受験生が夏休みに遊ぶのはアリ?0か100で決める息抜きのルール

受験生が夏休みに遊ぶのは、結論から言えばアリです。ただし遊び方には条件があります。竹内個別がおすすめしているのは「0か100」という考え方。毎日1時間だけゲームをするより、1日だけ思いっきり遊ぶ日を作るほうが、結果的に勉強も遊びも充実するからです。遊び方さえ間違えなければ、息抜きが勉強の敵になることはありません。迷ったまま夏に入るのが、いちばん避けたい形です。

この記事では、なぜ中途半端な息抜きが最も危険なのかを説明したうえで、罪悪感なく遊ぶための具体的な判断基準をお伝えします。「遊びたいけれど不安」という宙ぶらりんの状態が、実は一番効率を落とすもの。迷っている時間そのものがもったいないので、まずはルールを決めてしまいましょう。読み終えたら、カレンダーを開いて遊ぶ日を決めてみてください。

この記事でわかること

  • 受験生が夏休みに遊んでいい理由と、その条件
  • 「毎日1時間だけゲーム」が最も危険な3つの理由
  • 遊ぶ日数を引き算で決める方法
  • 遊ぶ日に選ぶといいもの・避けたほうがいいもの
  • 遊ぶ日以外の休憩の取り方(スマホがNGな理由)

受験生は夏休みに遊んでもいい?

受験生は夏休みに遊んでもいい?

遊んでいいです。むしろ、まったく遊ばずに40日間を走り切れる受験生のほうが少数派でしょう。問題は「遊ぶかどうか」ではなく「どう遊ぶか」にあります。ここを設計しないまま夏に入ると、遊びも勉強も中途半端になってしまうからです。竹内個別でも、遊びを全面的に禁止することはしていません。禁止したところで、隠れて遊ぶだけで終わるからです。

多くの受験生が抱えているのは、遊びたい気持ちそのものではなく、遊んだあとの罪悪感です。この罪悪感が翌日の集中力まで削っていきます。遊んだ時間そのものより、そのあとに引きずる時間のほうが実は高くつくということ。だからこそ、あらかじめルールを決めておくことに意味があるのです。ルールさえ決まっていれば、遊んだ日も堂々と楽しめます。

結論:遊んでいい。ただし遊び方に条件がある

竹内個別が受験生におすすめしているのは、1日だけ思いっきり遊ぶ日を作るという方法です。ディズニーでもUSJでもデートでも構いません。行きたい場所に行って、その日は勉強のことを考えずに全力で楽しむ。半端に切り上げず、受験のことを一度忘れてしまって構いません。これが最も効率のいい息抜きだと考えています。1日を使い切ることで、遊び足りないという感覚が残りません。

逆におすすめしないのが、毎日少しずつ遊ぶという形です。「1日1時間だけゲーム」「寝る前に30分だけ動画」といった形式は、一見すると節度があるように見えます。しかし実際には、この形が最も勉強時間を削ります。しかも本人は節度を守っているつもりなので、問題に気づきにくいのが厄介なところ。節度があるように見える形ほど、実は危ないということです。理由は次の章で詳しく説明しましょう。

大事なのは、遊ぶことを悪と決めつけないことです。悪いのは遊び自体ではなく、区切りのない遊び方のほうになります。遊びを我慢し続けた結果、9月に燃え尽きてしまう受験生も実際にいるもの。区切りをつけて遊ぶほうが、40日という長い期間を走り切れるでしょう。我慢の総量には限界があると考えておいたほうが現実的でしょう。

「毎日1時間だけゲーム」

「0か100」がなぜいいのか

竹内個別ではこの考え方を「0か100」と呼んでいます。遊ぶ日は100で遊び、勉強する日は0にする。この極端さこそが、夏を乗り切るコツになるという発想です。中途半端をなくす、という一点だけに絞ったシンプルなルールなので、覚えるのも実行するのも難しくありません。複雑なルールほど守れなくなるため、あえて単純にしています。

理由はシンプルで、メリハリが生まれるからです。1日まるごと遊んだ日は、心から満足できます。満足すれば、翌日から勉強に戻りやすくなるもの。逆に毎日1時間ずつ遊んでいると、どの日も満たされないまま終わります。遊んだ実感がないのに勉強時間だけが減っている、という最悪の状態になりかねません。満足感の有無が、翌日の立ち上がりを左右します。

