の読み解きと方針の解説としてお読みください。
この記事でわかること
- 琉球大学医学部の共通テスト・個別試験の科目別配点(大学公式)
- 情報Ⅰ100点・リスニング100点という配点が対策をどう変えるか
- 得意科目から志望校を選ぶという考え方
- 難問対策が不要な理由と、浮いた時間の使い道
- 後期日程23名をどう位置づけるか
琉球大学医学部の配点【大学公式】
以下は琉球大学が公表している選抜要項に基づく数字です(出典:琉球大学「令和9(2027)年度入学者選抜要項」)。前期日程の募集人員は70名、後期日程は23名です。なお臨時的な増員措置が令和8年度で終了したため、要項の時点では定員が確定していません。出願前に大学ホームページで確認してください。ここから先の比率はすべて、この配点表から計算したものになります。
共通テストは6教科8科目・1,000点
共通テストの内訳は国語200点・地歴公民100点・数学200点・理科200点・外国語200点・情報Ⅰ100点です。理科は物理・化学・生物から2科目を選択します。合計が1,000点ちょうどという、比率を計算しやすい配点です。素点をそのまま使う設計に近く、極端な傾斜はかかっていません。傾斜で有利不利が生まれにくい、素直な配点だといえます。
| 教科 | 配点 | 共テ内の比率 |
|---|---|---|
| 国語 | 200 | 20.0% |
| 地歴公民 | 100 | 10.0% |
| 数学 | 200 | 20.0% |
| 理科 | 200 | 20.0% |
| 外国語 | 200 | 20.0% |
| 情報Ⅰ | 100 | 10.0% |
| 合計 | 1,000 | 100% |
国語・数学・理科・外国語が各200点で同率、情報Ⅰが100点という構成です。地歴公民と情報Ⅰが同じ重さで扱われている点が目を引きます。多くの大学で情報Ⅰは20点前後に抑えられているので、琉球の100点は例外的な水準だといえます。国語・数学・理科・外国語のどれかを半分捨てるのと、情報Ⅰを丸ごと捨てるのが同じ損失になるということですね。
外国語で英語を選ぶ場合、リーディングとリスニングの配点比率は1対1です。要項に「原則として全学部1:1」と明記されています。共通テスト200点のうちリスニングが100点、つまり共テ全体1,000点の10%をリスニングが占める計算になります。リーディングに重みを寄せる大学が多いなかで、これは珍しい扱いです。詳しくは後ほど他大学と比べます。
個別試験は英・数・理と面接で800点
個別試験は外国語200点・数学200点・理科200点・面接200点の合計800点です。国語と小論文は課されません。数学は数(甲)、理科は物理基礎・物理/化学基礎・化学/生物基礎・生物から2科目を選択します。共通テストで選んだ理科2科目を、そのまま二次でも使う形になります。理科の選択は共テと二次で切り離して考えられない、ということですね。
| 科目 | 配点 | 二次内の比率 |
|---|---|---|
| 外国語 | 200 | 25.0% |
| 数学 | 200 | 25.0% |
| 理科 | 200 | 25.0% |
| 面接 | 200 | 25.0% |
| 合計 | 800 | 100% |
4項目すべてが200点で完全に同率です。面接が学科3科目と同じ重さを持っている点は、配点表を見て驚かれるかもしれません。英語・数学・理科のどれか1科目を丸ごと落とすのと、面接を丸ごと落とすのが同じ扱いになるからです。ただし対策の優先順位は配点の大きさだけでは決まりません。この扱いについては後ほど整理します。
科目ごとに合算するとこうなります
共通テストと個別試験を科目ごとに足すと、総合1,800点の内訳が見えてきます。合否を決めるのはこちらの数字なので、共通テスト単体の比率と混同しないよう注意してください。同じ科目でも、共テ内で見るか総合で見るかによって位置づけが変わります。時間の配分を決めるときは、必ず合算した数字を基準にしてください。
| 科目 | 共テ | 個別 | 合計 | 総合比 |
|---|---|---|---|---|
| 数学 | 200 | 200 | 400 | 22.2% |
