数学の参考書ルート|志望校別3ステップで迷わず完走する方法

数学の参考書ルートは「橋渡し問題集→合格問題集→過去問」の3ステップが王道です。気を衒った選び方は必要ありません。この記事では、文系・理系・志望校レベル別に、どの参考書をどの順番で使えばいいかを現役塾講師が具体的に解説します。

「参考書が多すぎて、どれをやればいいかわからない」「ルートを調べるほど情報が増えて余計に迷う」という受験生は非常に多いでしょう。実は、数学の参考書選びで最も大切なのは「何を使うか」ではなく「王道ルートを愚直に完走できるかどうか」です。完走速度が合否を分けるといっても過言ではありません。

竹内個別では、この3ステップカリキュラムをベースに、生徒一人ひとりの志望校・現在の学力・残り時間に合わせてルートをカスタマイズしています。数学偏差値42から62まで伸ばして岐阜大学看護学部に合格しためいさんも、この3ステップで数学の壁を突破した一人です。

この記事を読み終えるころには、あなたの志望校レベルに合った参考書ルートが明確になり、今日から迷わず進められる状態になっているはず。ぜひ最後までお付き合いください。

この記事でわかること

  • 数学の参考書ルートの全体像(3ステップカリキュラム)
  • 志望校レベル別のおすすめルートと参考書の選び方
  • 各ステップの正しい取り組み方(網羅系と合格問題集では勉強法がまったく違う)
  • よくある失敗パターンと、伸び悩みの原因・対策
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数学参考書ルートの全体像|3ステップカリキュラム

数学参考書ルートの全体像

数学の参考書ルートは、次の3ステップで構成されます。料理に例えるなら、STEP1で食材と基本の切り方を覚え、STEP2で実際にレシピを見ながら一品を仕上げ、STEP3で本番の調理試験に挑むようなもの。各ステップの目的と取り組み方はまったく異なるため、混同しないことが重要です。

STEP1:橋渡し問題集(教科書〜入試基礎)

教科書レベルの知識を、入試で使える基礎力に引き上げるステップです。ここでは黄チャートまたは基礎問題精講を使います。

目的は「解法パターンの網羅」。1問5〜10分のペースで効率よく進め、わからなければ解答を読んで理解し、再挑戦するサイクルを回していきます。全範囲を素早く完走することが最優先になります。

このステップで大切なのはスピード感。じっくり1問に30分かけて悩むのではなく、解法を「知っている状態」にすることがゴール。解けない問題にこだわりすぎず、わからなければ答えを見て理解する割り切りが必要です。

STEP1を完走すれば、入試問題を見たときに「あ、これは○○の解法パターンだ」と認識できる状態になります。ここが入試基礎の土台です。

STEP2:合格問題集(入試標準〜難関レベル)

入試本番で合否を分ける問題に対応できる思考力を鍛えるステップです。青チャートまたはフォーカスゴールドを使います。旧帝大を目指す場合は272(新数学スタンダード演習)を、東大・京大・上位国公立医学部を目指す場合は上級問題精講を追加しましょう。

STEP1との最大の違いは「取り組み方」にあります。合格問題集では1問30分が目安。不格好でも構わないので、自分の思いついた解法をいくつか試しながら、こねくり回すことが重要です。

「10分考えてわからなかったら答えを見る」というのは、STEP1(網羅系)だけの話。合格問題集では、試行錯誤の中で「なぜこの解法を思いついたのか」という思考プロセスそのものを鍛えることが目的だからです。この違いを理解していないと、どれだけ問題を解いても「解けるけど初見の問題に弱い」という状態から抜け出せません。

STEP3:過去問演習

志望校の出題傾向に合わせた実戦演習です。本番と同じ制限時間で解き、時間配分や問題の取捨選択を体に染み込ませます。

過去問は「解けたかどうか」だけでなく、「時間内にどの問題から手をつけるか」「部分点をどう稼ぐか」という戦略面も含めたトレーニングの場になります。STEP1・STEP2で鍛えた力を本番仕様に仕上げる最終段階です。

3ステップの全体スケジュールの目安

各ステップにかかる期間は、志望校レベルや1日の学習時間によって変わります。ただし、目安として以下を参考にしてください。

ステップかかる期間の目安毎日の目安
STEP1(黄チャート等)3〜6か月1日10〜15問
STEP2(青チャート等)3〜6か月1日3〜5問
STEP3(過去問)2〜4か月1日1〜2年分