食事にたとえると分かりやすいでしょう。1日3食きちんと食べるほうが、1日中ちびちび間食を続けるより満足度が高く、体調も安定します。間食を続けていると、お腹は膨れているのに食べた記憶が残りません。息抜きもこれと同じで、区切って取るほうが確実に効きます。満足するには、ある程度まとまった量が必要だということです。

▶ 関連記事:受験生の夏休みの勉強時間は何時間?目安と計画の立て方を解説

「毎日1時間だけゲーム」が最も危険な理由

「毎日1時間だけゲーム」が最も危険な理由

一見すると最も現実的に見えるこの方法が、実は一番リスクの高い選択です。理由は3つあります。時間が守れないこと、休息として機能しないこと、そして自信につながらないこと。どれも「節度を守っている」という自己認識があるぶん、気づきにくいのが共通点です。順番に見ていきましょう。どれも自覚しにくいぶん、放置されやすい問題でもあります。

1時間は必ず2時間になる

まず、時間が守れません。「1時間だけ」と決めてゲームを始めても、気づいたら2時間になっているというのが現実です。これは意志が弱いからではありません。ゲームも動画も「もう少し続けたくなる」ように設計されているからです。設計に個人の意志で対抗しようとするのは、そもそも分の悪い勝負でしょう。意志の力で勝とうとせず、そもそも触らない環境を作るほうが確実です。

しかも厄介なのは、超過した1時間に罪悪感が伴うことです。予定より長く遊んでしまった日は、そのあとの勉強にも集中できません。結果として、1時間のつもりが2時間の遊びと2時間の低効率な勉強を生むことになります。実質的には4時間を失っている計算になるでしょう。遊んだ時間の倍を失っているという感覚は、なかなか持ちにくいものです。

これが毎日続くとどうなるでしょうか。1日1時間の超過でも、40日では40時間になります。夏休みに確保できる勉強時間を約400時間とすれば、その1割が消える計算です。しかも失われるのは時間だけではありません。毎日ルールを破り続けた記憶が、そのまま自信の低下につながっていきます。時間と自信の両方を、同時に削り続けることになります。

中途半端な息抜きは休息にならない

2つ目の理由は、短い遊びが休息として機能しないことです。1時間のゲームでは、頭は切り替わりません。むしろ「もっとやりたかった」という気持ちを抱えたまま机に戻ることになります。休んだはずなのに、集中力が回復していない状態です。遊んだのに疲れが取れないなら、それは休息になっていません。

人間の集中力は、完全に切り替えることで回復します。中途半端に遊びを挟むと、勉強モードでも遊びモードでもない状態が続くだけ。これが一番効率を落とします。「机には向かっているが頭は動いていない」という時間が積み上がっていくため、勉強時間の記録だけは伸びるという点も厄介でしょう。勉強時間の記録だけは伸びるため、問題に気づくのが遅れがちです。

だからこそ、遊ぶなら1日まるごと使うほうが合理的なのです。頭を完全に切り替えたほうが、戻ったときのパフォーマンスは高くなります。半日で切り上げるより、朝から夜まで使い切るほうが結果的に得だという逆説がここにあります。遠出をして帰ってきた日の夜のほうが、意外と机に向かえるものです。半端に切り上げるほど、切り替えは浅くなります。

0に抑えられると自信になる

3つ目が、意外と見落とされている効果です。遊びを0に抑えられた日は、それ自体が自信になります。「今日は一度もスマホを触らずにやり切れた」という経験は、受験期のメンタルを支える土台になるもの。成績が伸び悩む時期ほど、この蓄積が効いてきます。点数に直結しないぶん、価値を見落としやすい部分でしょう。数字に表れない効果ほど、後から効いてきます。

受験生が不安になる原因の多くは、成績そのものより「自分はちゃんとやれているのか」という自己評価の揺らぎにあります。決めたことを守れた日が積み上がると、この揺らぎは小さくなっていくでしょう。逆に毎日ルールを破っていると、自分への信頼が少しずつ失われていきます。自分を信じられない状態では、どんな計画も続きません。

つまり「0か100」は、時間管理のテクニックであると同時に、自信を守るための方法でもあるということです。守れるルールを1つ持っているかどうかが、夏の後半に効いてきます。守れないルールを10個作るより、守れるルールを1つ決めるほうがはるかに実用的でしょう。夏の後半に効いてくるのは、この積み重ねのほうです。

▶ 関連記事:勉強に集中する方法|脳科学で「勉強中毒」を作る3ステップ

受験生が夏休みに遊ぶ頻度はどれくらい?