| 理科 | 200 | 200 | 400 | 22.2% |
| 外国語 | 200 | 200 | 400 | 22.2% |
| 国語 | 200 | — | 200 | 11.1% |
| 面接 | — | 200 | 200 | 11.1% |
| 地歴公民 | 100 | — | 100 | 5.6% |
| 情報Ⅰ | 100 | — | 100 | 5.6% |
| 合計 | 1,000 | 800 | 1,800 | 100% |
数学・理科・外国語が各400点で完全同率、3科目で1,200点=総合の66.7%を占めます。医学部としては理系3科目の比率がやや低めです。そのぶん国語・面接・地歴公民・情報の合計500点(27.8%)が効いてきます。理系科目だけで押し切れる配点ではないということですね。国語や情報を苦手なまま残すと、そのぶんが総合点に直接響きます。
情報Ⅰは共テ内では10.0%ですが、総合では5.6%です。どちらの分母で見るかによって印象が変わるので、優先順位を考えるときは総合の数字を使ってください。共通テストの得点率を作る作業の中では、地歴公民と同じ重さの科目だと考えると扱いやすくなります。総合で見れば5.6%ですが、共通テストの得点率を1%動かす力は地歴公民と変わりません。
配点から必要な得点は見えても、そこに届くまでに何をどの順で何時間やるかは別の話です。参考書ごとの所要時間と目標正答率まで入ったロードマップを無料でお配りしています。

共テ:二次は1対0.8。共通テスト最優先が素直に効きます
竹内個別がこれまで配点を整理してきた医学部と並べると、琉球の位置がはっきりします。同じ「国公立医学部」でも、共通テストと二次の比重には大きな開きがあります。この比率が変われば、いつ何を始めるべきかという計画そのものが変わってきます。二次比率の高い大学ほど着手を早める必要があるからです。志望校を絞り込む段階で必ず確認しておきたい情報です。
| 大学 | 共テ:二次 |
|---|---|
| 秋田 | 1 : 0.67 |
| 鳥取 | 1 : 0.76 |
| 琉球 | 1 : 0.8 |
| 香川 | 1 : 0.97 |
| 高知 | 1 : 1.05 |
| 信州 | 1 : 1.2 |
| 神戸 | 1 : 1.26 |
| 北海道 | 1 : 1.67 |
| 岡山 | 1 : 2 |
| 京都 | 1 : 3.6 |
| 東北 | 1 : 4 |
琉球は1対0.8で、上から3番目に共通テスト寄りです。総合1,800点のうち共通テストが1,000点、55.6%が共通テストで決まります。過半数が共通テストという設計なので、二次で挽回するという発想は成立しにくくなります。東北大学が1対4で二次に極端に寄っているのとは正反対の構造です。同じ国公立医学部でも、必要な準備の中身がここまで変わるということですね。
竹内個別は医学部志望の生徒に一貫して「共通テストが最優先」とお伝えしています。共通テストの結果によって出願できる大学が決まるからです。琉球はその方針が最も素直に当てはまる大学のひとつだといえます。共通テストの完成度を上げる作業が、そのまま総合点の過半数を作ることになります。しかもこの得点力は、出願先が変わっても無駄になりません。
▶ 関連記事:鳥取大学医学部の配点と対策|共テのほうが二次より重い

情報Ⅰが100点。これまでで最大です
琉球の情報Ⅰは100点です。竹内個別がこれまで整理してきた大学と並べると、その大きさがはっきりします。多くの大学が20点前後に抑えているなか、琉球は5倍の配点を置いていることになります。情報Ⅰは新課程で加わった科目で、大学ごとの扱いの差がまだ大きい状態です。志望校によって投じるべき時間が変わる、という点を先に押さえておいてください。
| 大学 | 情報Ⅰ | 共テ内 | 総合比 |
|---|---|---|---|
| 琉球 | 100点 | 10.0% | 5.6% |
| 秋田 | 50点 | 8.3% | 5.0% |
| 岡山 | 50点 | — | — |
| 高知 | 50点 | 5.3% | 2.6% |
| 香川 | 20点 | — | 1.2% |