STEP2は1問あたりの時間が長いため、1日の解ける問題数は少なくなります。スケジュールを立てる際は、STEP2に十分な期間を確保することがポイントです。

関連記事:大学受験の勉強法を総まとめ|合格者が実践した科目別・時期別戦略

志望校レベル別の数学参考書ルート

志望校レベル別の参考書ルート

「自分はどのルートを選べばいいのか」を一目で判断できるよう、志望校レベル別にまとめました。ポイントは、気を衒ったことをしないこと。王道を愚直に完走するのが最短距離です。

志望校レベルSTEP1(橋渡し)STEP2(合格)STEP3備考
共通テスト・地方国公立(文系)黄チャート過去問STEP2は不要。黄チャートの完走で十分
MARCH・地方国公立(理系)黄チャート青チャート過去問一対一対応は不要
旧帝大・上位国公立黄チャート青チャート→272過去問272で入試標準〜やや難を強化
東大・京大・上位国公立医学部黄チャート青チャート→上級問題精講過去問赤チャートは不要なケースが多い

ベストルートは「黄チャート→青チャート→272 or 上級問題精講→過去問」

迷ったらこのルートを選んでおけば間違いありません。旧帝大までなら黄チャート→青チャート→272→過去問、東大・京大・上位国公立医学部なら黄チャート→青チャート→上級問題精講→過去問。学校で配られた参考書がチャート式でもフォーカスゴールドでも、やるべきことは同じです。

特別な参考書を使ったから合格できた、という話はほとんど聞きません。合格した受験生に共通しているのは「王道の参考書を最後まで完走した」という事実。参考書選びに悩む時間があるなら、1問でも多く手を動かすほうが合格に近づけるでしょう。

関連記事:チャート式の色別レベルと選び方|正しい使い方を塾講師が解説

文系の参考書ルート(共通テスト・地方国公立)

文系の場合、黄チャートを完走して過去問に入れば十分です。STEP2の合格問題集を挟む必要はないケースがほとんどになります。黄チャートの全範囲をしっかり仕上げることに集中しましょう。

文系数学で高得点を取るために意識すべきことは3つ。

  • 全分野を満遍なく仕上げること:苦手分野を放置すると、その分野が出題されたとき一気に崩れる
  • 計算ミスを減らす訓練:文系数学は基本問題の正答率で差がつく
  • 共通テスト形式への慣れ:時間配分と出題形式に特化した演習が必要

ただし、文系でも難関国公立(一橋大学など)を目指す場合は、青チャートまで取り組むことをおすすめします。一橋の数学は文系としては非常にレベルが高く、黄チャートだけでは対応しきれない問題が出題されるからです。

理系の参考書ルート(MARCH・地方国公立〜旧帝大)

理系でMARCHや地方国公立を目指すなら、黄チャート→青チャート→過去問で十分合格できます。「一対一対応の演習をやったほうがいい」という声もありますが、一対一対応は解説が難しく「本番で思いつかないでしょ」という解法が多いため、強い要望がない限り推奨していません。

旧帝大を狙う場合は、青チャートの後に272を追加します。東大・京大・上位国公立医学部を目指す場合は272では足りないため、上級問題精講まで仕上げることを推奨します。赤チャートまで手を出す必要はありません。

理系ルートで特に注意すべきなのは、数学IA・IIB・IIIの3科目すべてを完走しなければならない点です。文系より学習範囲が広いため、スケジュール管理が合否を左右します。

数学IIIは現役生の最大の壁

理系受験生にとって、数学IIIは最も時間がかかる分野です。現役生は学校の授業進度の関係で、数学IIIの演習量が足りないまま受験を迎えるケースが少なくありません。

学校によっては高3の秋まで数学IIIの範囲が終わらないこともあります。そうなると、STEP2の演習に入る時間がほとんど残らず、入試本番で数学IIIの問題に手も足も出ないという状況に陥りかねません。

逆に言えば、浪人生はここを完走するだけで現役生に大きな差をつけられます。数学IIIの完走を最優先にスケジュールを組むことが、理系受験生にとっての最重要戦略のひとつです。

関連記事:大学受験 数学参考書おすすめと選び方

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STEP1:橋渡し問題集の選び方と使い方

STEP1で使う参考書は、黄チャート基礎問題精講のどちらかです。学校で配られたものがあれば、それをそのまま使えば問題ありません。新たに購入する必要はないでしょう。

