英語の長文が読めない原因5つと読めるようになる勉強法|WPM150を目指す全手順

英語の長文が読めないのは、あなたの能力の問題ではなく「学習の順番」の問題です。共通テストで時間が足りない、模試の長文で何を言っているかわからない、英検のリーディングが全然終わらない。こうした悩みの大半は、長文に取り組む前の「土台」が不足しているために起きています。

竹内個別では、多くの生徒が「いきなり長文に挑戦して撃沈する」パターンで入塾してきます。しかし、英文解釈の勉強をたった1ヶ月挟むだけで長文が読めるようになるケースが非常に多いのが現実です。この記事では、英語長文が読めない原因を5つに分類し、WPM(1分あたりに読める語数)150以上で読めるようになるための具体的なステップを解説します。

この記事でわかること

  • 英語の長文が読めない5つの原因と、自分がどこでつまずいているかの診断法
  • 「英文解釈を1ヶ月挟む」だけで長文が読めるようになる理由
  • 単語・文法・解釈は3ヶ月一気に仕上げ、長文は毎日コツコツ進める二段階メソッド
  • 共通テストや英検で時間切れにならないためのWPM150の鍛え方

英語の長文が読めない原因5つ|まず自分のつまずきを特定しよう

英語の長文が読めない原因5つの図解

英語の長文が読めない原因は、大きく分けて5つに分類できます。自分がどこに当てはまるかを把握することが、最短で克服するための第一歩です。以下のチェックリストで、自分の弱点を確認してみてください。

  • 長文中に知らない単語が多すぎて意味が取れない → 原因1
  • 単語はわかるのに文の意味がわからない → 原因2原因3
  • ゆっくり読めば理解できるが時間が足りない → 原因4
  • 何回読んでも内容が頭に入ってこない → 原因5

原因1:単語力が足りない

長文を読んでいて「この単語の意味がわからない」が連続するなら、まず単語力が不足しています。長文中で知らない単語が1文に2つ以上出てくる状態では、文脈から意味を推測することすら困難になるでしょう。

英語の長文は、知っている単語が95%以上ないとスムーズに読めないとされています。共通テストレベルであればシステム英単語やターゲット1900に収録されている約2,000語が最低ラインの目安です。難関大学を目指すなら、さらに上のレベルの単語帳を1冊追加して4,000〜5,000語レベルまでカバーする必要があります。

ここで重要なのは「知っている」のレベルです。竹内個別では、英単語は「1秒で意味が出る反射レベル」まで仕上げることを基準にしています。「うーん、たしかこの単語は...」と3秒考えてやっと思い出せる状態では、長文を読むスピードについていけません。友達の顔を見て一瞬で名前が浮かぶのと同じように、英単語を見た瞬間に日本語の意味が飛び出す状態を目指してください。

偏差値49から英検2級に合格したHitomiさんも、まず単語の反射レベルを徹底的に鍛えるところからスタートしました。竹内個別の「2週間で300単語」テンプレートを使い、毎日の高速暗記を繰り返すことで、長文を読む土台を作っていきました。

▶ 関連記事:英単語の覚え方|1秒で思い出せる「反射レベル」に仕上げる暗記法【高校生向け】

原因2:英文法の理解が不十分

単語はわかるのに長文が読めない場合、英文法の理解が足りていない可能性が高いでしょう。特に関係代名詞・分詞構文・仮定法・倒置といった複雑な文法事項が絡むと、一文の意味がまったく取れなくなります。

文法力の不足は、共通テストで特に致命的な問題になります。以前のセンター試験と比べて文章量が大幅に増加しているため、文法の理解が曖昧なまま読み進めると、一文ごとに立ち止まって考え込み、時間を大量に消費してしまうからです。

たとえば、以下のような文に出くわしたとき、スムーズに意味が取れるでしょうか。

"The book which was recommended by the teacher who won the award last year is now available at the library."

