高3の夏休みに勉強してないとやばい?間に合う条件と9月からの巻き返し

高3の夏休みに勉強してないまま9月を迎えようとしているなら、結論から言えばほとんどの受験生は志望校に間に合いません。夏休みの40日間には、志望校に必要な参考書を終わらせるための時間があらかじめ組み込まれているからです。ただし「全員が終わり」という話ではありません。学力の貯金がある受験生や、志望校の絞り方を変えられる受験生には、現役合格に届く道が残っています。まずはこの前提を受け入れることが、巻き返しの出発点になります。

この記事では、なぜ夏を落とすと間に合わなくなるのかという構造を説明したうえで、9月から現実的に巻き返すための手順をお伝えします。耳あたりのいい励ましではなく、これから受験を戦い抜くための判断材料として読んでください。

この記事でわかること

  • 高3の夏休みに勉強してないと、なぜ間に合わなくなるのか(参考書と時間の関係)
  • 夏休みで失った時間を数字にすると、どれくらいの量なのか
  • 9月から巻き返すために最初にやるべき3ステップ
  • 現役合格を狙うなら検討すべき「志望校の絞り方」
  • 夏に出遅れてから合格した受験生の実例

高3の夏休みに勉強してないとやばい?

高3の夏休みに勉強してないとやばい?

やばいです。ほとんどの受験生にとって、夏休みを勉強せずに過ごすことは、浪人または志望校変更に直結します。ただし、この結論だけを見て絶望する必要はありません。大事なのは「なぜやばいのか」という構造を正確に理解すること。理由がわかれば、残っている時間で何を優先すべきかも自然と決まってきます。焦りだけで動き出すと、また同じ失敗を繰り返すことになります。

結論:ほとんどの受験生は間に合わない

受験勉強とは、志望校に必要な参考書を、受験当日までに仕上げる作業です。授業をたくさん受けることでも、進学校に通うことでもありません。この定義に立つと、夏休みを失うということは「参考書を進めるための時間を丸ごと失う」ことを意味します。授業を何コマ受けたかではなく、参考書が何冊仕上がったかで進捗を測るという考え方です。

竹内個別では、夏休みを勉強せずに過ごした高3の受験生について、次のように考えています。もともとその大学に受かるだけの学力の貯金がある生徒は、夏を落としても受かります。しかし、そうでない生徒はほとんどの場合、浪人するか志望校を下げることになるのが現実です。夏休みは受験生にとって一番大変な時期。同時に、一番貴重な時期でもあります。

「まだ間に合う」と言い切る記事を信じないほうがいい理由

「高3 夏休み 勉強してない」で検索すると、「大丈夫、秋から挽回できます」と書いた記事がずらりと並びます。その多くは塾や予備校が運営するメディアです。塾の立場からすれば、「もう間に合いません」とは言いにくいもの。入塾してもらうためには、希望を持たせたほうが都合がいいからです。厳しい事実を先に伝えることが、結果的に受験生のためになると考えています。

しかし、その言葉を鵜呑みにして9月・10月を過ごし、11月になって現実に直面する受験生が毎年います。竹内個別が「基本的に間に合わない」と書くのは、突き放すためではありません。残り時間で勝負するには、まず自分の現在地を正確に知る必要があるからです。地図を見ずに走り出しても、ゴールには着きません。まずは現実を直視するところから始めましょう。

▶ 関連記事:逆転合格は奇跡じゃない|E判定から受かった4人の共通点と戦略

なぜ夏休みを落とすと間に合わなくなるのか

なぜ夏休みを落とすと間に合わなくなるのか

理由はシンプルで、志望校ごとに必要な勉強時間があらかじめ決まっているからです。夏休みはその総量をこなすために組み込まれた期間であり、代わりになる期間がカレンダー上に存在しません。この構造は4つのステップで理解できます。順番に見ていきましょう。

志望校が決まれば、使う参考書が決まる

受験勉強で最初に決まるのは、志望校に到達するために必要な参考書です。竹内個別では、大学ごとに「合格問題集」を独自に定めています。志望校が変われば、こなすべき参考書のリストそのものが変わるという考え方です。つまり参考書選びは受験勉強のスタート地点ではなく、志望校を決めた結果として自動的に決まる部分だといえます。