受験生が夏休みに遊ぶ頻度はどれくらい?

「週1回」「月2回」といった一般的な目安はありますが、竹内個別では頻度ではなく設計で考えることをおすすめしています。何回遊ぶかより、いつ遊ぶかを先に決めるほうが機能するからです。回数だけを基準にすると、自分の状況とずれた判断をしてしまいます。平均値は、あなたの参考書の残量を知らないからです。他人の頻度を真似ても、自分の進捗は変わりません。

頻度ではなく「1日をまるごと」で考える

頻度の話が難しいのは、1回の中身がバラバラだからです。「週1回遊ぶ」と言っても、1時間の外出と丸1日の遠出ではまったく違います。それを同じ「1回」として数えても、あまり意味がありません。だからこそ、時間の量で測れる単位に置き換える必要があります。測れない基準は、守れているかどうかも判断できません。曖昧な基準は、結局守られないまま終わります。

そこで竹内個別では、遊びの単位を「1日」で数えることを提案しています。40日の夏休みのうち、まるごと遊ぶ日を何日取るか。この形なら計算がしやすく、残りの勉強時間も自動的に決まります。曖昧さが消えるぶん、守りやすくもなるでしょう。数えられるものは管理できるという単純な話です。日数で管理すれば、判断に迷う場面がなくなります。

たとえば2日を遊びに充てるなら、残りは38日です。1日10時間で計算すれば380時間が確保できます。この数字が志望校に必要な参考書の量に足りているかを確認すれば、遊んでいいかどうかは自分で判断できるはずです。誰かに許可をもらう必要はありません。自分で計算できれば、親を説得する材料にもなります。

遊ぶ日を先に決めてしまう

もうひとつのコツが、遊ぶ日をカレンダーに先に書き込むことです。勉強の予定を埋めてから空いた日に遊ぶ、という順番だと、いつまでも遊ぶ日が来ません。結果として我慢が限界に達し、ダラダラした遊びに逃げることになります。順番を逆にするだけで、この事故は防げるでしょう。予定は、決めた瞬間から守るための力を持ちます。

先に予定を入れてしまえば、そこまでの日々に目標ができます。「あと10日頑張れば遊べる」という区切りは、想像以上に効くもの。しかも予定が決まっていれば、友達との調整もしやすくなります。直前に誘われて断れず、なし崩しに遊んでしまうという展開も避けられるはずです。友達にも早めに伝えておくと、調整が楽になります。

注意点は、模試や学校行事の日程を先に確認しておくことです。せっかく決めた遊びの日が模試と重なると、どちらも中途半端になってしまいます。カレンダーを開いて、動かせない予定から順に埋めていってください。遊ぶ日は、そのあとに置くのが正しい順番になります。動かせない予定から埋めるのが、計画づくりの鉄則です。

40日のうち何日なら許容できるか

具体的な日数は、志望校と現在地によって変わります。ただし判断の方法は共通です。志望校に必要な参考書の残量から必要な勉強時間を出し、それを確保したうえで余る日数が、遊びに使える上限になります。ここを計算せずに日数だけ決めても、根拠のない数字にしかなりません。根拠のある数字だけが、実行するときの支えになります。

ここで重要なのは、引き算で決めることです。「みんな週1回くらい遊んでいるらしいから」という基準で決めると、自分の状況とずれてしまいます。参考書が大量に残っているのに周囲と同じペースで遊べば、当然間に合わなくなるでしょう。周囲の頻度は、あなたの残量を教えてくれません。比べるべき相手は友達ではなく、自分の参考書の残量です。

逆に、必要量が終わる見込みが立っているなら、遊ぶ日を増やしても問題ありません。ここを数字で把握できているかどうかが、罪悪感なく遊べるかどうかの分かれ目になります。裏を返せば、罪悪感が消えないのは計算をしていないからだとも言えるでしょう。数字が出ていれば、遊ぶ日も胸を張って楽しめます。

▶ 関連記事:勉強計画の立て方|入試日から逆算する5ステップで合格をつかむ方法

受験生はいつまで遊んでいい?

