富山大学医学部の配点と対策|共テ58.8%・推薦が4割

富山大学医学部医学科の配点は、共通テスト1,000点に対して個別テスト700点。比率にすると1対0.7で、総合1,700点の58.8%が共通テストで決まります。竹内個別がこれまで配点を整理してきた16校と並べると、4番目に共通テストへ寄った設計です。共通テストで手応えを掴んだ受験生にとって、有力な候補になる大学だといえます。

この大学の配点にはもうひとつ特徴があります。共通テストの配点に傾斜がかかっていません。国語200点・地歴公民100点・数学200点・理科200点・外国語200点・情報Ⅰ100点で、大学入試センターの素点をそのまま使う形です。他の大学では理科や数学を重くする傾斜が入ることがありますが、富山にはそれがありません。特定の科目を厚くする必要がなく、普通に全教科を仕上げていく感覚が正しいということですね。

そしてもう一点、出願前に必ず知っておきたい事実があります。入学定員107人(予定)のうち、一般選抜前期日程の募集は68人にとどまります。残りの39人は総合型選抜と学校推薦型選抜、つまり地域枠での募集です。定員の36.4%が推薦・地域枠という構成なので、条件に当てはまる受験生には検討する価値があります。一般選抜だけを見ていると、この39人分の入口が視野から抜け落ちてしまいます。

この記事では令和9年度入学者選抜要項から配点を整理したうえで、地域枠5種類の条件まで具体的にお伝えします。共通テストの換算方式、二次で求められる到達度、卒業後の勤務義務まで、出願の判断に必要な情報を順に並べました。竹内個別は大学受験全般に対応するオンライン個別指導塾です。配点の読み解きと方針の解説としてお読みください。

この記事でわかること

  • 富山大学医学部の共通テスト・個別テストの配点(大学公式)
  • 共通テストに傾斜がないことが対策にどう影響するか
  • 共通テスト英語がリーディング160点・リスニング40点になる換算
  • 定員の36.4%を占める推薦・地域枠5種類の条件
  • 難問対策がどこまで必要か

富山大学医学部の配点【大学公式】

以下は富山大学が公表している数字です(出典:富山大学「令和9年度入学者選抜要項」)。医学科の入学定員は107人が予定されており、そのうち一般選抜前期日程の募集人員は68人です。なお医学科の一般選抜は前期日程のみで、後期日程は実施されません。共通テストと個別テストで比重が違うので、分けて見ていきます。学力検査は2月25日と26日の2日間で実施される日程です。まず共通テストから確認してください。

共通テストは6教科8科目・1,000点

共通テストの配点は国語200点・地歴公民100点・数学200点・理科200点・外国語200点・情報Ⅰ100点で、合計1,000点です。200点の教科が4つ並び、100点の教科が2つという構成になります。数字を見てわかるとおり、特定の科目だけが突出して重いという設計ではありません。まずは一覧で確認してください。

教科配点共テ内の比率
国語20020.0%
数学20020.0%
理科20020.0%
外国語20020.0%
地歴公民10010.0%
情報Ⅰ10010.0%
合計1,000100%

理科は「物理」「化学」「生物」から2科目を選択します。基礎科目での受験はできないので、専門科目を2つ仕上げる必要があります。数学は「数Ⅰ、数A」と「数Ⅱ、数B、数C」の両方が必須です。地歴公民は「地総・地探」「歴総・日探」「歴総・世探」「地総/歴総/公」「公・倫」「公・政経」から1科目を選びます。国語と情報Ⅰもすべて必要になるので、6教科8科目をひととおり揃える前提で計画を立ててください。

個別テストは3科目と面接の700点

個別テストは数学200点・理科200点・外国語200点の3科目に、面接100点を加えた合計700点です。3科目が同じ200点ずつという均等配点になっています。理科は物理・化学・生物から2科目を選択する形で、共通テストと同じく3科目のいずれからも選べます。数学の出題範囲は数Ⅰ・数Ⅱ・数Ⅲに加え、数A・数B(数列)・数C(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面)です。