この文は関係代名詞が2つ入れ子になっていますが、文法を理解していれば「先生が昨年賞を取った→その先生がすすめた本→その本が図書館にある」と前から順番に処理できます。文法は「知っている」だけでなく「長文の中で瞬時に見抜ける」レベルまで仕上げることが必要です。

英語偏差値36から60まで伸ばして岐阜大看護学部に合格した生徒は、入塾当初は関係代名詞すら正確に処理できない状態でした。しかし文法の基礎を徹底してから英文解釈に進んだことで、長文中の複雑な文もスムーズに読めるようになっていきました。

▶ 関連記事:英文法参考書おすすめ6選|大学受験で失敗しない選び方

原因3:英文解釈の勉強をしていない(最も見落とされがちな原因)

これが最も見落とされがちな原因であり、竹内個別で最も多くの生徒が当てはまるパターンです。単語も覚えた、文法の問題も解ける。なのに長文になると読めない。こうした生徒に共通しているのが「英文解釈をやっていない」ということです。

英文解釈とは、長文を構成する「一文一文を正確に読み解く」ための勉強です。文法の知識を使って、実際の英文のSVOC(主語・動詞・目的語・補語)を特定し、修飾関係を見抜き、省略や倒置を処理する練習を行います。単語と文法を学んだだけでは、実際の長文に出てくる複雑な一文を正確に訳すことはまだできません。

これは、料理に例えるとわかりやすいでしょう。単語は「食材」、文法は「調理器具の使い方」、英文解釈は「レシピの読み方」に相当します。食材と調理器具を揃えても、レシピが読めなければ料理は完成しません。同様に、単語と文法を覚えても英文解釈を学ばなければ、長文の一文一文を正確に読み解くことはできないのです。

英文解釈の最大のメリットは、長文を読む上で「本当に重要な構文」だけに学習時間を集中させられるコスパの良さにあります。長文問題集を10冊解くよりも、英文解釈の参考書を1冊仕上げる方が、読解力の伸びは大きいケースが少なくありません。多くの高校生がいきなり長文読解の問題集に飛びつきますが、英文解釈を1ヶ月挟むだけで長文の読み方が劇的に変わります。

原因4:返り読みの癖がついている

英語の語順のまま前から読めず、文末から日本語に訳し上げてしまう「返り読み」は、読解スピードを大幅に落とす最大の原因のひとつです。学校の授業で「英文を日本語に訳しなさい」という指示を受けて育った結果、英文を見ると無意識に後ろから訳し上げる癖がついてしまっている高校生は非常に多いといえます。

日本語と英語では語順が根本的に異なります。日本語は「主語→目的語→動詞」ですが、英語は「主語→動詞→目的語」です。英文を自然な日本語にしようとすると、文末の動詞から訳し上げることになり、これが返り読みの原因になります。しかし長文読解では「きれいな日本語に訳す」必要はありません。英語の語順のまま前から意味を取っていく読み方を身につけることが重要です。

返り読みをしていると、同じ文を2回も3回も目で追うことになり、単純計算で読む速度が半分以下に落ちます。共通テストのリーディングは約6,000語の英文を80分で読んで解かなければなりません。返り読みの癖がある状態では、物理的に時間が足りなくなるのは当然でしょう。

返り読みをしているかどうかは、自分では気づきにくいものです。以下のセルフチェックで確認してみてください。

  • 英文を読むとき、目が文の後ろから前に何度も行ったり来たりする
  • 日本語の語順に並べ替えてから意味を理解している
  • 短い文はわかるのに、3行以上の文になると途端に読めなくなる
  • リスニングは意外と聞き取れるのに、リーディングが極端に遅い

1つでも当てはまるなら、返り読みの癖がついている可能性が高いです。返り読みを直すには、英文を「前から意味のかたまり(チャンク)ごとに理解する」トレーニングが有効です。これは後述する「精読」と「多読」で自然に身につきます。

原因5:読む量が圧倒的に少ない

原因1〜4を克服しても、実際に長文を読む練習量が少なければ、本番で安定した読解力を発揮することはできません。英語の長文読解は「スポーツ」に近い性質を持っています。理論を学んだだけでは上達せず、実際に目を動かして英文を処理する反復練習が欠かせないのです。

共通テストや英検で安定して得点するには、WPM(Words Per Minute=1分あたりに読める語数)が150以上必要です。WPM150というのは、ネイティブの日常会話のスピード(WPM150〜180程度)に近い速度で英文を処理できる状態を意味します。多くの高校生のWPMは80〜120程度にとどまっています。WPM100だと共通テストの英文6,000語を読むだけで60分かかる計算になり、設問を解く時間がほとんど残りません。ここから150まで引き上げるには、正しい方法で相応の読み込み量を積み重ねる必要があります。