黄チャートと基礎問題精講の違い

項目黄チャート基礎問題精講
問題数約800題(網羅性が高い)約300題(厳選型)
向いている人時間に余裕がある人・網羅的に固めたい人時間がない人・要点を効率よく押さえたい人
解説の特徴丁寧で段階的コンパクトで要点重視
完走の目安期間4〜6か月2〜3か月

どちらを選んでも到達点は変わりません。大切なのは「どちらかを選んで完走すること」。両方に手を出して中途半端になるのが最も非効率な選択です。

竹内個別では、基本的に黄チャートを推奨しています。網羅性が高く、STEP2への接続がスムーズだからです。ただし、部活引退が遅くて時間が限られている場合や、高3から本格的に受験勉強を始める場合は、基礎問題精講の方が適しているケースもあります。

STEP1の取り組み方(効率重視)

STEP1は「解法パターンを知る」ためのステップ。以下のサイクルを回してください。

  1. 問題を読んで5分以内に方針を考える
  2. 方針が浮かばなければ、解答を読んで理解する
  3. 解答を閉じて自力で解き直す
  4. 解けたら次の問題へ。解けなければもう一度解答を確認して再挑戦
  5. 1周目で解けなかった問題に印をつけ、2周目でそこだけ解き直す

1問あたり5〜10分が目安です。ここで30分以上悩んでも、基礎段階では効率が悪くなるだけ。「わからなければ答えを見て理解する→再挑戦する」を繰り返し、全範囲を素早く完走することが最優先になります。

「完走」の基準

STEP1の完走とは、「すべての問題を見て、3分以内に解法の方針が立てられる状態」を指します。暗算で解ける必要はありませんが、「この問題はこうやって解く」と即座に判断できるレベルまで仕上げましょう。

STEP2:合格問題集の選び方と使い方

STEP別の取り組み方の違い

STEP2では、入試本番で合否を分ける「思考力」を鍛えます。ここでの取り組み方がSTEP1とまったく異なる点を、しっかり理解してから進んでください。

合格問題集の選択肢

参考書レベル向いている人
青チャート入試標準MARCH・地方国公立〜旧帝大
フォーカスゴールド入試標準学校で配られている人
272(新数学スタンダード演習)入試標準〜やや難旧帝大・上位国公立
上級問題精講入試難関東大・京大・上位国公立医学部

青チャートとフォーカスゴールドはレベルがほぼ同じです。学校で配られたものを使えば十分。わざわざ買い替える必要はありません。

272は青チャートの後に取り組む問題集です。旧帝大レベルの志望校であれば、青チャートだけでは演習量が不足する可能性があるため、272で入試標準〜やや難レベルの問題に対応できる力を養います。ただし東大・京大・上位国公立医学部を目指す場合は272では足りないため、上級問題精講を推奨します。

STEP2の取り組み方(1問30分こねくり回す)

STEP2の勉強法は、STEP1と根本的に異なります。1問30分が目安。不格好でもいいので、自分の思いついた解法をいくつか試しながらこねくり回してください。

STEP1では「10分考えてわからなかったら答えを見る」でしたが、STEP2ではその方法は通用しません。合格問題集での目的は「正解にたどり着くこと」ではなく、「試行錯誤の中で思考プロセスを鍛えること」だからです。

具体的な取り組み方は次のとおり。

  1. 問題を読んで、使えそうな解法をすべて書き出す
  2. 最も有力だと思う方法から順に試す
  3. 行き詰まったら別のアプローチに切り替える
  4. 30分粘っても解けなければ解答を確認する
  5. 解答を見たら「なぜその解法を思いつけるのか」を分析する

5番目のステップが最も重要です。解答を読むだけでなく、「どの条件を見てこの解法を選んだのか」「自分はなぜそこに気づけなかったのか」まで掘り下げます。この振り返りをしなければ、何周解いても初見の問題に対応できる力は身につかないでしょう。

STEP1とSTEP2の取り組み方の違い

多くの受験生がつまずくのが、STEP1とSTEP2で取り組み方を切り替えられないことです。

項目STEP1(網羅系)STEP2(合格問題集)
1問あたりの時間5〜10分30分
わからないときすぐ解答を見てOK30分は粘る
重視すること解法を「知る」こと思考プロセスを「鍛える」こと
目的全範囲の完走入試で使える思考力の養成

STEP1の感覚のままSTEP2に入ると、「10分考えてわからないから答えを見る」を繰り返してしまいます。しかしそれでは、自力で解法を選び出す力がいつまでも育ちません。