| 鳥取 | 20点 | — | 1.2% |
| 北海道 | 15点 | — | 1.8% |
配点が大きいからといって、対策の中身が変わるわけではありません。竹内個別の方針は琉球でも同じで、情報Ⅰは短期集中で仕上げます。範囲が限られているため、投じた時間が得点に変わりやすい科目だからです。年間を通じて時間を割く対象ではありません。数学や理科のように積み上げに時間がかかる科目とは、性質が違うということですね。
ただし優先順位は上げます。共通テスト1,000点のうち100点ある科目を手つかずで本番に持ち込むと、他で取り返す場所を探すことになります。北海道の15点(総合1.8%)と同じ感覚で後回しにすると、配点を3倍以上見誤ることになるからです。短期集中という方法は変えず、着手の順番だけ前に出すという調整が正解になります。

共通テスト英語はリスニングが100点
琉球のもうひとつの特徴が、共通テスト英語のリーディングとリスニングが1対1であることです。要項に「原則として全学部1:1」と明記されています。共通テスト200点のうちリスニングが100点、共テ全体1,000点の10%を占める計算になります。素点の比率をそのまま使っているということですね。換算の仕方は大学ごとに違うので、必ず要項で確認してください。
これは他の大学と比べるとかなり高い比率です。たとえば高知大学はリーディング160点・リスニング40点への換算で、リスニングは共テ950点の4.2%にとどまります。同じ共通テストを受けても、大学が変われば重みが倍以上変わるということですね。リーディング重視の換算をかける大学が多いなかで、琉球は素点の比率をそのまま使っています。
対策への影響は明確です。琉球を志望校に据えるなら、リスニングの優先順位を上げる必要があります。共テ1,000点のうち100点を占める以上、リーディングと同じ精度まで仕上げる前提で計画を組んでください。逆にリスニングを苦手なまま残すと、共通テストの得点率がそこで頭打ちになります。他の科目をどれだけ仕上げても、10%分の天井が動かないということですね。
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志望校は「得意科目と傾斜が噛み合うか」で選ぶ
ここまで配点の特徴を見てきましたが、竹内個別が最もお伝えしたいのは志望校を選ぶタイミングの話です。配点は大学ごとに違うので、自分の得意科目・苦手科目と噛み合う大学を選ぶという発想が使えます。これは指導のなかで実際によく行っている進め方です。同じ学力でも、配点次第で取れる点数は変わるからです。以下、実際にどう進めるかを説明します。
具体的には、「できれば行きたい大学」をいくつか挙げたうえで、それぞれの配点の傾斜と自分の得意・苦手を突き合わせます。そこから「なんとなく安定してこの大学に行きたい」という志望校を固めていくという順番です。偏差値だけで決めるのではなく、配点との相性を見るということですね。同じ偏差値帯の大学が並んだときに、判断の材料になります。
琉球でいえば、リスニングが得意な人にとっては噛み合う大学です。共テ1,000点のうち100点がリスニングなので、その得意がそのまま得点差になります。そして琉球に沿って進めるなら、情報Ⅰの優先順位も少し高めに置きます。こちらも100点あるからです。他の大学では比重の小さいリスニングと情報Ⅰが、琉球では合わせて200点になります。共通テストの20%です。
「配点に合わせて苦手を伸ばす」のとは違います
ここは誤解されやすいところなので、はっきり分けておきます。竹内個別は配点が高い科目を、そのまま優先すべき科目とは考えません。北海道大学の記事では、共通テストで国語の傾斜が最も高くても国語の優先順位は上げない、とお伝えしました。国語に時間を投じて北大の配点に最適化しても、志望校が変われば活きないからです。
今回お伝えしているのは逆向きの話です。苦手科目を配点のために伸ばすのではなく、すでにある得意が活きる配点の大学を選ぶという順番になります。前者は志望校が動いたときに投資が無駄になりますが、後者はもともとある強みを使うだけなので、そのリスクがありません。同じ「配点を見る」でも、意味がまったく違うということですね。