WPM150に到達するには、精読で「正確に読む力」を身につけた後、多読で「速く読む力」を鍛える二段階のトレーニングが不可欠です。この二段階を正しい順番で進められるかどうかが、長文を「読める人」と「読めない人」を分ける最大のポイントといえるでしょう。

英語長文が読めるようになる4ステップ|竹内個別の指導メソッド

英語長文が読めるようになる4ステップの図解

英語の長文が読めるようになるには「正しい順番」で学習を積み上げることが何より重要です。竹内個別では以下の4ステップを推奨しており、この順番を守ることで最短距離で長文読解力を身につけられます。

ポイントは、ステップ1〜3(単語・文法・英文解釈)は3ヶ月で一気に駆け抜けること。そしてステップ4(精読・多読)に入ったら、毎日コツコツ続けること。基礎固めと実践トレーニングでは、最適な学習ペースがまったく異なるからです。

ステップ1:英単語を反射レベルまで仕上げる(目安:2〜3ヶ月)

英単語は「見た瞬間に意味が出る」状態を目指します。1秒考えてやっと意味が出るレベルでは、長文のスピードについていけません。

具体的な方法は、1回に大量の単語をざっと確認して「思い出す回数」を増やすことです。1日10個を完璧に覚えるより、1日100個をざっと見て翌日また100個を確認する方が、脳の記憶定着のしくみに合っています。脳の海馬はインプット(情報を入れる)は得意ですが、アウトプット(情報を出す)は苦手な器官です。だから「思い出す回数」を増やすことが暗記の最短ルートになります。

竹内個別では「2週間で300単語」のテンプレートを生徒に配布し、科学的根拠に基づいた暗記スケジュールで進めています。文法もの例え話を借りれば、出川イングリッシュのように文法がめちゃくちゃでも単語さえわかればコミュニケーションは取れます。逆に単語がわからなければ、文法が完璧でも長文の意味は理解できません。それだけ単語は英語学習の最も基本的な土台です。

この段階は文法の学習と並行して進められます。単語と文法は同時に2〜3ヶ月で一気に仕上げるのがポイントです。

ステップ2:英文法を「長文で使える」レベルにする(目安:2〜3ヶ月・単語と並行)

文法は「問題が解ける」だけでなく「長文の中で構造を瞬時に見抜ける」レベルを目標にします。文法の参考書で正答率90%を超えていても、長文中の関係代名詞節がどこからどこまでかわからないなら、まだ長文読解には使えていない状態です。

文法学習のゴールは「問題を解くための文法」ではなく「英文を読むための文法」です。この違いを意識するだけで、文法の勉強の仕方が大きく変わります。たとえば分詞構文を学ぶときに「正答を選ぶパターン」ではなく「長文の中で分詞構文を見つけて意味を取る」練習を意識してください。

おすすめの参考書はEvergreenやNext Stage、Vintageですが、どの参考書を使うかよりも「文法知識を長文読解に転用できているか」を常に自問することが大切です。文法書の例文を読んだあと、同じ文法事項が使われている長文を探して実際に読んでみる。この「文法→実践」のサイクルを回すことで、文法が長文読解の武器になります。

ステップ3:英文解釈で「一文を正確に読む力」を身につける(目安:1ヶ月)

ここが竹内個別の指導で最も重視しているステップであり、多くの生徒にとって「長文が急に読めるようになる」転換点になります。

英文解釈がコスパの良い勉強法であるといえる理由は明確です。長文問題集を解くと、1つの長文で30〜50文を読むことになりますが、そのうち構文的に難しい文は3〜5文程度。残りは基礎的な文法で読める文です。しかし長文問題集では、その3〜5文のためだけに残り45文も読まなければなりません。

英文解釈の参考書は、その「本当に重要な構文」だけを集めて効率的に学べるように設計されています。1冊70〜100の例文を集中的に分析するだけで、長文に出てくるほぼすべての構文パターンをカバーできます。1ヶ月あれば十分に仕上がるでしょう。