「裏の思考回路」を身につける

裏の思考回路3ステップメソッド

竹内個別では、この「なぜその解き方を思いついたのか」を徹底指導しています。私たちはこれを「裏の思考回路」メソッドと呼んでいます。

解法を覚えるだけでは、少し問題が変わっただけで手が止まってしまうもの。大切なのは、解法の裏にある思考回路、つまり「この条件を見たら、こう考える」という判断基準を自分のものにすることです。

STEP3:過去問演習のやり方

STEP1・STEP2で鍛えた力を、志望校の出題形式に合わせて仕上げる最終段階です。過去問演習は単なる「力試し」ではなく、本番で最大限の得点を取るための「戦略訓練」として位置づけてください。

過去問の取り組み方

過去問演習で守るべきルールは3つ。

  1. 本番と同じ制限時間で解く:時間無制限で解いても実戦力は身につかない。時間を計って解くことで、本番のプレッシャーを疑似体験できる
  2. 解いた後に「時間配分の振り返り」をする:どの問題に何分使ったかを記録し、次回の作戦を練る。「この大問に時間をかけすぎた」「この問題は捨てるべきだった」という判断力が磨かれる
  3. 解けなかった問題はSTEP2に戻って該当分野を補強する:弱点の特定→補強→再挑戦のサイクルを回す。過去問で見つかった穴を放置しない

過去問の復習で意識すべきこと

過去問を解いた後の復習では、次の3点を意識します。

  • 正解した問題:解法選択の根拠を言語化できるか確認する。偶然正解しただけの問題は「解けた」に含めない
  • 不正解だった問題:STEP2で学んだ解法のどれを使うべきだったかを特定し、その分野の復習に戻る
  • 手をつけなかった問題:本番で捨てる判断が正しかったか検証する。配点と難度から「捨てるべき問題」の基準を明確にする

過去問を始める時期の目安

STEP1・STEP2の完走時期によって変わりますが、目安は以下のとおりです。

志望校レベル過去問開始の目安解くべき年数
共通テスト・地方国公立(文系)高3の9月〜5〜10年分
MARCH・地方国公立(理系)高3の9月〜10月5〜10年分
旧帝大・上位国公立高3の8月〜9月10年分以上
東大・京大・医学部高3の夏〜10〜15年分

共通テストと二次試験の過去問は分けて対策する

国公立志望の場合、共通テストと二次試験の両方の過去問が必要です。この2つは出題形式がまったく異なるため、対策を分けて考えてください。

共通テストは時間との勝負。問題文が長く、情報を素早く読み取って処理する力が求められます。一方、二次試験は記述力が勝負。途中式や論理展開を採点者に伝わるように書く訓練が必要になります。

共通テスト対策は12月〜1月に集中的に行い、二次試験対策はその前後で取り組むのが一般的なスケジュール。ただし、共通テストの配点比率が高い大学を受ける場合は、もう少し早い時期から対策を始めることを検討しましょう。

過去問ノートの作り方

過去問を解いたら、復習の記録を「過去問ノート」として残すことをおすすめします。具体的には、次の項目を記録してください。

  • 年度・大問番号・分野
  • 自分の解法と正解の解法の差分
  • 間違えた原因(計算ミス、解法の選択ミス、知識不足など)
  • 次回同じタイプの問題が出たときの対処方針

このノートを蓄積していくと、自分の弱点パターンが可視化されます。「微分の最大最小問題で場合分けを忘れがち」「確率漸化式の立式でつまずく」といった具体的な課題が浮かび上がるでしょう。弱点が明確になれば、STEP2に戻って該当分野をピンポイントで補強できます。

関連記事:勉強計画の立て方|入試日から逆算する5ステップで合格をつかむ方法

よくある失敗パターンと対策

数学参考書ルートでよくある失敗

数学の参考書ルートで伸び悩む受験生には、共通するパターンがあります。ここでは代表的な5つの失敗と、その対策を紹介します。

失敗1:参考書を何冊も買い替える

「この参考書は自分に合わない」と感じて次々に乗り換えてしまうケースです。しかし、黄チャートでも基礎問題精講でもフォーカスゴールドでも、やるべきことは本質的に同じ。1冊を完走する前に別の参考書に手を出すと、どの分野も中途半端なまま時間だけが過ぎていきます。