▶ 関連記事:北海道大学医学部の配点と対策|共テで国語が最も重い
難問対策は不要。その時間を共通テストへ回す
琉球の二次試験に、難問対策は不要です。竹内個別の判断では、典型問題のパターンを100%取り切れる状態を作ることが目標になります。上級問題精講のような難関大向けの問題集まで進める必要はありません。この判断は過去問の水準から出しているもので、配点の形とは別の話です。配点の形と出題の難易度は、分けて考える必要があります。
竹内個別はこれまで整理してきた医学部を、二次試験で求められる到達度によって3段階に分けています。同じ医学部でも必要な到達点は大学ごとにかなり違うため、一律の対策をすると足りないかやりすぎるかのどちらかになるからです。志望校がどの段階に入るかで、使う問題集のレベルが変わります。ここを早い段階で固めておくと、教材選びで迷う時間が減ります。
| 段階 | 内容 | 該当する大学 |
|---|---|---|
| A | 典型問題を100%。難問対策は不要 | 香川・東邦・岡山・鳥取・秋田・高知・琉球 |
| B | 難問対策は不要だが、難問が解けるレベルまで仕上げる | 神戸・信州 |
| C | 難問対策が必要。上級問題精講レベルまで | 京都・慶應・北海道 |
琉球はAに入ります。そして琉球の場合、そこで浮いた時間の使い道がはっきりしています。共通テストです。総合1,800点の55.6%が共通テストで決まる以上、難問を1問解けるようにするより、共通テストの得点率を1%上げるほうが確実に効きます。二次で稼げる幅が構造的に小さいからです。時間の使い道がはっきりしているぶん、計画は立てやすくなります。
回す先も具体的に決まります。情報Ⅰ100点とリスニング100点です。この2つで共通テスト1,000点の20%を占めるうえ、どちらも範囲が限られているため伸ばしやすい領域になります。難問対策に費やす時間をここに移すだけで、総合点への寄与は大きく変わるということですね。この考え方は鳥取大学でもお伝えしましたが、琉球のほうが回す先の配点が大きいぶん、より強く言えます。
面接200点。それでも対策は共通テスト後で構いません
琉球の面接は200点です。個別試験800点の25%、総合1,800点の11.1%にあたります。二次では英語・数学・理科と完全に同額なので、配点表だけを見ると相当な重さに感じられるはずです。面接の配点は絶対値ではなく総点に対する比率で見る必要があるので、これまで整理してきた大学と並べておきます。総点が大きい大学ほど、同じ200点でも軽くなるからです。
| 大学 | 面接 | 総点 | 全体比 |
|---|---|---|---|
| 秋田 | 200点 | 1,000 | 20.0% |
| 東北 | 400点 | 2,750 | 14.5% |
| 信州 | 150点 | 1,100 | 13.6% |
| 琉球 | 200点 | 1,800 | 11.1% |
| 東邦 | 50点 | 550 | 9.1% |
| 北海道 | 75点 | 840 | 8.9% |
| 鳥取 | 100点 | 1,620 | 6.2% |
| 香川 | 100点 | 1,650 | 6.1% |
| 高知 | 100点 | 1,950 | 5.1% |
それでも、対策は共通テストが終わってからで構いません。これは秋田大学(面接200点・総合比20.0%)でお伝えしたのと同じ判断です。理由は、志望校が確定しないと面接の中身を組み立てられないからです。共通テストの結果を見て出願先が変わることは普通にあります。確定していない大学の面接練習に、共通テスト前の時間を使うのは効率が悪いということですね。
学科試験で合格圏に入ることが先で、面接はそのあとに準備する。この順番は配点の大小で変わりません。ただし「気にしなくていい」と「何もしなくていい」は別です。志望動機と、医師を目指す理由を自分の言葉で説明できる状態は必ず作ってください。共通テスト後からの準備でも、そこまでは十分に間に合います。なお面接では調査書と志願理由書が参考資料として使われます。
▶ 関連記事:秋田大学医学部の配点と対策|二次に理科がない