たとえば数学であれば、地方国公立やMARCHレベルなら青チャートで足ります。一方で旧帝大レベルならハイレベル数学の完全攻略、東大京大や上位国公立医学部なら上級問題精講まで必要になるでしょう。つまり参考書は「なんとなく良さそうなもの」を選ぶのではなく、志望校から逆算して決まるもの。ここが出発点になります。

▶ 関連記事:数学の参考書ルート|志望校別3ステップで迷わず完走する方法

なぜ夏休みを落とすと

参考書が決まれば、必要な勉強時間が決まる

参考書が決まると、次に決まるのが必要な勉強時間です。ここが多くの受験生の見落としているポイントでしょう。参考書は「1周すれば終わり」ではありません。試験本番で解けるようになるまで、何周も繰り返す必要があります。1冊やり切ったつもりでも、時間が経てば解けなくなるのが普通でしょう。だからこそ、必要な周回数まで含めて時間を見積もる必要があります。

1冊を仕上げるのに必要な時間は、残りページ数と自分の理解度からある程度計算できるもの。それを全科目分足し上げれば、合格までに必要な総勉強時間が出ます。ここが出せていない受験生は、ゴールまでの距離を知らずに走っている状態だといえるでしょう。野球にたとえるなら、試合で打てるようになるまでに必要な素振りの回数が決まっているようなものです。回数をこなさずに打席に立っても、ボールには当たりません。

夏休みに確保できたはずの時間は約400時間

では、夏休みで失われた時間はどれくらいの量なのでしょうか。頑張れば、夏休みには約400時間の勉強時間を確保できます。1日10時間を40日続ければ400時間という計算です。ただしこれは上限値であり、模試や学校の補習を差し引いた実働時間はもっと少なくなります。それでも、これだけまとまった時間が取れるのは夏休みだけです。

400時間という数字を、別の角度から見てみましょう。学校がある平日に確保できる勉強時間を1日3時間とすると、400時間を取り戻すには約133日かかる計算になります。9月から数えれば、年明けまで丸ごと使ってしまう長さです。しかも、その間には本来進めるべき勉強も並行して発生します。つまり、平日の積み上げだけで穴を埋めるのは現実的ではありません。

これが「夏休みは取り返しがつきにくい」と言われる理由です。失った400時間を埋める場所が、カレンダー上のどこにも残っていません。9月以降のカレンダーには、学校の授業も模試も、すでにびっしり入っているからです。空いている時間を探すのではなく、やることを削るしかありません。なお夏休みの実働時間の内訳については、別の記事で詳しく計算しています。

▶ 関連記事:受験生の夏休みの勉強時間は何時間?目安と計画の立て方を解説

例外:それでも間に合う「貯金がある受験生」

ここまで厳しい話が続きましたが、例外は確かに存在します。もともと学力の貯金がある受験生です。具体的には、夏休みの時点で志望校の合格問題集にすでに手をつけられている状態が該当します。あるいは、英語と数学の基礎が完成していて、残るのが理科や社会の暗記系だけという状態も同様でしょう。要するに、削るべきものがすでに削られている受験生です。

この場合、夏を落としても秋以降の追い上げで届く可能性は十分にあります。逆に言えば、夏の時点で橋渡し問題集すら終わっていない受験生が、志望校をそのままに現役合格するのは相当に厳しい。ただし、この線引きを自分で正確に判断するのは難しいものです。自分では貯金があると思っていても、実際には足りていないケースが少なくありません。後述するように、第三者に数字を見てもらうことをおすすめします。

夏休みに勉強してない受験生が9月に最初にやること

夏休みに勉強してない受験生が9月に最初にやること

最初にやるべきは、新しい参考書を買うことでも、勉強時間を増やすことでもありません。現在地と残り時間を数字にすることです。焦っている受験生ほど、いきなり手を動かそうとします。しかし残り時間が有限である以上、何を捨てて何を取るかを決めなければ、また同じことを繰り返すだけ。ここでは3つのステップに分けて説明します。

ステップ1:残っている日数と時間を数字にする

まず、共通テストまでの日数を数えてください。感覚ではなく、カレンダーを開いて実際に数えます。そのうえで、平日と休日それぞれで確保できる勉強時間を出しましょう。学校がある日は何時間、土日は何時間という形です。ここから学校行事や模試の日程も差し引いて計算します。部活の引退が遅れている場合は、その分も正直に差し引いて計算してください。