登山に例えると、山頂を目指して登り始めたのに「こっちの道の方がよさそう」と途中で引き返し、別のルートを登り直しているようなもの。どの道を選んでも山頂は同じです。

対策:学校で配られたもの、または今手元にあるものを最後までやり切ると決める。

失敗2:「何周もしたのに伸びない」

何周も繰り返しているのに模試の点数が上がらない。この原因の多くは「解説の丸暗記」や「パターン暗記」です。解法の手順だけを覚えて、「なぜその解法を使うのか」を考えていないため、少し問題の形が変わるだけで対応できなくなります。

丸暗記型の学習では、見たことのある問題は解けても、初見の問題にはまったく歯が立たないという状態に陥りがち。これは入試本番で最も怖いパターンです。

対策:解答を見るときに「なぜこの解法を選んだのか」を必ず分析する。解法の裏にある判断基準を言語化する癖をつける。

失敗3:STEP1の段階で30分悩んでしまう

網羅系の問題集で長時間悩むのは非効率です。STEP1の目的は「解法パターンを知ること」であり、「自力で解くこと」ではありません。わからなければ5〜10分で切り上げて解答を読む。この割り切りができるかどうかが完走速度を左右します。

逆に、STEP2では30分悩むことが正しい取り組み方。フェーズごとに学習の目的が異なることを理解しておくことが大切です。

対策:STEP1は「知る」フェーズ。STEP2は「考える」フェーズ。取り組み方を明確に切り替える。

失敗4:一対一対応の演習に手を出して挫折

一対一対応は解説が難しく、「本番で思いつかない」解法が多い参考書です。数学が得意な人には刺激になりますが、大多数の受験生にとっては青チャートや272の方が実戦的。強い要望がない限り、無理に手を出す必要はないでしょう。

一対一対応に手を出して挫折し、自信を失ってしまうケースも少なくありません。難しい参考書に挑戦すること自体は悪くありませんが、優先すべきは王道ルートの完走です。

対策:王道ルート(黄チャート→青チャート→272 or 上級問題精講→過去問)を信じて完走する。余裕があれば検討する程度で十分。

失敗5:数学IIIを後回しにする

理系受験生にありがちなのが、数学IIIの学習を後回しにしてしまうパターンです。学校の授業進度が遅いこともあり、気づいたときには演習量が圧倒的に不足している状態に陥ります。

数学IIIは微分・積分を中心に計算量が多く、STEP2の演習にも時間がかかる分野。後回しにすると、入試直前まで基礎が固まらないまま本番を迎えるリスクが高まります。

対策:数学IIIの先取り学習を早い段階から計画に組み込む。学校の進度に頼らず、自分で先に全範囲を把握してしまうことが理想です。

関連記事:高校生の勉強時間は何時間が正解?学年別の目安と増やす方法

数学の参考書ルートと他教科のバランス

数学の参考書ルートだけに集中しすぎて、他教科が手薄になるケースも見逃せません。特に理系受験生は、数学・化学・物理・英語を並行して進める必要があるため、科目間のバランスが合否を大きく左右します。

理系受験生の科目別優先順位

理系受験生の場合、以下の順番で学習を進めることを推奨しています。

  • 英語:単語→文法→解釈→長文の順で、高3夏までに受験で戦えるレベルに仕上げる
  • 数学:黄チャート→青チャート→272(旧帝大)or 上級問題精講(東大京大医学部)→過去問の3ステップを並行して進める
  • 化学:セミナー→Doシリーズ→重要問題集→新研究のミルフィーユ方式で層を重ねる
  • 物理:力学を最優先で固め、波動・電磁気へ展開する

英語は積み上げ型の科目で、短期間では伸びにくい性質があります。数学のルートを進めながら、英語の基礎固めも同時に走らせることが大切です。高3夏以降は理科と数学の演習量が急増するため、英語に使える時間は大幅に減ると考えてください。

文系受験生の場合

文系の場合、数学は黄チャート完走で十分なケースが多いため、英語や国語に時間を割く余裕が生まれます。ただし、共通テストの数学は形式慣れが必要なので、過去問演習の時間は確実に確保しておきましょう。

数学の参考書ルートを最短で完走するために重要なのは、全科目を俯瞰したスケジュール設計です。数学だけに偏ると、他教科が足を引っ張って総合点が伸びないという事態になりかねません。

関連記事:化学の参考書ロードマップ|理論・有機・無機を最短で仕上げるルートと順番

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FAQ

Q1. 数学の参考書ルートで最もおすすめの組み合わせは?