科目配点二次内の比率
数学20028.6%
理科20028.6%
外国語20028.6%
面接10014.3%
合計700100%

面接は「思考力、協調性、積極性、将来性を評価する」と要項に記載されています。配点は100点で、総合1,700点に占める割合は5.9%です。学科試験と違って点数が公表される性質のものではありませんが、点数化されている以上は無視できません。ただし対策の時期については後ほど整理しますので、まずは学科の配点を押さえてください。

科目ごとに合算するとこうなります

共通テストと個別テストを足すと、総合1,700点の内訳が見えてきます。合否を決めるのはこの数字なので、共通テスト単体の比率と混同しないよう注意してください。勉強時間の配分は、合算した数字を基準に決めるのが正しい判断になります。同じ科目でも、共テ内で見るか総合で見るかによって位置づけが変わります。国語がその典型で、共テ内では20.0%を占めますが総合では11.8%まで下がります。

科目共テ個別合計総合比
数学20020040023.5%
理科20020040023.5%
外国語20020040023.5%
国語20020011.8%
地歴公民1001005.9%
情報Ⅰ1001005.9%
面接1001005.9%
合計1,0007001,700100%

数学・理科・外国語が各400点で並び、この3科目だけで1,200点、総合の70.6%を占めます。残りは国語200点・地歴公民100点・情報Ⅰ100点・面接100点です。3科目が完全に同じ重さなので、どれかに偏って伸ばす戦略が取りにくい配点だといえます。3科目を横並びで仕上げていく前提で計画を組んでください。

配点から必要な得点は見えても、そこに届くまでに何をどの順で何時間やるかは別の話です。参考書ごとの所要時間と目標正答率まで入ったロードマップを無料でお配りしています。

富山大学医学部 科目別の総合配点

共通テスト寄りの配点です

竹内個別がこれまで配点を整理してきた医学部と並べると、富山の位置がはっきりします。同じ「国公立医学部」でも、共通テストと二次の比重には大きな開きがあります。この比率が変われば、いつ何を始めるべきかという計画そのものが変わってきます。志望校を絞り込む段階で必ず確認しておきたい情報です。比率は共通テストの配点を1としたときの、個別テストの配点の大きさを表しています。

大学共テ:二次
徳島1 : 0.42
山口1 : 0.63
秋田1 : 0.67
富山1 : 0.7
琉球1 : 0.8
香川1 : 0.97
高知1 : 1.05
信州1 : 1.2
神戸1 : 1.26
大阪公立1 : 1.33
北海道1 : 1.67
岡山1 : 2
広島1 : 2
東京科学1 : 2
金沢1 : 2.21
京都1 : 3.6
東北1 : 4

富山は17校のなかで4番目に共通テストへ寄っています。総合1,700点のうち共通テストが1,000点で、58.8%を占める計算です。表の反対側にある東北大学(1対4)は二次で8割が決まるので、必要な準備の中身がまったく違ってきます。同じ国公立医学部でも、これだけの開きがあるということですね。上位3校の徳島・山口・秋田とは、いずれも0.1未満の差で並んでいます。

この構造が意味するのは、共通テストで作った得点がそのまま合否に効いてくるということです。共通テストで手応えを掴んだ受験生にとって、有力な候補になる大学だといえます。医学部志望の受験生は、共通テストが終わってから最終的な出願先を決めることが多くなります。その段階で候補に挙がってくる大学のひとつが富山だと考えてください。

▶ 関連記事:医学部の共通テストボーダーは何割?戦略と目安を解説

▶ 関連記事:徳島大学医学部の配点と対策|共テが総合の70.4%

共通テストと二次の比率は大学で大きく違う

共通テストに傾斜がありません

富山の共通テストは、大学入試センターの素点をそのまま1,000点として使います。傾斜による重みづけがないということですね。国語は200点、地歴公民は100点、理科は200点で、いずれも共通テストの配点をそのまま持ち込む形です。理科で2科目を受験した場合も、2科目の合計点をそのまま利用する扱いになります。この点は他の大学と比べると、はっきりした違いになります。

医学部の入試では、共通テストの配点に傾斜がかかることが珍しくありません。徳島大学は理科を300点に引き上げ、国語を150点・地歴公民を50点に下げています。大阪公立大学も理系科目を厚くし、国語と地歴公民を軽く扱う設計です。こうした大学では、傾斜のかかり方に合わせて時間配分を調整する判断が生まれます。富山にはその調整が必要ありません。