出てきた数字が、あなたに残された総勉強時間です。多くの受験生は、この数字を見て初めて事態の深刻さを実感します。逆に言えば、この数字を見ないまま9月を過ごすことが一番危険なこと。感覚で「まだ何とかなる」と思い続けてしまうからです。まずは現実を数値で把握するところから始めてください。数字は残酷ですが、対策を立てるための唯一の材料でもあります。

ステップ2:志望校に必要な参考書を全部並べる

次に、志望校の合格に必要な参考書をすべて書き出します。科目ごとに、今持っている参考書と、これから必要になる参考書を並べてください。そして各参考書について「あと何ページ残っているか」「何周する必要があるか」を書き込みます。手持ちの参考書を机に全部積み上げてみると、残量が視覚的に把握しやすくなるでしょう。

1ページあたりにかかる時間の目安がわかれば、必要時間の合計が計算できるはずです。ステップ1で出した「残り時間」と、ステップ2で出した「必要時間」。この2つを並べて比べれば、自分が間に合うのかどうかが数字で見えてきます。感覚ではなく引き算で判断するのが、この段階での最大のポイントです。ここで初めて、やるべきことが具体的な形になります。

ステップ3:足りない量を3つの方法で埋める

必要時間が残り時間を上回っていた場合、そのギャップを埋める方法は3つしかありません。1つ目は勉強時間を増やすこと。ただし1日は24時間しかないので、これだけで400時間の穴を埋めるのは不可能です。2つ目はやることを減らすこと。優先度の低い参考書や、出題頻度の低い分野を捨てるという判断になります。なお、睡眠時間を削る方向に逃げるのは翌日の効率を落とすだけなので避けてください。

3つ目は志望校を変えること。必要な参考書のリストそのものを軽くする方法です。現実的には、2つ目と3つ目を組み合わせて対応することがほとんどでしょう。そして、この「何を捨てるか」という判断こそが、独学で最も間違えやすい部分。捨ててはいけないものを捨ててしまうと、取り返しがつきません。

▶ 関連記事:勉強計画の立て方|入試日から逆算する5ステップで合格をつかむ方法

科目の優先順位はどうつけるか

やることを絞るとき、多くの受験生が迷うのが科目の優先順位です。原則としては、英語・数学を最優先にしてください。理由は2つあります。1つは配点が大きい大学が多いこと。もう1つは、伸びるまでに時間がかかるため、後回しにすると間に合わなくなることです。つまり、後回しにしていい科目とそうでない科目がはっきり分かれるということです。

一方で、理科や社会の暗記系は短期間でも点数が動きます。時間が足りない受験生ほど、暗記系を後半に寄せる設計が有効でしょう。ただし理科は「暗記系」と「計算系」で性質が違うため、一律に後回しにするのは危険です。得意不得意の個人差も大きいので、最終的な優先順位は自分の得点状況を見ながら判断してください。迷ったときは、模試の結果を持って先生に相談するのが確実でしょう。

現役で合格したいなら「私立に絞る」判断もある

現役で合格したいなら「私立に絞る」判断もある

学力の貯金がない状態で、それでも現役合格にこだわるなら、私立大学に絞るという選択肢が現実的です。国公立志望のまま突き進むより、合格可能性は大きく上がります。これは「妥協」ではありません。受験は限られた時間をどこに投下するかという配分の問題であり、科目を絞ることは立派な戦略です。限られた戦力をどこに集中させるかという、戦術の問題だと捉えてください。

国公立が間に合いにくい構造的な理由

国公立大学が間に合いにくいのは、すべての科目を勉強する必要があるからです。共通テストでは、英語・数学・国語・理科・社会と幅広い科目が課されます。国公立志望であれば、共通テストで一定の得点を取らなければ、そもそも二次試験の土俵にすら立てません。科目数が多いほど、1科目あたりに割ける時間は薄くなっていきます。

夏を落とした状態から全科目を仕上げるには、単純に時間が足りないのが現実でしょう。さらに、共通テスト対策そのものにもまとまった期間が必要になります。竹内個別では、共通テスト対策に最低でも6週間、医学部志望であれば8〜12週間を確保する計画を立てています。この期間は削れません。ここを削ると共通テストで足を取られ、結局二次試験にたどり着けなくなるからです。