おすすめの参考書と使い方は以下のとおりです。

  • 入門英文解釈の技術70(桐原書店):偏差値50未満の場合はここから。1文ずつSVOCを書き込みながら精読する
  • 基礎英文解釈の技術100(桐原書店):偏差値50〜60の場合。共通テスト〜MARCH対策に最適
  • 英文解釈の技術100(桐原書店):偏差値60以上。旧帝大や早慶を目指す場合

いずれの参考書も、1周目は1文ずつ自力でSVOCを振ってから解説を確認する方法で進めてください。2周目以降はスピードを上げて、構文が瞬時に見抜けるかを確認します。2〜3周すれば、長文の読み方が明らかに変わるのを実感できるはずです。

英語の偏差値を14.2ポイント上げて東京都市大に合格した生徒も、英文解釈の段階で「長文が急に読めるようになった」と話しています。Hitomiさんも単語→文法→解釈→長文の順で学習を進めた結果、長文で詰まることがなくなりました。

▶ 関連記事:大学受験英語の勉強法と正しい順番|4ステップ完全ガイド

ステップ4:精読と多読で「速く正確に読む力」を鍛える(毎日コツコツ)

ステップ1〜3は3ヶ月で一気に仕上げるのが理想です。そしてステップ4の精読と多読の段階に入ったら、ここからは毎日コツコツ続けることが重要になります。

英語は、基礎固め(単語・文法・解釈)と実践トレーニング(長文の精読・多読)で求められる学習スタイルが根本的に異なります。基礎固めは短期集中で一気に駆け抜ける方が定着率が高く、実践トレーニングは毎日少しずつ積み重ねる方が力がつきます。部活動でいえば、基礎体力づくりは合宿で追い込んで鍛え、技術練習は毎日の通常練習で磨いていくのと同じ考え方です。

まずは精読、その後に多読|正しい順番と具体的なやり方

精読と多読の正しい順番の図解

長文を読む練習には「精読」と「多読」の2種類があります。必ず精読から始めてください。精読を飛ばして多読に進むのは、基礎練習をせずに試合に出るようなものです。

精読とは:一文一文を正確に読み解く練習

精読は、英文の構造(SVOC)を意識しながら、一文一文を丁寧に読み解く練習です。速度は気にせず「正確さ」だけに集中します。英文解釈で学んだ知識を、実際の長文で使いこなすためのトレーニングだと考えてください。

精読の具体的な手順は以下のとおりです。

  1. 英文を1文ずつ読み、SVOCを書き込む
  2. 修飾関係・省略・倒置などの構造を確認する
  3. 自分の訳と模範訳を比較し、ズレがあれば原因を分析する
  4. 構造がわかった状態でもう一度英文を前から読み直す
  5. 仕上げに音読を3〜5回行う(返り読み防止に非常に効果的)

精読の段階では、1日1〜2長文が適切な分量です。「たくさん読む」よりも「1つの長文を徹底的に分析する」方が力がつきます。解いた問題を「使い切る」意識を持つことが重要です。

精読に使う教材は、自分のレベルより少し難しいものを選びましょう。あまりに簡単だと構文の練習にならず、難しすぎると1文の分析に時間がかかりすぎて非効率になります。共通テストレベルを目指すなら「やっておきたい英語長文300」、MARCH以上なら「やっておきたい英語長文500」がちょうどよい負荷です。

精読で特に注意すべきポイントは「わかったつもり」を防ぐことです。なんとなく意味がわかった気がする文でも、SVOCを書き込んでみると実は構造を誤解していたというケースは頻繁にあります。「読めた」の基準は「和訳ができた」ではなく「文構造を正確に説明できる」レベルです。このレベルまで精読を徹底すれば、多読に移行したときに読解スピードが飛躍的に伸びます。

多読とは:大量の英文を速く読むトレーニング

精読で「正確に読む力」が身についたら、次に多読で「速く読む力」を鍛えます。多読の最大のポイントは、辞書を引かずに読み続けることです。わからない単語があっても立ち止まらず、文脈から意味を推測しながら読み進めます。

多読を始める目安と進め方は以下のとおりです。

  • 自分にとって「やや簡単」なレベルの英文を選ぶ(知らない単語が5%以下の教材)
  • 1日最低15〜20分は英文を読む時間を確保する
  • わからない単語は飛ばして文脈から推測する
  • WPM(1分あたりの語数)を定期的に測定し、150以上を目標にする
  • 1つの長文を読み終えたら、内容を日本語で30秒以内に要約できるか確認する