大学共テの国語共テの地歴公民共テの理科
富山200(素点)100(素点)200(素点)
徳島15050300
秋田10050200
山口200100200

誤解しないでいただきたいのは、これは「国語や社会を落とせない大学」という話ではないということです。他の大学で傾斜がかかることはあるが、富山にはない。だから普通にやるという感覚が正しくなります。共通テストの全教科を素直に仕上げていけば、そのまま富山の配点に対応できるということですね。傾斜を意識した特別な組み替えは要りません。

富山の共通テストには傾斜がない

共通テストの英語はリーディング160点・リスニング40点

富山の共通テストの英語には、独自の換算が入ります。リーディング100点満点を160点満点に、リスニング100点満点を40点満点に換算し、その合計200点満点を配点に使う形です(出典:富山大学「令和9年度入学者選抜要項」)。リーディングが8割、リスニングが2割という比率になります。共通テストの素点では両方100点ずつなので、扱いが大きく変わるということですね。

区分共テ素点富山での換算比率
リーディング10016080%
リスニング1004020%
合計200200100%

この換算は対策の優先順位に影響します。リスニングの優先順位は下げて構いません。リーディングを1点伸ばす効果が、リスニングを1点伸ばす効果の4倍になる計算だからです。逆に琉球大学のようにリスニングの比重が高い大学では、リスニング対策を前に出す判断になります。志望校の換算方式によって、英語のなかでどこに時間を使うかが変わるということですね。

なお聴覚障害のある受験者のうち、重度難聴でリスニングの免除を大学入試センターに申請し許可された場合は、リーディングの得点を配点に換算する扱いになります。また英語以外の外国語(ドイツ語・フランス語・中国語・韓国語)を選択した場合は、筆記200点満点をそのまま利用するか配点に換算する形です。該当する場合は要項の記載を直接確認してください。

▶ 関連記事:琉球大学医学部の配点と対策|リスニングの比重が高い

共通テスト英語はリーディングが4倍の重み

2段階選抜は約5倍

富山大学医学部医学科の前期日程には、2段階選抜(いわゆる足切り)が設定されています。要項に記載されている倍率は約5倍です。志願者数が募集人員68人の約5倍を超えた場合に、共通テストの成績で第1段階選抜が実施されます。単純に計算すると、志願者が340人を超えたあたりが目安になります。実施状況は令和9年2月に大学から発表される予定です。

徳島大学のように「950点満点中630点」といった絶対的な得点ラインが公表されている大学もありますが、富山は倍率のみの表記です。何点で切られるかは、その年の志願状況で変わります。前年に志願者が集中すれば翌年は敬遠されるという動きも起こります。ただしここは受験生がコントロールできる部分ではありません。共通テストで自分の取れる最大値を出すことに集中してください。

そもそも2段階選抜を気にする水準の得点では、通過できたとしてもその先が厳しくなります。共通テストが総合の58.8%を占める大学なので、足切りラインの近くにいる時点で合格は遠いということですね。目標にすべきは足切りの通過ではなく、二次試験で戦える持ち点を作ることです。共通テストの目標設定は、そちらを基準に組み立ててください。

難問対策は典型問題の完成度で足ります

個別テストは数学・理科・外国語の3科目均等ですが、難問への対応まで求められる試験ではありません。竹内個別としてお伝えする到達目標は、典型問題を100%取り切ることです。上級問題精講のような難関大向けの問題集まで進める必要はありません。解いたことのある型の問題を、確実に得点へ変える作業に時間を使ってください。落とせない問題を落とさないことが、そのまま合格点につながります。

医学部の二次対策は、大学によって求められる到達度が3段階に分かれます。この見極めを誤ると、必要のない難問に時間を吸われるか、逆に手が届かない問題に本番で当たるかのどちらかになります。前者は典型問題の精度が上がらないまま入試を迎えることになり、後者は当日に手が止まります。志望校の位置を把握したうえで、使う問題集を決めることが大切です。