私立に絞ると何が変わるのか

私立大学に絞ると、受験科目が大幅に減ります。文系なら英語・国語・社会の3科目、理系なら英語・数学・理科の3科目というのが一般的な構成です。科目が減るということは、1科目あたりに投下できる時間が増えるということ。5科目に分散していた勉強時間を3科目に集中させれば、同じ残り時間でも仕上がりの精度は確実に上がります。

加えて、私立は共通テストの結果を待つ必要がないという利点もあります。国公立志望の場合、共通テストの結果が出るまで出願校が確定しないため、過去問対策に入るのが遅くなりがちです。一方で私立第一志望なら、早い段階から志望校の過去問に取りかかれます。竹内個別でも、私立第一志望の場合は受験計画全体を私立に特化させることを必須としています。国公立受験とは根本的に別の設計になるからです。

この判断だけは自分でしないほうがいい

ただし、志望校を変える判断を自分ひとりでするのは危険です。理由は2つあります。1つは、自分の学力を客観的に評価するのが難しいこと。焦っているときほど、実際より低く見積もってしまう傾向があります。もう1つは、間に合うかどうかが本当に人によるということです。夏を落としていても、全然間に合う受験生も実際にいます。

だからこそ、受験の知識を持った人に必ず相談してください。学校の先生でも、塾の先生でも構いません。ステップ1と2で出した数字を見せたうえで「この状態で志望校は変えるべきか」を聞くことが大切です。1人で決めた結果、本当は届いたはずの大学を諦めてしまうケースが一番もったいない。逆に、無謀な志望校のまま突っ走って全落ちするのも避けたいところです。

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9月からの巻き返しでやってはいけない3つのこと

9月からの巻き返しでやってはいけない3つのこと

焦った受験生ほど、成績が伸びない行動を取ってしまいます。しかも本人は必死に努力しているつもりなので、間違いに気づきにくいのが厄介なところ。ここでは、竹内個別が特に注意している3つの失敗パターンを紹介します。どれも「頑張っている感」が出やすい行動なので、余計に気づきにくいのが特徴です。心当たりがないか確認してみてください。

新しい参考書を買い足す

夏を落とした受験生がまずやりがちなのが、書店に走って新しい参考書を買うことです。しかしこれは逆効果になります。理由は、参考書は買った時点では1点にもならないから。成績になるのは「解けるようになったとき」だけです。新しい参考書を買った瞬間だけは前に進んだ気持ちになれますが、点数は1点も動いていません。

すでに持っている参考書が中途半端な状態で新しいものを足せば、どれも中途半端なまま受験日を迎えることになります。1冊も仕上がっていない状態が、最も点数につながりません。竹内個別の方針は明確で、同じ参考書を何周もしたほうが本番で活用できるというもの。基本的には学校で配られたものを使えば十分です。チャート式でもフォーカスゴールドでも構いません。わざわざ買い替える必要はないでしょう。

難しい問題に手を出す

「時間がないから効率よく点を取りたい」と考えて、難問対策に走るのも典型的な失敗パターンです。入試で最も大切なのは、典型問題を100%取り切ること。難問はそもそも出題頻度が低く、ミスをしても他の受験生と大きな差はつきません。限られた時間を難問に使うのは、投資先を間違えている状態です。まず典型問題の取りこぼしをゼロにするほうが先でしょう。

一方で、青チャートや標準問題精講レベルの典型問題を落とすと、それが直接不合格につながります。ここで竹内個別があえて「基本問題」ではなく「典型問題」と呼んでいる点に注意してください。典型問題は簡単という意味ではありません。出題されるパターンが決まっている問題という意味です。パターンが決まっているからこそ、繰り返しによって確実に取れるようになります。

勉強時間だけを増やす

3つ目は、計画を見直さないまま勉強時間だけを積み増すことです。竹内個別には、毎日10時間以上勉強しても成績が伸びなかった生徒がいました。英語の偏差値は36、数学は42。本人は必死に机に向かっていたのに、結果が出なかったのです。努力の量ではなく、努力の向きに問題があったケースだといえます。本人は誰よりも机に向かっていました。

原因は勉強時間ではなく、計画のほうにありました。計画管理を取り入れてから成績は急上昇し、最終的に英語は偏差値60(+22.3)、数学は62(+20.2)まで伸びています。時間を増やすこと自体は間違いではありません。ただし、やらなくていいことを決めないまま時間だけ増やしても、穴の空いたバケツに水を注ぐようなもの。9月以降の巻き返しでは、時間の使い先を決めるほうが先です。

夏に出遅れてから合格した先輩はいる?