多読のおすすめ教材をレベル別に紹介します。

  • 基礎レベル(共通テスト対策):やっておきたい英語長文300、ぐんぐん読める英語長文Basic
  • 標準レベル(MARCH対策):やっておきたい英語長文500、ぐんぐん読める英語長文Standard
  • 発展レベル(旧帝大・早慶対策):やっておきたい英語長文700/1000、ぐんぐん読める英語長文Advanced
  • 英検対策:英検の過去問(自分のレベルより1つ下の級から始めると、辞書なしでスラスラ読める感覚がつかめる)

▶ 関連記事:ぐんぐん読める英語長文のレベルと使い方|Basic・Standard・Advancedを徹底解説

共通テスト・英検で時間切れにならないためのWPM対策

WPMレベル別の対応試験の図解

共通テストのリーディングは約6,000語を80分で処理する必要があります。設問を読んで解答する時間を差し引くと、英文そのものを読むスピードはWPM150以上が必須ラインです。英検2級のリーディングでも同様に、時間配分がシビアに求められます。

「長文が読めない」と感じている高校生の中には、実は「読む力はあるが速度が足りない」だけのケースが少なくありません。WPMを測定してみると、自分の現在地と目標の差が明確になります。

WPMの測り方

WPMの測定は簡単にできます。週に1回、以下の方法で測定して記録をつけましょう。

  1. 長文の総語数を数える(問題集に記載されていることが多い)
  2. その長文を読むのにかかった秒数を計る
  3. 「総語数 ÷ 秒数 × 60」で1分あたりの語数を算出する

例:500語の長文を4分(240秒)で読んだ場合
500 ÷ 240 × 60 = 約125 WPM

WPMの目安は以下のとおりです。

WPMレベル対応できる試験
80〜100英文を日本語に訳しながら読んでいる状態時間的に厳しい
100〜130返り読みが残っている状態英検2級ギリギリ
130〜150前から読めているが、まだ安定しない共通テスト7〜8割
150〜180英語の語順で自然に理解できている状態共通テスト9割以上、英検準1級

WPMを上げるための3つのトレーニング

WPMを上げるには、以下の3つのトレーニングが効果的です。

  1. 音読トレーニング:精読した長文を繰り返し音読する。1つの長文につき最低5回、理想は10回以上。声に出して読むことで、英語の語順のまま前から理解する回路が脳に作られる。音読は返り読みが物理的にできない(声は前にしか進まない)ため、前から読む感覚を強制的に身につける最も効果的な方法。最初はゆっくりでよいので、意味を理解しながら音読することを意識する。慣れてきたら徐々にスピードを上げていく
  2. シャドーイング:音声を聞きながら少し遅れて声に出すトレーニング。リスニング力とリーディング速度の両方が同時に向上する。竹内個別ではシャドーイングの毎日添削を実施し、自己流になりがちな発音やイントネーションを矯正している。シャドーイングは自分ではうまくできているつもりでも、録音して聞き返すと音声とずれていることが多いため、添削を受けることで正確なリズムが身につく
  3. タイムアタック:同じ長文を何度も読み、毎回タイムを計測する。2回目以降は内容を理解した状態で読むため、「英文を前から処理する感覚」が身につく。まずは精読済みの長文で目標WPM150に達するまで繰り返し、次に初見の長文でWPMを測定する。初見でもWPM150を安定して出せるようになれば、共通テストの時間配分は余裕を持てる

学年別の学習スケジュール

学年別の英語長文学習スケジュールの図解

英語の長文読解は、学年によって取り組むべき内容と優先順位が変わります。以下は竹内個別で推奨しているスケジュールの目安です。

高1〜高2前半:基礎固めの時期

この時期にやるべきことは明確です。

  • 英単語を反射レベルまで暗記する(システム英単語 or ターゲット1900)
  • 英文法の基礎を一通り学ぶ(Evergreen + Next Stage or Vintage)
  • 余裕があれば英文解釈に着手する(入門英文解釈の技術70がおすすめ)

英語は先取り学習に最も向いている科目のひとつです。早い時期から始めた分だけ、高3で余裕を持って長文演習に取り組めます。特に理系の場合、高3の夏以降は物理・化学・数学の学習量が急増するため、英語に使える時間は大幅に減ります。高3夏までに「受験で十分戦えるレベル」に英語を仕上げることが理想的です。