受験生はいつまで遊んでいい?

明確な締め切りはありません。ただし現実的には、まとまった遊びが取れるのは夏休みまでと考えておくほうが安全です。秋以降は物理的に予定が入らなくなるため、遊ぶ機会そのものが自然と減っていきます。時期を区切るというより、環境が勝手に区切ってくれるという感覚に近いでしょう。無理に線を引かなくても、自然と勉強一色になっていきます。

時期ではなく進捗で判断する

「10月まではOK」「12月からはダメ」といった時期の基準を見かけますが、竹内個別ではこの考え方を採用していません。判断すべきは月ではなく、参考書の進捗だからです。カレンダーの日付は、あなたの学力について何も教えてくれません。日付を基準にすると、状況の違う受験生に同じ答えを出すことになります。月で判断する基準は、便利に見えて実は乱暴なものです。

同じ11月でも、志望校の合格問題集が終わっている受験生と、まだ橋渡し問題集の途中にいる受験生とでは、置かれている状況がまったく違います。前者には遊ぶ余裕がありますが、後者にはありません。日付だけを見て判断すると、この差がまったく反映されないでしょう。必要なのは、自分の進捗を数字で言える状態にしておくことです。

したがって「いつまで遊んでいいか」への答えは、「必要な参考書が予定どおり進んでいるあいだは遊んでいい」になります。進捗が遅れているなら、時期に関係なく削るべきです。逆に予定どおりに進んでいるなら、12月に1日遊んでも問題はありません。月ではなく残量を見る、という一点だけ覚えておいてください。見るべきものが決まれば、判断で悩む時間も減ります。

夏以降に遊びの予定を入れにくくなる理由

とはいえ、秋以降に遊ぶ機会が減るのは事実です。理由は3つあります。まず学校が始まるため、平日にまとまった時間が取れなくなること。次に模試の日程が増え、土日が埋まりやすくなること。この2つだけでも、丸1日空いている日はかなり貴重になります。3つ目が、周囲の空気が変わることでしょう。秋になると友達も本格的に受験モードに入るため、遊びに誘い合う機会自体が減ります。誘われないから遊ばない、という自然な形になっていくもの。自分の意志だけで我慢する必要がなくなるとも言えます。

この意味で、夏休みはまとまった遊びが取れる最後のタイミングだといえます。行きたい場所があるなら、夏のうちに1日使って行っておくほうが後悔は少ないでしょう。中途半端に我慢して、その気持ちを秋以降まで引きずるほうがよほど問題になります。秋になってから「行っておけばよかった」と思うほうが厄介です。やり残しは、勉強の集中を静かに削っていきます。

遊ぶ日に選ぶといいもの・避けたほうがいいもの

遊ぶ日に選ぶといいもの・避けたほうがいいもの

同じ1日を使うにしても、選ぶ遊びによって効果は大きく変わります。基準はひとつだけで、その日のうちに完結するかどうかです。ここを外すと、遊びが翌日以降にまで染み出してきます。何をするかを決める前に、この基準だけ頭に入れておいてください。選び方ひとつで、翌日の状態が変わってきます。

思い切り遊ぶなら1日で完結するもの

おすすめは、テーマパーク、友達との遠出、デートなど、1日を使い切るタイプの遊びです。朝出かけて夜に帰る形なら、その日で気持ちの区切りがつきます。物理的に家から離れることも効果的でしょう。参考書が視界に入らない場所にいるほうが、頭は切り替わりやすくなります。移動そのものが気分転換になるのも利点でしょう。

体を動かす遊びも相性がいいでしょう。竹内個別では受験生に運動を推奨しています。理由は、運動がメンタルの安定につながるからです。自転車での移動でもジムでも構いません。1日遊ぶなら、体を使う要素が入っているほうが切り替えの効果は高くなります。汗をかいて帰ってきた日は、寝つきもよくなるでしょう。睡眠の質が上がれば、翌日の勉強にも直結します。