到達度内容該当する大学の例
A典型問題を100%取り切る富山・徳島・山口・金沢・秋田・高知・琉球
B難問が解けるレベルまで広島・神戸・信州・大阪公立
C上級問題精講レベルまで京都・北海道・東京科学

富山はAに該当します。個別テストが3科目均等という構造は東京科学大学や金沢大学と共通していますが、求められる到達度は同じではありません。東京科学はC、金沢はAで、同じ均等配点でも使う問題集が変わってきます。配点の構造と、問題の難易度は別の話だということですね。3科目均等だから難しい、という読み方はしないでください。

そして富山の場合、二次比率が1対0.7と低いことも判断に影響します。個別テストで挽回できる幅が構造的に小さいため、難問に時間を割く優先順位はさらに下がります。仮に二次で難問を1問取れたとしても、総合1,700点のなかでの重みは限られます。典型問題の完成度を上げながら、共通テストの得点を積み上げる。この順序が富山の対策としては合理的になります。

▶ 関連記事:医学部受験の対策と勉強法|典型問題100%が合格の鍵

定員の36.4%が推薦・地域枠です

ここが富山を受験するうえで、配点と同じくらい重要になる情報です。入学定員107人(予定)のうち、一般選抜前期日程の募集は68人にとどまります。残る39人は総合型選抜Ⅱと学校推薦型選抜Ⅱ、いずれも地域枠での募集になります。割合にすると36.4%が推薦・地域枠という構成です。地域枠のいずれもが共通テストを課す選抜なので、共通テストの受験は前提になります。

選抜区分募集人員定員に占める割合
一般選抜(前期日程)6863.6%
総合型選抜Ⅱ22(予定)20.6%
学校推薦型選抜Ⅱ1715.9%
合計107(予定)100%

一般選抜だけを見て志望校を考えると、この39人分の枠を最初から視野の外に置くことになります。条件に当てはまる受験生であれば、推薦・地域枠を検討する価値があります。募集人員が一般前期の半分以上ある以上、無視できる規模ではありません。ただし出願できる人の条件と、卒業後の勤務義務は枠ごとに違います。以下で5種類の枠を具体的に整理します。

地域枠は5種類あります

枠の名称選抜区分人員出願できる人
富山大学地域枠総合型選抜Ⅱ10富山県内の高校等・卒業後2年以内可
富山県特別枠総合型選抜Ⅱ10(予定)富山県内の高校等・卒業後2年以内可
新潟県特別枠総合型選抜Ⅱ2(予定)新潟県内の高校等・卒業後2年以内可
富山大学地域枠(富山県出身者対象)学校推薦型選抜Ⅱ15富山県内の高校等・卒業見込みのみ
富山大学地域枠(隣接県出身者対象)学校推薦型選抜Ⅱ2石川・岐阜・新潟・長野の高校等・卒業見込みのみ

注目していただきたいのは2点あります。ひとつは総合型選抜Ⅱの3枠が卒業後2年以内の受験生にも開かれていることです。学校推薦型選抜Ⅱは卒業見込みの現役生に限られますが、総合型は既卒者にも道があります。もうひとつは隣接県出身者対象の枠で、石川・岐阜・新潟・長野の高校出身者であれば富山県外からでも出願できます。

なお富山県特別枠10人と新潟県特別枠2人は、文部科学省の審査結果により確定する予定枠です。入学定員107人という数字も、12人の増員申請を含んだ予定の人数になります。出願を検討する段階では、必ず大学ホームページで最新の情報を確認してください。予定と記載されている枠は、実施されない可能性もあります。要項にも「文部科学省の審査結果により確定する」と注記されています。

卒業後の義務と出願要件

地域枠には卒業後の勤務義務が伴います。ここを理解しないまま出願すると、合格後に困ることになります。医学部は入学から医師免許取得まで6年かかり、そこからさらに勤務義務の期間が続く形です。枠によって義務の中身が違うので、条件を正確に把握したうえで判断してください。以下は要項に記載されている内容をそのまま整理したものです。