高2後半〜高3春:英文解釈と精読の時期

この時期が長文読解力を伸ばすゴールデンタイムです。

  • 英文解釈の参考書を1ヶ月で仕上げる(2〜3周が目安)
  • 精読を毎日1〜2長文のペースで開始する
  • 共通テスト形式の問題で時間を計り始め、WPMを測定する
  • 英検2級を未取得なら、この時期に必ず受験する

高3夏〜入試直前:多読と実戦演習の時期

いよいよここから多読に本格移行します。

  • 多読で読む量を増やし、WPM150以上を安定させる
  • 過去問演習で時間配分と解答テクニックを調整する
  • 英検準1級を持っていない場合は並行して対策する

英検準1級を取得すると、英語の試験が満点扱いになる大学が増えています。文系・国公立を問わず、英検準1級があれば本番で英語を受ける必要がなくなるケースがあり、その分の勉強時間を他科目に回せるメリットは非常に大きいといえるでしょう。竹内個別でも、英検準1級を活用して宮崎大学の英語を満点扱いで突破した生徒がいます。

高3からの巻き返しを狙う場合は、7月までに英文解釈を終わらせ、8月から多読に本格移行するスケジュールが現実的です。夏休みは1日30分以上の多読時間を確保し、9月以降の過去問演習に備えましょう。

▶ 関連記事:高校生の英語勉強法完全ガイド|3ヶ月で偏差値を上げる順番と参考書ルート

よくやってしまうNG勉強法3つ

よくやってしまうNG勉強法3つの図解

最後に、英語の長文読解で多くの受験生がやってしまいがちなNG勉強法を3つ紹介します。心当たりがある場合は、すぐに改善してください。

NG1:いきなり長文問題集に取り組む

単語・文法・英文解釈の土台がないまま長文問題集に飛びつくのは、最も多い失敗パターンです。キャッチボールもできないのに試合に出るようなもので、練習にならないどころか「自分は英語ができない」という誤った思い込みを強化してしまいます。

竹内個別に相談に来る生徒のうち「英語が苦手」と言う生徒の多くが、実はこのパターンに陥っています。「長文問題集をもう3冊以上やったのに全然伸びない」という相談の原因を調べると、ほぼ例外なく英文解釈のステップが抜けていました。英文解釈を1ヶ月挟んだだけで長文が読めるようになるケースが多いのは、才能が目覚めたわけではなく「正しい順番で学んだ」というだけのことなのです。

NG2:長文を読みっぱなしにする(復習しない)

長文を解いて丸つけをして終わり、という学習法では力がつきません。間違えた問題の原因を「単語がわからなかったのか」「構文が取れなかったのか」「文脈の流れを見失ったのか」まで分析し、正しい読み方で音読をするところまでが復習です。

1つの長文を「使い切る」意識を持ちましょう。具体的には、精読→構造分析→音読5回の流れを1つの長文に対して必ず行います。10長文を雑に読みっぱなしにするよりも、3長文を丁寧に復習する方が確実に力がつきます。復習をしない長文演習は、ただの時間の浪費であると言い切ってよいでしょう。

特に「なぜ間違えたのか」の分析が重要です。「単語を知らなかったから」「構文が取れなかったから」「文脈の論理展開を見失ったから」のどれかに分類し、同じミスを繰り返さないための対策を考えてから次の長文に進んでください。

NG3:全文を日本語に訳そうとする

長文を一文ずつ丁寧に日本語に訳していく勉強法は、英文解釈の段階では有効ですが、長文演習の段階では非効率です。長文演習では「英語の語順のまま前から理解する」練習に集中すべきです。

日本語に訳す癖があると、返り読みが強化されてしまいます。英語を日本語に変換してから理解するのではなく、英語のまま内容をイメージする感覚を身につけることが目標です。たとえば "a big red apple" を読んだとき、「大きな赤いリンゴ」と日本語に訳すのではなく、頭の中にリンゴの映像が直接浮かぶ状態が理想です。長文演習では和訳を書くことをやめ、「英文を前から読んで内容がイメージできるかどうか」を基準にしてください。

▶ 関連記事:英語が苦手な高校生へ|苦手な理由5選と偏差値65までの道のり

FAQ

Q1. 英語長文が読めないのは才能がないからですか?