翌日に疲れが残りすぎない範囲で、というのが唯一の注意点です。徹夜になるような遊び方をすると、翌日1日を潰すことになり、結局2日分を失います。楽しむのは日中だけと決めておくのが安全でしょう。夜更かしは、遊びの満足度を上げるどころか下げる要因になります。遊ぶ日は日中に全力を使い、夜は普段どおり寝るのが理想です。

避けたいのはダラダラ続く遊び

避けたいのは、終わりが決まっていない遊びです。ゲーム、動画配信サービス、SNSなどが代表例になります。これらは「ここで終わり」という区切りが構造上ないため、時間を消費し続けてしまうからです。自分で止めるしかない仕組みは、受験期にはリスクが高すぎます。さらに問題なのは、こうした遊びが翌日以降も続いてしまうことです。ゲームは続きが気になりますし、動画も次の話を見たくなります。1日で完結しないタイプの遊びは、夏休み全体に染み出してくると考えてください。1日の遊びのつもりが、40日を侵食していきます。

どうしてもやりたい場合は、遊ぶ日にまとめて消化するのが現実的でしょう。「今日は1日ゲームの日」と決めてしまえば、少なくとも他の日に持ち込まずに済みます。禁止するより、置き場所を決めるほうがうまくいくケースは少なくありません。完全に断つより、日を決めるほうが続けやすい方法です。

旅行・オープンキャンパスの扱い

家族旅行の予定がある場合は、日数で判断してください。1泊2日程度であれば、遊ぶ日を2日使ったと考えれば問題ありません。逆に4泊5日となると、40日のうち1割以上を使うことになります。参考書の残量と相談したうえで、家族に事情を説明する必要も出てくるでしょう。行かない選択をする場合も、理由を家族に説明しておくと角が立ちません。

オープンキャンパスは、遊びとは別枠で考えて構いません。志望校を実際に見ることは、モチベーションの維持に直結するからです。行き先に迷っている受験生ほど、足を運ぶ価値があるでしょう。ただし1日に何校も回ろうとすると移動だけで終わるため、1日1〜2校に絞るのが現実的です。移動時間も考慮して、無理のない日程を組んでください。

遊ぶ日以外の「休憩」はどう取るか

遊ぶ日以外の「休憩」はどう取るか

遊ぶ日を決めたとして、それ以外の日にも休憩は必要です。ここでの休憩は「遊び」とは別物として設計してください。1日の中でどう区切るかという話になります。遊びの設計と休憩の設計を混ぜてしまうと、どちらも中途半端になりがちです。日単位の設計と、1日の中の設計は分けて考えてください。

45分ペースで区切る

竹内個別では、45分を目安に区切ることをおすすめしています。特に午後は集中力が落ちるため、長時間ぶっ通しで続けるより効率が上がるからです。区切りを入れることで、1日の総量はむしろ増えることが多いでしょう。長く座っていることと、集中していることは別物です。

午前中は比較的集中しやすいので、得点配分の重い科目、たとえば数学や英語を配置するのが基本になります。一方で午後は疲れが出るため、こまめに区切って進めるほうが結果的に量をこなせるはず。同じ8時間でも、時間帯によって使い方を変えるという発想です。頭が最も動く時間帯を、いちばん重い科目に割り当てるという考え方です。

区切りのタイミングは、キリのいいところまで進んだときではなく、時間で決めてください。「あと少しだけ」と続けると、気づいたときには集中が切れています。タイマーを使うと確実でしょう。自分の感覚を信じないという前提で仕組みを作るのが、続けるコツになります。タイマーを使えば、判断そのものが不要になります。

休憩中のスマホは逆効果

休憩の質を大きく下げるのが、スマホです。竹内個別では休憩中のスマホをおすすめしていません。理由は、脳が余計に疲れるからです。休んでいるつもりが、実際には作業を続けているのと変わらない状態になっています。休憩の目的は、頭を休ませて次の45分に備えることにあります。しかしスマホを開くと、大量の情報が流れ込んできます。休んでいるつもりでも、脳は処理を続けている状態です。その結果、休憩後の集中力がむしろ落ちてしまうという逆転が起こります。スマホを見た日と見なかった日で、午後の伸びが変わってきます。