枠の名称卒業後の義務
富山大学地域枠(総合型・学校推薦型)富山大学附属病院を基幹施設とする研修プログラムで、2年間の初期臨床研修を含む5年間の臨床研修に従事
富山県特別枠富山県内の臨床研修病院で2年間の初期臨床研修を行った後、9年間富山県内で地域医療に従事(修学資金の貸与を受け、県知事の指定する医療機関の指定診療科で勤務)
新潟県特別枠新潟県の修学資金の貸与を受け、医師免許取得後ただちに富山大学附属病院で3年間勤務し、その後新潟県の指定した医療機関で9年間勤務

富山県特別枠で指定される診療科は、小児科・外科・産科・麻酔科・救急科・総合診療科・脳神経外科・感染症内科です。地域医療に必要な診療科として要項に列挙されています。9年間という期間と、診療科が指定されるという条件は、進路の選択に直接影響します。将来の専門をどう考えるかも含めて、出願前に検討してください。

このほか全枠に共通する要件として、令和9年度大学入学共通テストの国語・地理歴史公民・数学・理科・外国語・情報を受験すること、そして合格した場合に入学が確約できることが定められています。地域枠は専願での出願になるということですね。加えて富山県内または新潟県内の地域医療に貢献する意志を持ち続けられることも要件に含まれます。併願を前提とした受験計画は立てられません。

共通テスト70%が絶対条件です

地域枠を検討するうえで、必ず知っておくべき条件があります。推薦や総合型と聞くと、共通テストの比重が下がると考えてしまうかもしれません。富山の地域枠は逆です。書類や面接で評価される選抜でありながら、共通テストの得点に明確な足切りが設けられています。要項には次のように明記されています。

> 本学医学部医学科が課す大学入学共通テストの合計得点が70%未満の場合は,合格の対象としない。(ただし,平均点が大きく変動した場合は変更することがある。)

この条件は5つの枠すべてに設定されています。共通テスト1,000点満点のうち700点に届かなければ、書類や面接の評価にかかわらず合格の対象から外れます。地域枠だから共通テストが軽くなる、ということはないということですね。さらにもうひとつ、小論文または面接が0点の場合も合格の対象としないという条件が付いています。

枠の区分面接・書類小論文共通テスト合計
総合型選抜Ⅱ(富山大学地域枠)1501001,0001,250
学校推薦型選抜Ⅱ1001001,0001,200

配点を見ればわかるとおり、総合型で共通テストが80.0%、学校推薦型で83.3%を占めます。一般選抜前期日程の58.8%より、さらに共通テストの比重が高い構造です。地域枠を狙う場合でも、やるべきことは共通テストの完成度を上げることに変わりません。小論文と面接は加点要素であって、共通テストの不足を埋めるものではないと考えてください。

入学定員107人のうち39人が推薦・地域枠

後期日程はありません

富山大学医学部医学科には、一般選抜の後期日程がありません。要項の一般選抜(後期日程)の欄には「医学部医学科は実施しない」と明記されています。医学科以外の学部・学科では後期日程が実施されますが、医学科だけは対象外です。同じ医学部でも看護学科には後期日程が設定されており、医学科だけが前期のみという扱いになります。前期日程の一本勝負になるということですね。

医学部受験では、前期で不合格だった場合に後期を受ける計画を立てることがあります。琉球大学のように後期日程を持つ大学であれば、共通テスト後の選択肢として検討できます。富山にはその選択肢がありません。後期の出願先は、別の大学から選ぶことになるということですね。後期に富山を含めた受験計画を組んでいる場合は、早い段階で組み直してください。

なお前期日程の学力検査は、2月25日と26日の2日間にわたって実施されます(出典:富山大学「令和9年度入学者選抜要項」)。個別学力検査が3科目あり、さらに面接があるためです。宿泊を伴う受験になる可能性が高いので、日程と移動の計画は早めに立てておいてください。2日間を通して力を出せる状態を作ることも準備のうちです。

面接は100点。対策は共通テスト後で間に合います

富山の個別テストには面接が含まれ、配点は100点です。総合1,700点に占める割合は5.9%になります。要項には「思考力、協調性、積極性、将来性を評価する」と記載されています。山口大学や大阪公立大学のように面接を点数化しない大学もありますが、富山は明確に配点を持たせています。点数化されている以上、無視してよい試験ではありません。