A. 才能の問題ではありません。英語はセンスや才能がなくても、正しい順序(単語→文法→英文解釈→長文)で積み上げれば誰でも読めるようになります。日本語を話せている時点で、言語習得の素地はすでに持っています。竹内個別でも、偏差値40台からスタートして英語を得意科目に変えた生徒が多数います。

Q2. 英文解釈の勉強にはどのくらい時間がかかりますか?

A. 目安は1ヶ月です。「入門英文解釈の技術70」や「基礎英文解釈の技術100」のような参考書を1冊、2〜3周する程度で十分な効果が出ます。英文解釈は、長文を読む上で「本当に重要な構文」だけに学習時間を集中させられるため、かけた時間に対するリターンが非常に大きい勉強法です。

Q3. 共通テストの英語で時間が足りません。どうすれば間に合いますか?

A. 共通テストのリーディングは約6,000語を80分で処理する必要があるため、WPM(1分あたりの語数)150以上が目安です。WPMを上げるには、精読した長文の音読(1長文につき5回以上)とタイムアタック演習が効果的です。返り読みを完全になくし、英語を前から理解する読み方が定着すれば、時間内に解き切れるようになります。

Q4. 精読と多読はどちらを先にやるべきですか?

A. 必ず精読が先です。精読で「一文を正確に読む力」が身についていない状態で多読をしても、誤った読み方の反復練習になってしまいます。精読→多読の順番は絶対に守ってください。精読で構造が取れるようになってから多読に移行すると、読むスピードが自然に上がっていきます。

Q5. 英語の長文が読めるようになるまでどのくらいかかりますか?

A. 単語・文法の基礎がある程度できている状態から始めた場合、英文解釈1ヶ月+精読・多読の継続で、2〜3ヶ月後には明確な変化を感じられるケースが多いです。まったくのゼロから始める場合は、単語・文法の基礎固めに2〜3ヶ月、英文解釈に1ヶ月、精読・多読で2〜3ヶ月の合計5〜7ヶ月が目安になります。

Q6. 英検のリーディングでも同じ勉強法で対策できますか?

A. 対策できます。英検のリーディングも共通テストと同様に、語彙力・文法力・読解スピードが求められます。英検2級ならWPM120〜130程度、英検準1級ならWPM150以上が目安です。この記事で解説した4ステップ(単語→文法→英文解釈→精読・多読)はそのまま英検対策にも活用できます。

Q7. 単語はわかるのに長文になると読めません。なぜですか?

A. 単語がわかるのに長文が読めない場合、英文解釈のステップが抜けている可能性が高いです。単語と文法だけでは「一文を正確に読む力」は身につきません。英文解釈の参考書を1冊、1ヶ月かけて仕上げてみてください。多くの場合、これだけで長文の読み方が劇的に変わります。

まとめ

英語の長文が読めない原因は「才能」ではなく「学習の順番」にあります。

  • 単語・文法・英文解釈の3つの土台を、まず3ヶ月で一気に固める
  • 特に英文解釈は見落とされがちだが、1ヶ月挟むだけで長文の読み方が劇的に変わる
  • 土台ができたら精読→多読の順で毎日コツコツ続ける
  • 目標はWPM150以上。共通テストも英検も、このスピードがあれば時間切れにならない

竹内個別では、英語が苦手な生徒でも正しい順番で学習を進めることで、多くの生徒が長文読解を得意科目に変えています。「いきなり長文」ではなく「まず英文解釈から」。この順番を知っているかどうかが、英語長文の得意・苦手を分ける最大のポイントです。

英語の長文読解は、正しい知識と正しい順番さえ知っていれば、誰でも確実に伸ばせる分野です。もし今の勉強法で英語の長文に苦しんでいるなら、一度立ち止まって「自分はどのステップが抜けているか」を確認してみてください。

この記事冒頭のチェックリストで自分の弱点を特定し、そのステップから学習を始めれば、最短距離で長文が読めるようになります。正しい順番で、正しい方法で進めれば、英語の長文は必ず読めるようになります。

著者:尾崎侑絃(岐阜大学医学部卒・医師)
監修:竹内壮志(名古屋大学工学部卒)

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