A. 旧帝大までなら黄チャート→青チャート→272→過去問、東大・京大・上位国公立医学部なら黄チャート→青チャート→上級問題精講→過去問がベストルートです。学校で配られたものがチャート式でもフォーカスゴールドでも、到達点は変わりません。大切なのは「どの参考書を使うか」ではなく「王道を愚直に完走できるか」です。

Q2. 文系でも青チャートは必要ですか?

A. 共通テストや地方国公立が志望校なら、黄チャート→過去問で十分です。ただし、一橋大学など難関国公立を目指す場合は、青チャートまで取り組むことを推奨します。志望校の過去問レベルを確認してから判断してください。

Q3. 一対一対応の演習はやるべきですか?

A. 強い要望がない限り推奨していません。一対一対応は解説が難しく、「本番で思いつかない」解法が多い参考書です。青チャートや272の方が実戦的で、同じ学習時間でより高い効果が期待できるでしょう。

Q4. 赤チャートは東大・京大志望なら必要ですか?

A. 不要です。東大・京大・上位国公立医学部であっても、赤チャートは必要ありません。旧帝大なら青チャート→272→過去問、東大・京大・医学部なら青チャート→上級問題精講→過去問のルートで対応できます。

Q5. 黄チャートはどのくらいの期間で終わらせるべきですか?

A. 目安は3〜6か月です。1問5〜10分のペースで効率重視に進めれば、毎日10問ずつ取り組んで約3か月で完走可能。ただし個人の現在地や学習時間によって変わるため、入試日から逆算してスケジュールを組むことが重要になります。

Q6. 学校でフォーカスゴールドを配られました。青チャートに買い替えるべきですか?

A. 買い替える必要はありません。フォーカスゴールドと青チャートはレベルがほぼ同じです。学校で配られたものをそのまま使えばよいでしょう。わざわざ買い替えて使い方を一から覚える時間がもったいないからです。

Q7. 何周しても数学の成績が伸びません。原因は何ですか?

A. 最も多い原因は「解説の丸暗記」「パターン暗記」です。解法の手順だけを覚えて、「なぜその解法を使うのか」を理解していないと、問題の形が少し変わっただけで対応できなくなります。解答を見るときに「なぜこの方法を選んだのか」を分析する習慣をつけてください。

Q8. 数学IIIはいつから始めるべきですか?

A. 理系なら高2の冬〜高3の春には着手すべきです。学校の授業で数学IIIが終わるのを待っていると、演習量が圧倒的に不足します。先取り学習で早めに全範囲を把握し、STEP2の演習に十分な時間を確保することが合格の鍵になります。

Q9. オーダーメイドのカリキュラムは必要ですか?

A. 一般的なロードマップだけでは無駄が多くなるケースがあります。志望校・現在の学力・残り時間・得意不得意は一人ひとり異なるため、あなたの状況に合わせたオーダーメイドのカリキュラムを組むことで、最短距離で合格に近づけます。竹内個別の実績者対談でも、個別カリキュラムが合格の決め手になった事例を多数紹介しています。

まとめ

数学の参考書ルートで押さえるべきポイントを振り返ります。

  • 数学の参考書ルートは「橋渡し問題集→合格問題集→過去問」の3ステップが王道
  • ベストルートは黄チャート→青チャート→272(旧帝大)or 上級問題精講(東大京大医学部)→過去問。気を衒わないことが大切
  • STEP1(網羅系)は1問5〜10分で効率重視、STEP2(合格問題集)は1問30分でこねくり回す
  • 志望校レベルに合わせてSTEP2の有無や参考書を選択する
  • 「何周もしたのに伸びない」の原因はパターン暗記。解法の裏にある思考回路を理解する
  • 完走速度が合否を分ける。1冊を最後までやり切ることが最優先

ここまで、数学の参考書ルートと各ステップの取り組み方を解説しました。しかし、「自分の場合はどこからスタートすべきか」「今の学力でこのルートは現実的か」は、志望校と現在地によって一人ひとり変わってきます。

竹内個別では、あなたの志望校・現在の偏差値・残り時間に合わせた数学の参考書ルートと完走スケジュールを個別に設計しています。「なぜその解き方を思いついたのか」を徹底指導する「裏の思考回路」メソッドで、パターン暗記では超えられなかった壁を突破してみませんか。

数学「裏の思考回路」コース 参考書ロードマップを無料で受け取る

著者: 竹内個別戦略室 尾崎侑絃(岐阜大学医学部医学科卒業・医師免許保持)

監修: 竹内個別塾長 竹内壮志(名古屋大学工学部卒業)

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