ただし対策の時期については、竹内個別としての方針は変わりません。面接対策は共通テストが終わってからで間に合います。共通テストの前に面接の準備へ時間を使うのは、優先順位として合理的ではないからです。100点と1,000点では、1点あたりに投じる時間の価値がまったく違います。総合の58.8%を占める共通テストに時間を投じるほうが、合格可能性は上がります。

面接で問われるのは志望動機と、医師を目指す理由です。ここは自分の言葉で説明できる状態を作っておけば、極端に低い評価になることはありません。共通テスト後の1か月で、想定される質問に対する自分の答えを整理するという進め方で十分です。用意した文章を暗記するより、聞かれ方が変わっても答えられる状態を作ってください。学科の対策と並行して進められる範囲に収めるのが現実的です。

▶ 関連記事:医学部の面接対策|よく聞かれる質問10選と回答の方向性を解説

富山大学を目指すなら、優先順位はこうなります

ここまで整理した内容を、実際の勉強の順番に落とし込みます。配点を読むこと自体が目的ではありません。何にどれだけ時間を使うかを決めるために配点を読むということですね。同じ1時間でも、どの科目に使うかで総合点への効き方が変わります。富山の配点を踏まえると、優先順位は以下の順序になります。上から順に手をつけてください。

1. 共通テストの6教科8科目を、傾斜を考えず素直に仕上げる(総合の58.8%) 2. 数学・理科・外国語の3科目を横並びで進める(総合の70.6%を占める3科目) 3. 英語はリーディングを優先し、リスニングの優先順位は下げる(160点対40点) 4. 難問対策は不要。典型問題を100%取り切る精度を上げる 5. 地域枠の条件に当てはまるなら、出願先の候補として検討する(定員の36.4%) 6. 面接対策は共通テスト後から(総合の5.9%)

この順序で共通しているのは、共通テストの完成度がすべての土台になるという点です。一般選抜でも58.8%、地域枠なら80%を超える比重を持ちます。しかも医学部志望の受験生は、共通テストが終わってから最終的な出願先を決めることになります。共通テストの得点が、そのまま出願できる大学の幅になるということですね。富山を志望するかどうかにかかわらず、この構造は変わりません。

情報Ⅰについても触れておきます。配点は100点で、総合に占める割合は5.9%です。竹内個別では情報の対策を12月以降に短期集中で行う方針を取っています。そのためには12月の時点で理科などの新しい知識を入れずに済む状態を作っておく必要があります。逆算すると、11月までに主要科目のインプットを終えておくという計画になるということですね。

FAQ

Q1. 富山大学医学部は共通テストと二次のどちらが重いですか?

A. 共通テストです。共テ1,000点・個別700点で比率は1対0.7、総合1,700点に占める割合は共テ58.8%・二次41.2%となります。竹内個別がこれまで整理してきた17校のなかで4番目に共通テストへ寄った配点です。上位には徳島(1対0.42)・山口(1対0.63)・秋田(1対0.67)が並びます。共通テストで手応えを掴んだ受験生にとって、有力な候補になる大学だといえます。

Q2. 共通テストの配点に傾斜はかかりますか?

A. かかりません。国語200点・地歴公民100点・数学200点・理科200点・外国語200点・情報Ⅰ100点で、大学入試センターの素点をそのまま1,000点として使います。徳島大学のように理科を300点に引き上げる大学もありますが、富山にはそうした重みづけがありません。全教科を素直に仕上げていけば、そのまま配点に対応できます。

Q3. 共通テストの英語はどう換算されますか?

A. リーディング100点満点を160点満点に、リスニング100点満点を40点満点に換算し、合計200点満点を配点に使います。リーディングが8割、リスニングが2割という比率です。この換算があるため、リスニングの優先順位は下げて構いません。リーディングを1点伸ばす効果が、リスニングの4倍になる計算になります。

Q4. 二次試験に難問対策は必要ですか?

A. 不要です。典型問題を100%取り切ることが目標になります。上級問題精講のような難関大向けの問題集まで進める必要はありません。個別テストは3科目均等という構造ですが、構造が同じでも求められる到達度は大学によって変わります。二次比率が1対0.7と低いことも、難問に時間を割く優先順位を下げる理由になります。

Q5. 地域枠にはどんな条件がありますか?