▶ 関連記事:医学部の面接対策|よく聞かれる質問10選と回答の方向性を解説
後期日程が23名あります
琉球には後期日程が23名分あります。前期70名に対して23名なので、募集全体のなかで無視できない規模です。高知大学や北海道大学のように後期を実施しない医学部もあるなかで、これは選択肢として意味を持ちます。前期で決着しなかった場合に、もう一度出願できる余地が残るということですね。後期を実施するかどうかは、出願計画の組み方そのものに影響します。
後期の配点は前期とかなり違います。共通テストの比重がさらに上がり、二次からは学科試験がなくなります。前期と同じ感覚で対策を考えると、必要な準備がずれてしまいます。共通テストの完成度がほぼそのまま結果になる設計だと考えてください。
| 区分 | 国語 | 地歴公民 | 数学 | 理科 | 外国語 | 情報 | 小論文 | 面接 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 共通テスト | 200 | 100 | 200 | 200 | 300 | 100 | — | — | 1,100 |
| 個別 | — | — | — | — | — | — | 100 | 200 | 300 |
| 総計 | 200 | 100 | 200 | 200 | 300 | 100 | 100 | 200 | 1,400 |
共通テストが総合1,400点のうち1,100点、78.6%を占めます。個別試験は小論文100点と面接200点のみで、学科試験はありません。しかも共テ英語の配点が300点に上がるため、前期よりさらに英語の比重が高くなります。共通テストで高い得点率を作れた人にとっては、有力な選択肢になるということですね。
誰が後期を受けることになるか
竹内個別の見方では、後期を受けることになるのは共通テストで高得点が取れた人です。ただし少し説明が必要になります。前期でもう少し偏差値の高い大学を狙えるだけの共通テストが取れている人が対象です。そのうえで「どこでもいいから医学部に行きたい」という人が、後期の出願先として琉球を選ぶという形になります。前期の第一志望とは別の判断軸で選ぶ、ということですね。
そしてもうひとつ、正直にお伝えしておきます。本土から見ると、琉球には距離の抵抗があると思います。遠いですし、沖縄です。それでも構わないという人が受けることになる、というのが実際のところです。逆にいえば、その抵抗がない人にとっては、共通テストの得点をそのまま活かせる出願先になります。学科試験がないぶん、共テの得点力がほぼそのまま結果に反映される設計だからです。
配点から必要な得点は見えても、そこに届くまでに何をどの順で何時間やるかは別の話です。参考書ごとの所要時間と目標正答率まで入ったロードマップを無料でお配りしています。
2段階選抜は前期が約5倍、後期が約10倍
琉球では、志願者数が前期は募集人員の約5倍、後期は約10倍を超えた場合に第1段階選抜が行われます。判定に使われるのは共通テストの成績です。前期70名なら単純計算で志願者350名、後期23名なら230名が基準になります。実施の有無は大学ホームページで知らされます。なお臨時的な増員措置の終了により、募集人員そのものが変わる可能性があります。
ここで竹内個別が繰り返しお伝えしているのは、倍率を見ても意味がないということです。倍率は毎年変動しますし、志願者の学力層まではわかりません。倍率が下がった年に受かりやすくなるとは限らないからです。前年の数字を見て出願先を決めるという判断は、根拠として弱いということですね。見るべき数字は次の3つの層に分かれます。
| 見る数字 | 位置づけ |
|---|---|
| 倍率 | 見ない。年による変動が大きく、学力層がわからない |
| 合格最低点 | 下限。ここを目標にすると、ぎりぎり下に落ちる |
| 合格者平均点 | 目標。ここを狙って初めて安全圏に入る |
合格最低点を目標に据えると、ほぼ確実にその少し下に落ちます。得点は当日のコンディションで揺れるからです。目標は合格者平均点に置いてください。琉球のように共通テストの比重が高い大学では、この目標がそのまま「共通テストで何%取るか」という具体的な数字に変わります。二次で上振れを狙う設計ではないぶん、目標の立て方も素直になるということですね。