加えて、スマホは前述の「終わりが決まっていない遊び」の典型でもあります。5分のつもりが20分になるのは珍しくありません。休憩のたびにこれが起これば、1日で1時間以上を失う計算になります。手の届く場所に置かないことが、最も確実な対策でしょう。別の部屋に置くだけでも、超過の頻度は大きく下がります。

休憩は筋トレ・散歩がおすすめ

では何をすればいいのでしょうか。竹内個別のおすすめは筋トレです。短時間で体を動かせて、終わりも自分で決められます。頭を使わないぶん、脳の休息にもなるでしょう。道具がなくても、その場でできる種目は十分にあります。血流が戻るぶん、頭も動きやすくなるでしょう。

朝の散歩も有効です。理由は体内時計にあります。ずっと室内にいると生活リズムが崩れやすいため、朝に外へ出て光を浴びることでリズムが整いやすくなるからです。夏休みは学校がないぶん昼夜逆転しやすいので、ここは意識的に組み込む価値があります。1日の始まりを固定できると、そのあとの予定も崩れにくくなります。起きる時刻さえ固定できれば、夏の生活は崩れにくくなります。

つまり休憩の設計は「スマホを見ない」「体を動かす」「終わりが自分で決められる」の3点を満たすものを選ぶということ。この基準で選べば、休憩がそのまま次の集中につながります。逆に3点のどれかを欠くと、休憩が休憩として機能しなくなるでしょう。迷ったら、この3点で判断してみてください。

夏休みに遊びすぎてしまった場合

すでに遊びすぎてしまった受験生もいるでしょう。その場合にやるべきことは、反省することではありません。残りの日数を数え直すことです。過去の使い方を悔やんでも、状況は1ミリも改善しません。自己嫌悪に時間を使っても、参考書は1ページも進みません。むしろ罪悪感を抱えたままの勉強は効率が落ちるため、二重の損失になります。まずは共通テストまでの日数をカレンダーで数え、確保できる勉強時間を出してください。感覚ではなく、実際に数えることが大切です。

そのうえで、志望校に必要な参考書の残量と照らし合わせます。足りないなら、やることを減らすか志望校を変えるかの判断が必要です。この判断は自分ひとりでは精度が出にくいので、学校の先生でも塾でも構いませんので相談することをおすすめします。ひとりで抱え込むほど、判断は遅れて選択肢も減っていきます。早く相談するほど、選べる打ち手は多く残ります。

竹内個別には、模試でE判定を取り、勉強が三日坊主だった生徒がいました。高3の夏以降に入塾し、1日ごとに何をやるかを細かく決める計画づくりに取り組んだ結果、筑波大学に合格しています。出遅れても、設計をやり直せば間に合う可能性は残るということです。条件としては、決して恵まれていませんでした。出遅れた状態からでも、やり方次第で結果は変わります。

E判定から筑波大学に合格したこうしんくんの対談を読む

こうしんくん対談
高3夏にE判定から6ヶ月で筑波大学に現役合格
こうしんくん × 塾長 対談を読む

よくある質問(FAQ)

Q1. 受験生は夏休みに遊ぶべきですか?

A. 遊んでも問題ありません。ただし竹内個別がおすすめしているのは「0か100」という遊び方です。毎日1時間ずつ遊ぶのではなく、1日だけ思いっきり遊ぶ日を作ってください。理由は、中途半端な息抜きでは頭が切り替わらず、休息として機能しないためです。1日まるごと遊んだほうが満足度が高く、翌日から勉強に戻りやすくなります。

Q2. 受験生は夏休みに1日だけ遊ぶべきですか?

A. 1日という数字自体に根拠はなく、志望校に必要な参考書の残量から逆算して決めるべきです。40日の夏休みのうち2日を遊びに充てるなら、残り38日で必要量が終わる見込みがあるかを確認してください。必要量が終わるなら遊ぶ日を増やしても構いませんし、終わらないなら削る必要があります。頻度ではなく引き算で判断するのが原則です。

Q3. 受験生はいつまで遊んでいいですか?