A. 5種類ある地域枠すべてに「本学医学部医学科が課す大学入学共通テストの合計得点が70%未満の場合は、合格の対象としない」という条件が設定されています。共通テスト1,000点のうち700点が絶対条件です。さらに小論文または面接が0点の場合も合格の対象になりません。卒業後は枠に応じて5年間または9年間の勤務義務が伴います。

Q6. 富山県以外の高校からでも地域枠に出願できますか?

A. できる枠があります。学校推薦型選抜Ⅱの「富山大学地域枠(隣接県出身者対象)」は、石川県・岐阜県・新潟県・長野県の高校等を卒業見込みの人が対象で、募集人員は2人です。また総合型選抜Ⅱの「新潟県特別枠」は新潟県内の高校等が対象で、2人(予定)の募集になります。いずれも卒業後の勤務義務が伴うので、条件を確認してから判断してください。

Q7. 後期日程はありますか?

A. ありません。要項の一般選抜(後期日程)の欄に「医学部医学科は実施しない」と明記されています。医学科以外の学部・学科では後期日程が実施されますが、医学科は対象外です。同じ医学部の看護学科には後期日程が10人分設定されており、医学科だけが前期のみという扱いです。後期に富山を含めた受験計画を組んでいる場合は、早い段階で組み直してください。

Q8. 面接に配点はありますか?

A. あります。個別テストのなかで100点が配分されており、総合1,700点の5.9%を占めます。要項には「思考力、協調性、積極性、将来性を評価する」と記載されています。山口大学や大阪公立大学のように点数化しない大学もありますが、富山は配点を持たせています。ただし対策は共通テストが終わってからで間に合います。志望動機と医師を目指す理由を自分の言葉で説明できる状態を作っておいてください。

まとめ

富山大学医学部医学科の配点は、共通テスト1,000点に対して個別テスト700点。比率は1対0.7で、総合1,700点の58.8%が共通テストで決まります。竹内個別が整理してきた17校のなかで4番目に共通テストへ寄った設計です。共通テストで作った得点が、そのまま合否に効いてくる構造だといえます。二次で挽回できる幅は700点にとどまります。

配点の特徴は傾斜がないことです。国語200点・地歴公民100点・理科200点と、共通テストの素点をそのまま使います。他の大学では理科を300点に引き上げるような重みづけが入りますが、富山にはそれがありません。傾斜を意識した組み替えをせず、普通に全教科を仕上げていくという感覚が正しくなります。英語だけは例外で、リーディング160点・リスニング40点という換算が入るため、リスニングの優先順位は下げて構いません。

個別テストは数学・理科・外国語が各200点の均等配点ですが、難問対策は不要です。典型問題を100%取り切ることが到達目標になります。3科目均等という構造は東京科学大学とも共通していますが、求められる到達度は別物です。二次比率が低く挽回できる幅も小さいため、難問に時間を割く優先順位はさらに下がります。面接は100点で、対策は共通テスト後から始めれば間に合います。

そして出願前に必ず確認していただきたいのが、推薦・地域枠の規模です。入学定員107人(予定)のうち一般選抜前期日程は68人で、残り39人は地域枠での募集になります。定員の36.4%という規模です。総合型選抜Ⅱの3枠は卒業後2年以内の既卒者にも開かれており、学校推薦型選抜Ⅱには石川・岐阜・新潟・長野の出身者を対象とする枠もあります。条件に当てはまるなら、検討する価値があります。

ただし地域枠にも共通テスト70%という絶対条件が設定されており、しかも配点上の比重は一般選抜より高くなります。結局のところ、どの入口から入るとしても共通テストの完成度が土台になるということですね。志望校の候補が固まってきたら、必ず入学者選抜要項で配点と出願要件を確認してください。偏差値表には現れない情報が、そこにあります。

著者:竹内個別戦略室 尾崎侑絃(岐阜大学医学部医学科卒業・医師免許保持)
監修:竹内個別塾長 竹内壮志(名古屋大学工学部卒業)

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