琉球大学を目指すなら、優先順位はこうなります
ここまでの内容を整理します。配点と選抜条件から逆算すると、対策の優先順位は次のようになります。琉球は共通テストの比重が高く、しかも情報Ⅰとリスニングという伸ばしやすい領域に配点が置かれている大学です。やるべきことの順番は、他の医学部よりはっきりしています。以下は総合1,800点という配点を前提にしたものだと考えてください。
- 共通テストが最優先。総合1,800点の55.6%がここで決まる
- リスニングの優先順位を上げる。共テ200点のうち100点(R:L=1対1)
- 情報Ⅰも優先順位を上げる。100点は11校で最大。ただし短期集中で仕上げる
- 二次の難問対策は不要。典型問題のパターンを100%取り切る
- 浮いた時間は共通テストへ回す。特にリスニングと情報Ⅰ
- 面接200点でも対策は共通テスト後から
- 後期日程23名も選択肢に入れる。共テ78.6%・英語300点
- 倍率ではなく合格最低点、さらに合格者平均を見る
このなかで最も伝えたいのが、上から2つ目と3つ目です。リスニングと情報Ⅰで、共通テスト1,000点の20%を占めます。この2つはどちらも範囲が限られていて、投じた時間が得点に変わりやすい領域です。難関大向けの問題集を1冊増やすより、確実に総合点へ効きます。琉球を志望校に据えるなら、ここを最優先の投資先だと考えてください。
そして志望校を決める段階の話に戻ります。リスニングが得意なら、琉球は候補に入ります。得意科目と配点の傾斜が噛み合う大学を選ぶという発想は、苦手を配点のために伸ばすのとは違います。すでにある強みを使うだけなので、無理がありません。この判断は生徒ごとに違うので、竹内個別では最初の計画相談会で全体の方針を決めていきます。
一方で、共通テストの得点力そのものは、出願先が変わっても無駄になりません。共通テストの結果を見て志望校が動くのは、医学部受験では普通に起こることです。琉球の配点は「共通テストを固める」という方針と素直に噛み合っているので、その意味でも取り組みやすい大学だといえます。1校にしか効かない対策を積む必要がない、ということですね。
FAQ
Q1. 琉球大学医学部の配点で最も重い科目は何ですか?
A. 数学・理科・外国語が各400点で完全に同率です。総合1,800点のうち3科目で1,200点、66.7%を占めます。次いで国語200点(11.1%)と面接200点(11.1%)が並び、地歴公民100点(5.6%)と情報Ⅰ100点(5.6%)が続きます。医学部としては理系3科目の比率がやや低めで、そのぶん国語・面接・情報の合計が効いてくる配点です。
Q2. 共通テストと二次はどちらが重いですか?
A. 共通テストです。共テ1,000点・個別800点で比率は1対0.8、総合に占める割合は共テ55.6%・二次44.4%となります。竹内個別が整理してきた11校のなかでは秋田(1対0.67)・鳥取(1対0.76)に次いで3番目に共通テスト寄りです。二次で挽回するという発想は成立しにくい配点だと考えてください。
Q3. 情報Ⅰの配点はどれくらいですか?
A. 共通テストで100点です。共テ1,000点の10.0%、総合1,800点の5.6%にあたります。香川・鳥取の20点、北海道の15点と比べると5倍以上で、竹内個別が整理してきた大学のなかで最大です。ただし対策の方法は変わらず、範囲が限られるため共通テスト前に短期集中で仕上げる形が合理的です。優先順位だけを上げてください。
Q4. 共通テスト英語のリスニングの比率を教えてください。
A. リーディングとリスニングが1対1です。要項に「原則として全学部1:1」と明記されています。共通テスト英語200点のうちリスニングが100点、共テ全体1,000点の10%を占めます。高知大学のリーディング160点・リスニング40点という換算と比べると、リスニングの重みが倍以上あります。琉球を志望するならリスニング対策の優先順位を上げてください。
Q5. 二次試験に難問対策は必要ですか?