A. 時期ではなく進捗で判断してください。同じ11月でも、志望校の合格問題集が終わっている受験生には余裕がありますが、まだ橋渡し問題集の途中なら余裕はありません。ただし現実的には、学校が始まり模試の日程も増えるため、まとまった遊びが取れるのは夏休みまでです。行きたい場所があるなら夏のうちに行っておくほうが後悔は少なくなります。

Q4. 毎日1時間だけゲームをするのはダメですか?

A. 最もおすすめしない形です。理由は3つあります。1つ目は「1時間だけ」と決めても気づいたら2時間になること。2つ目は短い遊びでは頭が切り替わらず、休息として機能しないこと。3つ目は、ルールを守れない日が続くと自分への信頼が失われることです。1日1時間の超過でも40日で40時間、夏に確保できる約400時間の1割を失う計算になります。

Q5. 受験生が夏休みに旅行に行ってもいいですか?

A. 日数で判断してください。1泊2日程度であれば、遊ぶ日を2日使ったと考えれば問題ありません。一方で4泊5日となると40日のうち1割以上を使うことになるため、志望校に必要な参考書の残量と相談する必要があります。なお、オープンキャンパスは遊びとは別枠で考えて構いません。志望校を実際に見ることは、モチベーションの維持に直結します。

Q6. 遊んだあとの罪悪感で勉強に集中できません。どうすればいいですか?

A. 遊ぶ日をカレンダーに先に書き込んでください。罪悪感の正体は「予定外に遊んでしまった」という感覚にあるため、事前に決めた予定どおりに遊んだのであれば罪悪感は発生しません。逆に、勉強の予定を埋めてから空いた日に遊ぼうとすると、いつまでも遊ぶ日が来ず、我慢が限界に達してダラダラした遊びに逃げることになります。

Q7. 休憩中にスマホを見るのはダメですか?

A. おすすめしません。理由は、脳が余計に疲れるためです。休憩の目的は次の勉強に備えて頭を休ませることですが、スマホを開くと大量の情報が流れ込み、休んでいるつもりでも脳は処理を続けています。加えて5分のつもりが20分になりやすく、休憩のたびに超過すれば1日で1時間以上を失う計算です。筋トレや散歩など、体を動かす休憩をおすすめします。

Q8. 夏休みに遊びすぎてしまいました。もう手遅れですか?

A. 手遅れかどうかは、残り日数と参考書の残量を比べないと分かりません。まずは共通テストまでの日数をカレンダーで数え、確保できる勉強時間を出してください。足りない場合は、やることを減らすか志望校を変えるかの判断が必要になります。竹内個別には高3の夏以降に入塾してE判定から筑波大学に合格した生徒もいるため、設計をやり直せば可能性は残ります。

まとめ

受験生が夏休みに遊ぶのはアリです。ただし遊び方には条件があり、竹内個別がおすすめしているのは「0か100」という考え方になります。ポイントを整理しておきましょう。

  • 毎日1時間ずつではなく、1日だけ思いっきり遊ぶ日を作る
  • 遊ぶ日はカレンダーに先に書き込む(罪悪感が消える)
  • 遊ぶ日数は、志望校に必要な参考書の残量から引き算で決める
  • 選ぶならその日のうちに完結する遊び。ゲーム・動画は翌日以降に染み出す
  • 遊ぶ日以外の休憩は45分区切り。スマホは脳が疲れるのでNG、筋トレや散歩がおすすめ

「1時間だけ」と決めたゲームは、気づいたら2時間になっています。しかも超過した罪悪感がその後の勉強効率まで落とすため、実質的な損失は時間以上に大きくなるもの。逆に、0に抑えられた日は自信になります。決めたことを守れた経験の積み重ねが、受験期のメンタルを支える土台になるでしょう。遊んだ記憶より、守れなかった記憶のほうが後に残ります。

遊びを我慢することが正解ではありません。区切りをつけて遊ぶことが正解です。遊ぶ日を決めて、その日は全力で楽しんでください。そして翌日からは、決めたとおりに0に戻る。この切り替えができる受験生が、夏を最後まで走り切れます。遊ぶ日を楽しめた受験生ほど、翌日からの戻りが早いものです。我慢の量ではなく、切り替えの精度が問われます。

著者:竹内個別戦略室 尾崎侑絃(岐阜大学医学部医学科卒業・医師免許保持)
監修:竹内個別塾長 竹内壮志(名古屋大学工学部卒業)

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です