います。竹内個別には、高3の夏を過ぎてから受験勉強を本格化させ、志望校に合格した生徒が実際にいます。ただし共通しているのは、根性で乗り切ったわけではないという点です。全員が、やることを絞って計画を組み直すというプロセスを通っています。ここでは2人の例を紹介しましょう。つまり、再現性のあるやり方が存在するということです。

高3の夏以降に入塾して筑波大学に合格したこうしんくん

こうしんくんが竹内個別に入塾したのは、高校3年生の夏以降でした。つまり、この記事を読んでいるあなたとほぼ同じ状況からのスタートです。当時の模試の判定はE判定。しかも本人いわく、勉強が三日坊主で続かないタイプでした。周りが夏を走り切ったあとに、ようやくスタートラインに立った状態でした。条件としては、決して恵まれていません。

そこから取り組んだのが、1日ごとに何をやるかを細かく決める計画づくりです。「今日はこの参考書のこのページまで」というレベルまで具体化することで、三日坊主を克服していきました。やる気に頼るのではなく、迷う余地をなくすという発想です。結果として、こうしんくんは筑波大学に合格しています。E判定から、夏以降のスタートで、です。

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勉強時間ではなく計画が足りていなかったケース

もう1人、めいさんの例も紹介します。宅浪で毎日10時間以上勉強していたにもかかわらず、成績が伸び悩んでいた受験生です。英語の偏差値36、数学の偏差値42という状態からのスタートでした。勉強時間が足りなかったわけではありません。むしろ人一倍机に向かっていたにもかかわらず、結果が出ていなかったのです。

計画管理を取り入れたことで、状況は大きく変わります。最終的に英語は偏差値60(+24)、数学は偏差値62(+20)まで上昇し、岐阜大学看護学部に合格しました。この2人に共通するのは、足りなかったのが根性ではなく設計だったということ。夏を落としてしまった受験生にとって、ここは希望が持てる部分ではないでしょうか。

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間に合う受験生と間に合わない受験生は何が違う?

間に合う受験生と間に合わない受験生は何が違う?

分かれ目は、残り時間で「やること」を絞り込めるかどうかです。学力の高さでも、根性の量でもありません。ここを勘違いすると、努力しているのに結果が出ないという最悪のパターンに入ってしまいます。

間に合わない受験生には共通のパターンがあります。志望校をそのままにして、参考書もそのままにして、勉強時間だけを増やそうとするパターンです。この場合、必要量と残り時間のギャップは最後まで埋まらないまま受験日を迎えることになります。努力の量ではなく、設計の問題で落ちるわけです。本人にはサボっている自覚がないぶん、修正が遅れがちになります。

一方で間に合う受験生は、9月の時点できちんと引き算をしています。残り時間を数字で出し、必要な参考書を並べ、どうしても足りない部分を切る。そして切ったぶんを、確実に得点になる典型問題に振り向けます。この作業を早い段階で終えられるかどうかが、11月以降の伸びを大きく左右するでしょう。早く切るほど、残った時間を厚く使えるようになります。

もう1つの分かれ目が、判断を1人で抱えないことです。何を捨てるか、志望校を変えるかどうかという判断は、受験の知識がないと精度が出ません。夏を落とした状態からの巻き返しは、判断ミスがそのまま致命傷になります。だからこそ、自分で出した数字を持って誰かに相談することを強くおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q1. 高3の夏休みに勉強してないと、もう間に合いませんか?

A. 学力の貯金がない受験生が志望校を変えずに現役合格するのは、基本的に厳しいのが現実です。ただし、夏の時点で英語と数学の基礎が固まっている場合や、志望校を私立に絞る場合には間に合う可能性が残ります。間に合うかどうかは個人差が非常に大きいため、共通テストまでの残り時間と、志望校に必要な参考書の残量を数字にしたうえで、受験の知識がある人に判断してもらってください。

Q2. 高3の夏から塾に通うのは遅いですか?