A. 不要です。典型問題のパターンを100%取り切ることが目標になります。上級問題精講のような難関大向けの問題集まで進める必要はありません。香川・東邦・岡山・鳥取・秋田・高知と同じ段階です。そして琉球の場合、浮いた時間は共通テストに回してください。特に情報Ⅰとリスニングが、投じた時間に対する得点の伸びが大きい領域になります。
Q6. 面接の配点と対策の時期を教えてください。
A. 個別試験で200点、二次800点の25%、総合1,800点の11.1%です。二次では英語・数学・理科と同額になります。それでも対策は共通テスト後で構いません。志望校が確定しないと面接の中身を組み立てられないためです。ただし志望動機と医師を目指す理由を自分の言葉で説明できる状態は必ず作ってください。
Q7. 後期日程はどんな人が受けますか?
A. 共通テストで高得点が取れた人です。後期は共テ1,100点+小論文100点+面接200点の1,400点で、共通テストが78.6%を占めます。学科試験はありません。共テ英語の配点も300点に上がります。前期でもう少し偏差値の高い大学を狙えるだけの得点があり、それでも医学部に行きたいという人が出願先として選ぶ形になります。募集人員は23名です。
Q8. 2段階選抜の条件は何ですか?
A. 前期は志願者数が募集人員の約5倍、後期は約10倍を超えた場合に、共通テストの成績による第1段階選抜が行われます。前期70名なら単純計算で志願者350名、後期23名なら230名が基準です。実施の有無は大学ホームページで知らされます。なお臨時的な増員措置が令和8年度で終了したため、募集人員は変更される可能性があります。
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まとめ
琉球大学医学部医学科の配点で特徴的なのは、情報Ⅰ100点と共通テスト英語のリーディング・リスニングが1対1という2点です。どちらも竹内個別がこれまで整理してきた11校のなかで突出しています。この2科目だけで共通テスト1,000点の20%を占める計算になります。他の大学では比重が小さく、後回しにされやすい領域です。
配点全体では共テ1,000点・二次800点で、比率は1対0.8。総合1,800点の55.6%が共通テストで決まります。竹内個別が一貫してお伝えしている「共通テストが最優先」という方針が、最も素直に当てはまる大学のひとつです。二次の難問対策は不要なので、浮いた時間は共通テストへ回してください。特に情報Ⅰとリスニングは、範囲が限られていて伸ばしやすい領域になります。
面接は200点と二次の25%を占めますが、対策は共通テスト後で構いません。志望校が確定しないと中身を組み立てられないからです。この判断は、面接200点の秋田大学でも同じでした。後期日程も23名あり、共通テストが総合の78.6%を占める配点なので、共テで高得点が取れた人にとっては有力な選択肢になります。
そして最後に、志望校の選び方についてもう一度お伝えします。配点の傾斜と自分の得意科目が噛み合うかどうかは、志望校を決める段階で使える判断材料です。リスニングが得意なら、琉球は候補に入ります。これは苦手科目を配点のために伸ばすという話ではありません。すでにある強みが活きる配点を選ぶという話です。前者は志望校が変われば無駄になりますが、後者にはそのリスクがありません。同じ「配点を見る」でも、意味がまったく違うということですね。
配点は大学ごとに違います。同じ共通テストを受けても、リスニングの重みが4.2%の大学もあれば10%の大学もあります。情報Ⅰが15点の大学もあれば100点の大学もあります。志望校の候補が固まってきたら、必ず入学者選抜要項で配点と換算方法を確認してください。偏差値表には現れない情報が、そこにあります。そしてその情報は、志望校を決める段階から使えます。
著者:竹内個別戦略室 尾崎侑絃(岐阜大学医学部医学科卒業・医師免許保持)
監修:竹内個別塾長 竹内壮志(名古屋大学工学部卒業)



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