A. 遅くはありません。竹内個別には高3の夏以降に入塾して筑波大学に合格した生徒(こうしんくん・入塾時E判定)がいます。ただし、この時期からの入塾で成果が出るかどうかは「授業を増やせるか」ではなく「残り時間の使い方を設計し直せるか」で決まります。新しい知識を足す場所ではなく、やることを絞る場所として塾を使うのが、この時期の正しい使い方です。

Q3. 受験でノー勉は危険ですか?

A. 危険です。受験勉強は志望校ごとに必要な参考書が決まっており、その参考書を仕上げるのに必要な時間も決まっています。ノー勉の期間は、必要時間から差し引かれるのではなく、後ろの期間に積み残しとして加算されるだけです。夏休み40日をノー勉で過ごした場合、頑張れば確保できたはずの約400時間が、そのまま負債として残る計算になります。

Q4. 高3で何日サボるとやばいですか?

A. 「何日まではセーフ」という基準はありません。判断すべきは休んだ日数ではなく、志望校に必要な参考書の残量と、共通テストまでに確保できる時間の差です。1日休んでも必要量が終わる見込みがあるなら問題ありませんし、逆に毎日勉強していても必要量に届かないなら手を打つ必要があります。日数ではなく引き算で判断してください。

Q5. 9月から巻き返すには1日何時間勉強すればいいですか?

A. 一律の目安はありません。必要な勉強時間は、志望校に必要な参考書の残量から逆算して決まるものだからです。同じ「1日10時間」でも、青チャートが完成している受験生と、まだ手をつけていない受験生とではまったく意味が違います。まず必要量を計算し、そこから逆算して1日の勉強時間を決めるという順番が正しい進め方になります。

Q6. 夏休みに勉強してないことを親に言えず焦っています。どうすればいいですか?

A. 早めに現状を共有することをおすすめします。志望校を変える判断や、塾を検討する判断には、保護者の合意が必要になる場面が出てくるためです。伝えるときは「サボってしまった」という報告ではなく、共通テストまでの残り時間と、必要な参考書の量を数字にして見せるとよいでしょう。反省の話ではなく対策の話として切り出すほうが、建設的な方向に進みやすくなります。

Q7. 受験で一番しんどい時期はいつですか?

A. 夏休みです。まとまった時間がある一方で強制力がなく、周囲と比較する機会も増えるためでしょう。ただし、しんどい時期であると同時に、志望校に必要な参考書を最も進められる貴重な時期でもあります。夏を落としてしまった場合、9月以降は「学校に通いながら遅れを取り戻す」という別のしんどさが発生することになります。

まとめ

高3の夏休みに勉強してこなかった場合、ほとんどの受験生は志望校に間に合いません。志望校ごとに必要な参考書が決まっており、それを仕上げるための約400時間が夏休みに組み込まれているからです。この構造を理解しないまま9月を過ごすと、11月になって取り返しのつかない状況に直面します。まずはこの前提を受け入れることが、巻き返しの出発点です。まずはこの前提を受け入れることが、巻き返しの出発点になります。

ただし、道が完全に閉ざされたわけではありません。夏を落とした事実は変えられませんが、残り時間をどう使うかはこれから決められます。ここを設計し直せるかどうかが、9月以降の伸びを大きく左右するでしょう。今日からやるべきことは、次の3つです。

  • 共通テストまでの残り時間を、カレンダーで数字にする
  • 志望校に必要な参考書を全部並べ、残量から必要時間を出す
  • 足りない分を「やることを減らす」「志望校を変える」で埋める

そして、何を捨てるかという判断だけは1人でしないでください。夏を落とした状態からの巻き返しは、判断ミスがそのまま致命傷になります。学校の先生でも塾でも構いませんので、自分で出した数字を持って相談することを強くおすすめします。

夏に出遅れてから合格した受験生は、実際にいます。足りなかったのは根性ではなく、残り時間の設計でした。今からでも設計をやり直せば、道は残っています。まずは共通テストまでの日数を数えるところから始めてみてください。数字が出れば、次にやることは自然と決まってきます。

著者:竹内個別戦略室 尾崎侑絃(岐阜大学医学部医学科卒業・医師免許保持)
監修:竹内個別塾長 竹内壮志(名古屋大学工学部卒業)

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